水漏れ

エアコン水漏れ故障の12の原因を徹底解説!


エアコンからの水漏れ原因

突然エアコンから水が漏れてきたとき、どうしていいかわからず困ってしまうのではないかと思います・・・。

エアコンからの水漏れは、水漏れ症状をしっかりと観察していけば、「何が原因でエアコンから水が漏れてくるようになったのか?」ということを特定していくことができます。

今回は、エアコンの水漏れ故障の原因特定方法について詳しくお話していきます。

クーラー(冷房専用など)の場合も構造メカニズムはエアコンとほとんど同じですので、この記事の内容を参考にしていただけます。
スポンサードリンク







プロフィール

この記事の監修者「taichan」


エアコン修理の実務経験が豊富な元メーカー勤務のエンジニア。保有資格は、第三種電気主任技術者、第一種電気工事士、第一種冷凍機械責任者など。


▼おすすめ記事▼


ここをチェック!暖房が効かない原因とエアコン故障の見極め方
エアコンの室外機が動かない原因と対処法まとめ
【ダイキンエアコン】運転ランプやタイマーランプが点滅して動かない場合の対処法
【東芝エアコン】運転ランプやタイマーランプが点滅して動かない場合の対処法
【故障!?】エアコンランプが点滅して動かない原因と対処法

故障によるエアコン水漏れの12の原因まとめ

故障によるエアコンからの水漏れは、おおよそ12の原因に分けることができます。

以下に原因別の水漏れ症状と修理方法を一覧表で記載しておきますので、一度ざっくりと目を通しておきましょう。

原因水漏れ症状修理方法
①ドレンホース
の詰まり
>>詳細はこちら
・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面
・大量の水漏れ(1秒間に1~3滴)
・エアコン運転時は連続して水が出てくる
・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時
・ドレンホースからの排水はない
・室内機ドレンパンに水が溜まっている
・サクションポンプ吸引
・ドレンホース交換
②ドレンパン
の詰まり
>>詳細はこちら
・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面
・大量の水漏れ(1秒間に1~3滴)
・エアコン運転時は連続して水が出てくる
・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時
・ドレンホースからの排水はない
・室内機ドレンパンに水が溜まっている
・分解洗浄
③排水パーツ
の破損
>>詳細はこちら
・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面
・大量の水漏れ(1秒間に1~3滴)
・エアコン運転時は連続して水が出てくる
・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時
・ドレンホースからの排水はない
・室内機ドレンパンに水は溜まっていない
・部品交換
④冷媒ガス
漏れ
>>詳細はこちら
・室内機の吹出口、ルーバー
・多くても2~3秒に1滴程度
・エアコン運転時は連続して水が出てくる
・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時
・エアコンの効きが悪い
・室外機の片方の配管に霜が付いている
・ガスチャージ
⑤エアコン内部
の汚れ
>>詳細はこちら
・室内機の吹出口、ルーバー
・水滴が前に飛び出してくる
・たまにピッ、ピッ・・っと飛んでくる程度
・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時
・エアコン内部がかなり汚れている
・室外機の配管に霜が付いている
・フィルター掃除
・エアコンクリーニング
⑥排水経路
の逆勾配
>>詳細はこちら
・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面
・大量の水漏れ(1秒間に1~3滴)
・エアコン運転時は連続して水が出てくる
・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時
・室内機が傾いている
・ドレン配管に逆勾配箇所がある
・ドレンホースからの排水がない
・室内機ドレンパンに水が溜まっている
・再施工
⑦初期不良や
部品不具合
>>詳細はこちら
・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面
・少量の水漏れ
・エアコン運転時は連続して水が出てくる
・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時
・水漏れ原因が簡単に特定できない
・対策部品に交換
⑧外気の逆流
(高気密住宅)
>>詳細はこちら
・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面
・場合によっては多量
・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時
・窓を締め切った時に発生
・エアコンからポコポコ音がする
・逆勾配の解消
・対策部品の追加
⑨配管断熱材
の劣化
(室外機屋上)
>>詳細はこちら
・室内機の本体底面、取付壁面
・少量
・雨が降った時のみ水が出てくる
・屋外配管が劣化している
・配管断熱材の補修
⑩室外ファン
の異常
>>詳細はこちら
・室外機の底面
・極めて大量
・1~2時間に1度の頻度
・冬場の暖房運転時
・エアコンの効きが悪い
・異物除去
・部品交換
⑪スリーブ穴
の不具合
(雨漏り)
>>詳細はこちら
・配管の壁貫通部
・少量
・雨が降った時のみ水が出てくる
・スリーブ穴の防水材の劣化がある
・スリーブ穴が逆勾配になっている
・防水処理の再施工
⑫配管の結露
>>詳細はこちら
・配管表面
・少量
・夏場の冷房運転時
・たまにしか起こらない
・配管の表面全体に水滴が発生
・配管断熱材の再施工

エアコン修理の依頼はメーカーサポートか、エアコン修理の専門業者(電気工事屋)などに依頼するのが一般的ですが、水漏れの原因によっては自分で修理することができたり、エアコンクリーニング業者に修理を依頼できたりする場合もあります。

このようにエアコン水漏れトラブルは、原因によって水漏れ症状や修理方法、修理の依頼先が変わってくるのが特徴です。

次の項目から、それぞれの水漏れ原因別に、水漏れメカニズムや症状、具体的な修理方法などを詳しく解説していきますので、今発生している水漏れがどのパターンになるのか一緒に確認していきましょう。

室内機からの水が漏れてくるケース

まずは室内機からの水漏れ原因についてお話していきます。

【原因①】ドレンホース詰まりが原因の水漏れ

ドレンホースの中に汚れが詰まって水漏れする

室内機本体からの水漏れトラブルの中で一番多いのが、ドレンホースの詰まりが原因の水漏れです。

ドレンホースとは、室外機の辺りにある灰色の蛇腹形状の排水ホースのことで、何らかの理由でこの排水ホースが詰まってしまうと、エアコン室内機本体の方で水が漏れが発生してしまいます。

エアコン室内機から漏れてくる水の正体

エアコン室内機から漏れてくる水の正体は一体何なのでしょうか?

エアコンが冷房運転を行う際、室内機の内部にあるアルミフィン熱交換器は冷媒ガスによってキンキンに冷やされます。

エアコンの熱交換器の大きさ

室内機は部屋の熱い空気を吸い込んでその冷えたアルミフィンの隙間を通過させることにより空気を冷やし、冷えた空気を送風ファンで吹き出す事によって部屋を冷やすという仕組みで動いています。

エアコンから冷たい風が出るメカニズム

部屋の空気がアルミフィンを通過する際、冷えたアルミフィンに触れることで空気中の水分がアルミフィンに結露して付着します。

これはちょうど夏場に氷を入れたガラスのコップの表面に水滴がつくのと同じ原理となっています。

エアコンのドレンパンの役割は結露水を受け止めること

アルミフィンに付着した水分はフィンをつたって下に流れていき、アルミフィンの下にあるドレンパン(露受皿)に落ち、最終的にはドレンホースを通って室外に排出されます。

エアコンの結露水の排水経路(ドレンパン、ドレンホース)

エアコンから出るドレン水

真夏日に冷房運転を行った場合、一般的なルームエアコンでも一日あたり数リットルから十数リットルもの結露水が発生しています。

何らかの原因でこの排水経路が詰まってしまった場合、この結露水がドレンパンから溢れてしまい、エアコンから水が漏れてくることになります。

ドレンホースの中に汚れが詰まって水漏れする

エアコンから水が漏れてきた時、配管の中に封入されている冷媒ガスなどが漏れ出てきたのではないかと心配する人もいるのではないかと思います。

ですが、エアコンから漏れてくる水は基本的にはアルミフィンについた結露水(ただの水)が漏れ出てきているだけとなりますので、安心してください。

ドレンホース詰まりが原因の場合の水漏れ症状

ドレンホース詰まりが原因のエアコンからの水漏れ場所

ドレンホース詰まりが原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。

項目内容
水漏れ箇所・吹出口やルーバー
・本体底面
・壁面
水漏れ量・本格的な詰まりの場合は多量
(1秒間に1~3滴程度)
水漏れ頻度・エアコン動作中は連続的に水漏れ
水漏れ
発生条件
・夏場
・冷房、除湿(ドライ)運転時
・設置から数年が経過後
水漏れ原因
特定方法
・ドレンホースから排水がない
・室内機ドレンパンに水が溜まっている
・エアコンの効きは良い

ドレンホースが詰まってしまった場合、エアコンの吹出口や本体底面などからエアコン動作中は連続的にポタポタと水が漏れてくるのが特徴です。

水漏れ量としては完全にドレンホースが詰まってしまっているような場合だと、1秒間に1~3滴程度、垂れて落ちてくることもあります。

室内機からの水漏れが発生していて、エアコンの冷房やドライ運転中に室外の排水ホースから排水がない、室内機のドレンパンに水が溜まっているというような場合は、ドレンホースの詰まりを疑っていきましょう。

ドレンホース詰まりの4つの原因

ドレンホースが詰まってしまう原因は主に4つあります。

ドレンホースの先端が塞がっている

エアコン水漏れドレンホースの先端が塞がっている

ドレンホースの先端に植木鉢が置かれてしまっていたり、ドレンホースの先端が土の中に埋もれてしまっているような場合、結露水がうまく排水されず、行き場を失った水が室内機側で溢れ出してきます。

エアコン室内機の水漏れ

この場合、ドレンホースの先端に置かれているものをどけたりして、水がドバーッと流れ出てきたら水漏れが解消されます。

この他にも、ドレンホースの先端が下向きではなく上向きになっていたり、排水口などに溜まった水の中に突っ込まれているような場合も水漏れの誘発原因となりますので、そういったことがないかどうか確認してみてください。

ドレンホースの内面に大量の汚れが付着している

エアコン内部の冷却フィンなどについたカビやホコリがドレンパンの上に落ちてドレンホースに流れていき、その中でへばり付いてしまうと、結露水の流れが悪くなって室内機本体から水漏れが発生します。

ドレンホースの中に汚れが詰まって水漏れする

このドレンホースが詰まってしまう原因は長年の使用による汚れの蓄積もあるのですが、最近流行りのエアコン洗浄スプレーなどで落とされたフィン汚れがドレンホースをつまらせてしまうケースが多々見受けられます。

エアコン洗浄スプレーでフィン洗浄

エアコン洗浄スプレーの洗剤は強力なのでフィン汚れは簡単に落とせるのですが、その汚れを室外に排出するだけの十分な水量がありません。

特に、ドレンホースにはたくさんの凹凸があるためそこに汚れが引っかかってしまい、最終的にはドレンホースの流路を塞いでしまいます。

エアコンクリーニング業者によるエアコン洗浄の場合は、専用のエアコン洗浄機を使って洗剤洗浄後のすすぎに大量の水で汚れを室外に洗い流すことができます。

エアコン洗浄機でアルミフィンのカビ汚れ落とし

このようにエアコン洗浄スプレーによるDIY掃除はエアコンの水漏れの原因を作ってしまう可能性があるので、あまりおすすめはできません。

どうしてもエアコン洗浄スプレーを使いたいという場合、少しでも汚れをちゃんと排出するためにスプレー缶は1缶を最後までしっかりと使い切るようにしていきましょう。

ドレンホースに虫が侵入して詰まってしまう

ドレンホースのつまりは、室内機側から流れ来る汚れ以外にも、室外側のドレンホース出口から侵入してきた虫(コガネムシやハチ、ゴキブリなど)が原因で発生することもあります。

虫の死骸などがドレンホースをつまらせる

エアコンのドレンホースは地面から5~10cm程度浮かせて設置することが推奨(メーカーの据付工事説明書など)されています。

エアコンドレンホースの先端を地面から離す

ドレンホースの先端が地面に垂れた状態で設置していたりすると虫が侵入しやすくなりますので、注意が必要です。

なお、ドレンホースの先端に専用のキャップや目の荒いネットを設置しておけば、詰まりの原因となる虫が入り込めなくなりますので、エアコン水漏れの予防になります。

ドレンホースの先端にキャップを付ける

エアコンドレンホースの先端にネットを取り付けて害虫の侵入を防ぐ

ドレンホースが折れやねじれで詰まってしまう

ドレンホースが折れたりねじれたりしてしまうと、配管内の水が流れる面積が狭くなり、ドレンホースが詰まりやすくなってしまいます。

ドレンホースの折れによるエアコン水漏れ

このドレンホースの折れや潰れが発生しやすいのが、壁から配管が出てくる部分や配管カバーを使った曲がり部分です。

例えば上記の場合だと、冷媒配管(白い断熱材に覆われている)の横や上に蛇腹上のドレンホースが配置されていて、緩やかに曲がって下に降りてきていますので、結露水はスムーズに内部を流れていきます。

仮に、ドレンホースが冷媒配管の壁側(内側)に配置されていたりする場合、ドレンホースが冷媒配管に押さえつけらる形になってしまいます。

エアコンドレンドレンホースが潰れて水漏れ

ドレンホースはちょっとした曲がりや折れ、潰れは耐えられるような設計になっているのですが、上記のように何年も力を受け続けるような場合、経年劣化でだんだんとドレンホースが潰れきてしまって流路が狭くなっていきます。

狭くなた部分は汚れが溜まりやすくなりますので、最終的には部分が詰まってしまって水漏れが発生してしまいます。

サクションポンプを使った詰まり除去修理の方法

エアコンの水漏れ原因の約8割はこのドレンホースのつまりが原因となっています。

ドレンホース詰まりの修理方法は、サクションポンプによる詰まり吸引修理やドレンホースの交換修理が基本となります。

ちょっとした詰まりであればサクションポンプという道具を使って詰まりを吸引して取り除くことができます。

エアコンのドレンホースつまり解消

本格的な詰まりやドレンホースの折れや潰れが発生している場合は、ドレンホースの交換修理が必要となってきます。

ドレンホースがどの程度詰まっているかについては実際に作業を進めていかないとわかリませんので、確実に水漏れを直してもらいたいのであれば、業社に依頼した方がベターです。

DIYが得意な人はサクションポンプを使って水漏れを解消することができないか試してみるのも一つの手です。

サクションポンプを使ったドレンホース掃除の手順

まず、エアコン室内機の吹出口周りにビニール袋をかぶせていきます。

エアコン水漏れ修理でビニール袋をエアコンの吹出口に取り付け

これは作業中に水が逆流して室内機から溢れてきたときに部屋に水が溢れてこないようにするための対策となります。

念のため、室内機の真下の床あたりに雑巾などをたくさん準備しておきましょう。

次に、サクションポンプ(ホームセンターやネットショップなどで2000~3000円で購入可能)を室外機のドレンホースの先端に挿入します。

サクションポンプをドレンホースに差し込む

サクションポンプをドレンホースに差し込んだ

サクションポンプの使い方のポイントは、引っ張るときは素早く、押すときはゆっくり操作するか、サクションポンプを取外して押すことです。

というのも、速いスピードで押し込んでしまうとドレンホースにたくさんの空気が一気に吹き込まれてしまってたまっている水が逆流し、室内機から水が漏れてきてしまうことがあるからです。

ですので、サクションポンプを操作するときは、引っ張るときは素早く、押すときはゆっくり、または取外して行うことを意識して作業していきましょう。

レバー動作動作
スピード
理由
引っ張る早く詰まりを勢いよく
吸い出すため
押し込むゆっくり
(または取外して)
水が逆流して
エアコンから漏れる
のを防ぐため

何度かサクションポンプを操作して詰まりが取れると、突然スルッと引っ張るのが楽になり、ドレンホースからサクションポンプを取り外すと汚れや水がドバーッと流れ出してきます。

このような状態になったらドレンホースの詰まりは取り除くことができたということになりますので、一度エアコンを冷房運転で動かしてみて水漏れが直ったかどうか確認してみてください。

エアコン起動から20~30分経過後、ドレンホースから水滴がポタポタ落ち始めることを確認することができれば、ドレンホースの掃除は修理完了です。

ドレンホース交換修理の方法

ドレンホースは室内機からおおよそ1m付近の部分で接続され(ビニールテープ固定)ているため、配管をグルグル巻きにしているビニールテープなどを取り外しますた後、その接続部分でドレンホースを切り離します。

エアコンのドレンホース室内側

エアコンドレンホースの接続部

新しいドレンホースをエアコン側に挿入し、ビニールテープで固定します。

ドレンホースをビニールテープで固定

室内側のドレンホースには結露防止の断熱材も忘れずに巻いておきす。

この断熱材を巻き忘れてしまうと、ドレンホースの外表面に結露が発生し、その水滴が垂れて別の水漏れの原因となってしまいます。

配管一式をビニールテープで仮止めし、その後幅の広いタイプのビニールテープで冷媒配管やドレンホース全体を隙間なく巻きつけていけばドレンホース交換は完了となります。

なお、幅広ビニールテープを使った配管巻きつけは配管の劣化防止のための作業ですので、配管カバーに納める場合は幅の狭いビニールテープで仮止めして配管カバーの中に収めるだけとなるのが一般的です。

エアコン配管カバーの中の状態

ドレンホース詰まりが原因の場合の水漏れ修理の依頼先

ドレンホース詰まりが原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
汚れによる詰まり
→サクションポンプ修理
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社
エアコンクリーニング業社
 (サクションポンプ修理のみ)
ドレンホースの折れ捻れ
→ドレンホース交換
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社

エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。

夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。

このような場合、エアコン修理業社やエアコンクリーニング業者に早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。

注意点としては、エアコンクリーニング業者はエアコン修理が専門ではありませんので、全ての水漏れに対応できるというわけではないという点です。

確実に修理してもらいたいという場合は、エアコン修理業者の方から優先して問い合わせをしていくのがベターです。

【原因②】ドレンパン出口部の詰まりが原因の水漏れ

ドレンパンを取り外してエアコン水漏れの原因の詰まりを取る

エアコンには、室内機本体内部にあるアルミフィンで発生する露を受けるドレンパンというパーツがあり、このドレンパンの水が流れる流路が何らかの原因で詰まってしまうと、エアコン室内機から水漏れが発生してしまいます。

ドレンパンとは、エアコン室内機のアルミフィンの下側に配置されている部品のことで、夏場の冷房運転やドライ運転時にアルミフィンに発生する露を受け止めています。

エアコンのドレンパンの役割は結露水を受け止めること

ドレンパンで受け止めた露はドレンホースに流れていき、最終的には室外に排出される仕組みになっています。

エアコンの結露水の排水経路(ドレンパン、ドレンホース)

エアコンから出るドレン水

このドレンパンの出口部分(ドレンホースとつながる部分)は、外部から虫などが入ってこないようにするために穴の径が小さく、詰まりやすい構造になっています。

ドレンパン出口部の穴の内径を小さくしている

万が一、ドレンパンの出口部分が詰まってしまうと、行き場を失った水がドレンパンから溢れ出し、室内機から水が漏れてきてしまうことになります。

ドレンパンから溢れた水が漏れてくる

ドレンパン詰まりが原因の場合の水漏れ症状

ドレンパン詰まりが原因のエアコンからの水漏れ場所

ドレンパン詰まりが原因の場合の水漏れ症状はドレンホース詰まりの場合とほとんど同じとなります。

項目内容
水漏れ箇所・吹出口やルーバー
・本体底面
・壁面
水漏れ量・本格的な詰まりの場合は多量
(1秒間に1~3滴程度)
水漏れ頻度・エアコン動作中は連続的に水漏れ
水漏れ
発生条件
・夏場
・冷房、除湿(ドライ)運転時
・設置から数年が経過後
水漏れ原因
特定方法
ドレンホースから排水がない
室内機ドレンパンに水が溜まっている
・エアコンの効きは良い

ドレンパンが詰まってしまった場合の水漏れ症状は、エアコンの吹出口や本体底面などからエアコン動作中は連続的にポタポタと水が漏れてくるのが特徴です。

水漏れ量としては完全にドレンパンが詰まってしまっているような場合だと、1秒間に1~3滴程度、垂れて落ちてくることもあります。

室内機からの水漏れが発生していて、エアコンの冷房やドライ運転中に室外の排水ホースから排水がない、室内機のドレンパンに水が溜まっているというような場合は、ドレンパンの詰まりを疑っていきましょう。

ドレンパン詰まりとドレンホース詰まりの見分け方

先ほどお話したとおり、エアコンの吹出口やルーバー、底面、壁面から大量の水が漏れてきた場合、その主な原因はドレンパンやドレンホースなどの排水経路の詰まりとなります。

エアコンからの水漏れ場所

ただし、ドレンパンとドレンホース、どちらが詰まっても同じようなところから水漏れが発生してしまう、排水経路のどこで詰まって水漏れしているのか判断がつきにくい場合があります。

このような場合、排水経路のどの部分で詰まりが発生しているのか特定していく必要があります。

具体的な方法としては、まずエアコン配管のカバーやビニールテープを取り外し、室内機から伸びているドレン配管と、ドレンホースの接続部が見えるようにします。

エアコンドレンホースの室内接続部からの水漏れ

そして、このドレンホースの接続部を取り外し、室内機側からドレン水が正常に排水されているかどうかを確認していきます。

エアコン水漏れのドレンホースの交換手順

ドレンホース内に水が溜まっていて、ホースを抜いた瞬間に大量の水が溢れ出てくることがありますので、バケツなどを準備してから配管を切り離す必要があります。

この時、エアコン室内機(写真右側)の方からちゃんとドレン水が排水されてきているのであれば、そこから先(写真左側)のドレンホースが詰まっているということになります。

逆に、エアコン室内機側からドレン水が排水されてこない場合、ドレンパンの詰まりが原因である可能性が高いと判断することができます。

この他に、室内機の本体カバーを取り外して、ドレンパン出口部分に異物がないか目視確認していく方法もあります。

エアコン掃除で本体カバーを取り外したエアコン

本体カバーを外してドレンパンの詰まりを目視確認

機種によってはドレンの排出口を目視できないこともありますので、その場合はドレンパンを取り外すところまで分解して、ドレンパンにつまりがないか確認していく必要がある場合もあります。

エアコン水漏れドレンパンつまりを取り除くためにドレンパンを分離

このようにエアコンを分解してつまり箇所を目視し、排水経路のどの部分で詰まりが発生しているか原因の特定をしていくことになります。

ドレンパン詰まりの2つの原因

ドレンパン詰まりの主な原因は以下の2つとなります。

エアコン内部の汚れが流路を塞いでしまう

ドレンパンはアルミフィンで発生した水分やホコリなどの栄養分が流れ込んでくる場所となっています。

特に夏場のエアコン停止後などは、ドレンパンの上には水分と養分、そして高温でジメジメした環境となってしまっているため、カビや微生物が大量発生しやすい環境となってしまっています。

そういったスライム状の汚れがドレンパン出口部を塞いでしまって水漏れが発生することがあります。

このようにドレンパン詰まりは設置されてから10年以上経過したエアコンで発生することが多くなっています。

また、少し前にもお話しましたが、最近ではエアコン洗浄スプレーなどで落とされた汚れがドレンパン出口部につっかえてしまって穴を塞いでしまうケースも多々見受けられるようになってきました。

エアコン洗浄スプレーでフィン洗浄

エアコン洗浄スプレーによるDIY掃除はなるべく避け、専用の機械を使って大量の水ですすぎができるプロのエアコンクリーニングしてもらうことをおすすめします。

室内機側から侵入した害虫が流路を塞いでしまう

稀なケースになりますが、室内機側からゴキブリなどの害虫が本体内部に侵入し、ドレンパンの上で死んでしまい、出口部分で詰まってしまうということもあります。

このようなケースの場合、エアコン取付から1~2年でもドレンパン詰まりによる水漏れが発生してしまうことになります。

ドレンパン詰まりの修理方法

ドレンパンの詰まりがエアコン水漏れの原因であることが分かった場合、次は水漏れ修理に取り掛かっていきます。

ドレンパン詰まりの具体的な修理方法は、排水経路のつまり箇所によって3種類に分かれています。

  1. ちょっとした詰まりの場合 → サクションポンプによる吸引修理
  2. ドレンパン出口部の詰まり → 針金などによる詰まり除去
  3. ドレンパンに汚れがかなり蓄積している場合 → ドレンパンの分解掃除

運が良ければ1や2の簡単な作業で水漏れを解消することができるのですが、運が悪ければエアコンを本格的に分解してパーツ洗浄していく必要が出てきます。

サクションポンプによる吸引修理はドレンホースの修理方法と同じですので、以下では針金による詰まり除去とドレンパンの分解掃除について解説していきます。

「針金」で突っついて異物を取り除く方法

ドレンパンの出口部分で詰まっている異物は、針金やストローなどを使って、突いたり、空気を吹き込んだりして詰まりを取り除くことができる場合があります。

針金を使ったドレンパン詰まり掃除

ただし、この方法は本体カバーを外して行う必要があるため、素人では難しいですので参考程度にご覧ください。

まず、エアコンの電源プラグを抜き、エアコンの本体カバーを外していきます。

エアコン本体のカバーを取り外すところ

取外したエアコンの本体カバー

本体カバーを取り外したところ

このエアコンの場合、ドレンホースはエアコンの左下辺り(赤丸で囲まれているところ)でドレンパンに接続されています。

エアコン室内機のドレンホースが接続されているところ

下の図で矢印のところにドレンホース接続部となるので、下図ドレンパンの赤丸の部分あたりから針金を差し込んで詰まっているものを突いて取っていきます。

エアコンのドレンパンの排水流路の入り口

針金を使ったドレンパン詰まり掃除

針金を排水口の奥に突っ込んだりしていて、ドレンパンに溜まった水がさーっと流れ出したらつまりが取れたサインです。

もし、針金でつまりが取れなかった場合は、ストローでフゥーッと息を吹き込んでやると詰まりが取れることもあります。

針金を使ったこの修理方法はあくまでも応急的な処置となるため、修理業者の人もあまりこの方法を採用することはありません。というのも、この部分で詰まりが発生したということは、ドレンパン上にかなりの汚れが溜まっている事が多いため、その部分の汚れを除去しておかないとまた水漏れが再発してしまうことになります。ですので、先ほどお話したサクションホースでの修理が不可能な場合は、次に紹介するドレンパンの分解洗浄を行うのが一般的です。
「ドレンパンの分解掃除」で詰まりを取り除く方法

ドレンパンつまりを取り除くためにドレンパンを分離

サクションポンプや針金でドレンパンのつまりを解消できなかった場合、エアコンを分解してドレンパンに詰まっている汚れを取り除く必要があります。

上記のようにドレンパンをずらした状態で洗浄する場合もありますし、下記のようにドレンパンを完全に取り外して洗浄するケースがあります。

ドレンパンを取り外してエアコン水漏れの原因の詰まりを取る

この方法もエアコンを分解する必要がありますので、素人の人には難しいですので、参考程度に御覧ください。

まず、エアコンの電源プラグを抜き、エアコンの本体カバーを取外していきます。

エアコン本体のカバーを取り外すところ

取外したエアコンの本体カバー

本体カバーを取り外したエアコン

次に、周辺のパーツを一つ一つ丁寧に取外していきます。

エアコン掃除でルーバーギアボックスを取り外しているところ

エアコンの周辺パーツを取り外す

周辺のパーツが外れたら、次はドレンパンを固定しているネジを緩めてドレンパンを外します。

エアコンのドレンパンを固定しているビスを取り外す(右側)

エアコンのドレンパンを固定しているネジを取り外しているところ

これらのネジを外すことができれば、ドレンパンを外すことができます。

エアコン水漏れドレンパンつまりを取り除くためにドレンパンを分離

取り外したエアコンのドレンパンと送風ファン

上記のように完全にドレンパンを外した状態で清掃する場合もありますが、ドレンパンをずらした状態で詰まりを除去できることもあります。

これはケースバイケースで判断していくしかありません。

ドレンパンの具体的な洗浄方法としては、ドレンパンに塩素系の洗剤を吹きかけ、その後、アルカリ系の洗剤で出口部に詰まったドロッとしたスライム状の汚れを溶かしながら取り除いていきます。

ドレンパンを取り外して掃除する場合は、お風呂場などをお借りしてそこでパーツをきれいにしていくことが多いです。

このドレンパン部のスライム汚れは洗浄力の弱いエコ洗剤では全く歯が立たちませんが、塩素系や強アルカリの洗剤つかうことで、ドレンパンにこびりついたカビ汚れまできれいに落とすことができます。

エアコン掃除の洗剤はエコ洗剤と強アルカリ系洗剤を汚れの状況に応じて使い分けていくのがポイントとなります。

サクションポンプや針金などによる簡易的な水漏れ修理ではなく、こうやってドレンパンを取外してしっかりと洗浄しておけば、今後の水漏れ故障を未然に防ぐことができます。

ドレンパンの分解掃除を行う場合、エアコンを本格的に分解していく必要があります。機種によっては構造上、ドレンパンの取外しが難しかったり、設置から10年以上経過していて部品の劣化が進んでいたりするような場合、ドレンパン分解時に部品が割れてしまったりすることがあります。このようにドレンパンの分解掃除には部品破損のリスクもあるため、業社によってドレンパンを分解して掃除をするか、ドレンパンは分解せずにサクションポンプや針金などで詰まりを取り、強めの洗剤でエアコンクリーニングを行ってドレンパンの汚れを流して落とす方法を選んだりする場合もあります。

ドレンパン詰まりが原因の場合の水漏れ修理の依頼先

ドレンパン詰まりが原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
ドレンパン詰まり
→ドレンパンの分解洗浄
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社

エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。

夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。

このような場合、エアコン修理業社にも早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。

【原因③】排水パーツの破損が原因の水漏れ

エアコンドレンパンと結露水排出のイラスト図

エアコン内部にはアルミフィン熱交換器で発生する露を屋外に排出するために、ドレンパンやドレンホースなどの排水パーツが取り付けられています。

アルミフィンで発生した露はドレンパン(ドレン皿)で受け止められ、ドレンホースを通って室外に排出されていきます。

エアコンの結露水の排水経路(ドレンパン、ドレンホース)

エアコンから出るドレン水

何らかの原因で、排水パーツが破損してしまったり、部品同士の接続部が緩んでしまったりした場合、室内機本体から水が漏れてきてしまうことになります。

排水パーツの破損が原因の場合の水漏れ症状

排水パーツが破損したことが原因のエアコンからの水漏れ場所

排水パーツ破損の場合の水漏れ症状は以下の通りとなります。

項目内容
水漏れ箇所・吹出口やルーバー
・本体底面
・壁面
水漏れ量・本格的な破損の場合は多量
(1秒間に1~3滴程度)
水漏れ頻度・エアコン動作中は連続的に水漏れ
水漏れ
発生条件
・夏場
・冷房、除湿(ドライ)運転時
エアコン分解組立直後など
水漏れ原因
特定方法
ドレンホースから排水がない
・室内機ドレンパンに水は溜まらない
・エアコンの効きは良い

排水系のパーツが破損してしまった場合、エアコンの吹出口や本体底面などからエアコン動作中は連続的にポタポタと水が漏れてくるのが特徴です。

水漏れ量としては完全にパーツが破損してしまっている場合だと、1秒間に1~3滴程度、垂れて落ちてくることもあります。

ここまではドレンホースやドレンパンの詰まりが原因の場合と同じなのですが、排水系パーツ破損の場合は室内機ドレンパンの中に水はたまりません。

エアコンの前面パネルを開けてフィルターを取外し、ペンライトなどでアルミフィンの下を照らしてみるとドレンパンが見えますので、そこに水が溜まっているかどうか確認してみましょう。

エアコンのアルミフィンの下のドレンパンに水が溜まっているか

室内機から比較的多量の水漏れが発生しているけれども、室内機のドレンパンに水が溜まっていないというような場合は、排水系パーツの破損となります。

特に、エアコン室内機の分解クリーニング直後などに水漏れが発生したというような場合は、こういった原因を疑っていきましょう。

排水パーツ破損の2つの原因

排水系パーツ破損の主な原因は以下の2つとなります。

分解組立時にドレンパンが割れてしまう

取り外したエアコンのドレンパンと送風ファン

ドレンパンの割れはエアコンクリーニングの分解洗浄でドレンパンを取外したりする際に発生することがあります。

特に、製造から10年以上経過したエアコンの場合、樹脂パーツが劣化して脆くなってしまっていることがあるため、施工ミスがなくてもパーツが破損してしまうケースもあります。

また、ドレンパンが前後分割式になっている場合もあり、組み立て不良でパーツの組み合わせ部分から水が漏れてくることもあります。

エアコンクリーニング業者の多くは、このようなドレンパン破損を避けるため、ドレンパンを分解して洗浄するのではなく、強めのアルカリ系洗剤などで汚れを溶かして汚れを落とす方法を採用しています。

本当に稀なケースとして、何もしていないのに経年劣化で樹脂パーツが割れてしまうこともあったりしますが、そういった事は殆どありませんので、何らかの力が加わって割れてしまうのがほとんどです。

ドレンホース接続部が緩んでしまう

エアコン室内機のドレンホースが接続されているところ

エアコン本体裏側には、製造時から取り付けられているドレンホースがドレンパンに接続されている部分があります。

エアコンの配管を右出しにするか、左出しにするかによって、この接続部を付け替えたりできるような構造になっているのですが、この接続部分が緩んで水が漏れてきていることがありました。

この部分から水が漏れるのは本当に滅多に無いケースとなりますので、参考程度にしておいてください。

ドレンパンの交換修理方法

ドレンパンを取り外してエアコン水漏れの原因の詰まりを取る

ドレンパンの交換修理は、エアコンを分解してドレンパンを取外し、新しいドレンパンを取り付けていくという作業手順となります。

この方法はエアコンを分解する必要がありますので、素人の人には難しいですので、参考程度に御覧ください。

まず、エアコンの電源プラグを抜き、エアコンの本体カバーを取外していきます。

エアコン本体のカバーを取り外すところ

取外したエアコンの本体カバー

本体カバーを取り外したエアコン

次に、周辺のパーツを一つ一つ丁寧に取外していきます。

エアコン掃除でルーバーギアボックスを取り外しているところ

エアコンの周辺パーツを取り外す

周辺のパーツが外れたら、次はドレンパンを固定しているネジを緩めてドレンパンを外します。

エアコンのドレンパンを固定しているビスを取り外す(右側)

エアコンのドレンパンを固定しているネジを取り外しているところ

これらのネジを外すことができれば、ドレンパンを外すことができます。

ドレンパンを分離

取り外したエアコンのドレンパンと送風ファン

後は、送風ファンや電装部品を取外していけば、ドレンパンを取り出すことができます。

ドレンパンを取り外してエアコン水漏れの原因の詰まりを取る

新しいドレンパンを取り付け、逆の手順でエアコンを組み立てていけば修理完了です。

排水パーツ破損が原因の場合の水漏れ修理の依頼先

排水パーツ破損が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
排水パーツ破損
→部品の交換修理
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社

エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。

夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。

このような場合、エアコン修理業社にも早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。

【原因④】冷媒ガス漏れが原因の水漏れ

泡で冷媒ガス漏れを見つける

ルームエアコンの配管内にはおおよそ1kg前後の冷媒ガスが封入されています。

何らかの理由でこの冷媒ガスが漏れて少なくなってしまった場合、室内機内部配管などの異常冷却によって予期していないところに結露が発生し、その結露水が垂れて室内機から漏れてくることがあります。

冷媒ガス漏れによる水漏れのメカニズム

エアコンは部屋の中にある熱を室内機で冷媒の中に取り込み、冷媒を使って室外機まで運んで室外機で熱を吐き出すという仕組みで動作しています。(冷房運転時)

エアコンの冷房時の冷媒ガスの流れ

通常の冷房運転時に発生するアルミフィンなどに付着する結露水はドレンパンなどで回収され、ドレンホースを通じで室外に排出される仕組みになっています。

エアコンドレンパンと結露水排出のイラスト図

ですが、冷媒ガス漏れによって室内機本体内部の本来結露が発生しないような箇所に発生してしまった水滴については、ドレンパンでキャッチすることができないため、室内機の外に漏れ出してしまうことになります。

冷媒ガス漏れが原因の場合の水漏れ症状

冷媒ガス漏れが原因の場合の水漏れ症状

冷媒ガス漏れの場合の水漏れ症状は以下の通りとなります。

項目内容
水漏れ箇所・吹出口やルーバー
・ほとんどの水滴は真下に落ちる
水漏れ量・多くても2~3秒間に1滴程度
水漏れ頻度・エアコン動作中は連続的に水漏れ
水漏れ
発生条件
・夏場
・冷房、除湿(ドライ)運転時
水漏れ原因
特定方法
室外機の配管に霜がついている
最近冷えが悪くなってきていた
(室内機の吸込吐出空気の温度差8℃以下)
・ドレンホースからの排水はある
・室内機ドレンパンに水は溜まらない

水漏れの原因が冷媒ガス漏れの場合、エアコンの吹出口やルーバー辺りから水がポタッ・・・、ポタッ・・・と漏れてくるのが一般的です。

水漏れ量としては排水経路異常(ドレンホースやドレンパンの詰まりなど)のときよりも少なく、多くても2~3秒に1~3滴程度といった感じになります。

ガス漏れの場合、室外機の配管(細い方)が氷点下以下まで温度が下がるため、霜が発生して真っ白くなってしまうのが特徴です。

エアコンガス漏れで配管に霜がつく

通常の場合、この配管に液体の露がつくことはありますが、凍って白くなることはまずありません。

この他に、エアコンの冷媒ガスが漏れると、エアコンの効きが悪くなってきます。

水漏れの発生前後で、最近エアコンの効きが悪くなってきたなぁと感じたのであれば、ガス漏れが原因の水漏れである可能性が高まります。

冷媒ガス漏れ有無の判断方法

ガス漏れの有無を判定する方法としては、業社の場合はゲージマニホールドという圧力計を使ってガス圧を測定していきますが、専用の測定器具が必要ですし、圧力の高いガスの取り扱いには危険が伴います。

素人の場合はエアコン室内機の吸込空気温度(室内機上部の温度)と吹出空気温度(室内機の吹出口から吐き出される風の温度)の差が正常範囲にあるかどうかでガス漏れの簡易確認が可能ですので、そちらの方法を試してみるといいでしょう。

正常運転時の吹出口と吸込口の温度差

  • 冷房運転時;8~13℃が正常
  • 暖房運転時;16~23℃が正常

具体的には、冷房運転時の室内機の吸込と吹出温度差が8℃以下しかないような場合はエアコンガスが漏れている可能性が高いと考えていいでしょう。

具体的な温度測定方法としては、写真左側ような温度計(ホームセンターで2000円ぐらいで購入できる、本体部とセンサー部の2箇所で温度を測定可能)を使ったり、写真右側のよう非接触タイプの温度計(約2000円)を使って測定するのがいいでしょう。

冷媒ガス漏れを調べるための温度計

エアコンの吸込み温度を測定

エアコン吹出口からの音度を測定

このようにエアコンの吸込温度と吹出温度を測定し、その温度差が小さければエアコンの冷媒漏れが原因だと判断していくことができます。

冷媒ガス漏れの2つの原因

冷媒ガス漏れは2つの原因が考えられます。

フレア接続部からの冷媒漏れ

エアコンガス漏れの原因の多くは配管接続部からの冷媒漏れとなります。

家庭用のエアコンはフレア加工を施した銅管をフレアナットで締め付けながら圧着接続する方式を採用しています。

エアコン配管の継ぎ手を離した状態

この接続方法は、フレア加工した銅管をフレアナットで締め付けて変形させながら圧着させるため、基本的には冷媒漏れが発生しにくい構造になっています。

ただ、完全完璧にガスがもれない構造ではないため、稀に施工不良や中古品購入、引っ越しなどでの配管の使い回し(フレア加工部の再使用)、配管を接続したままエアコンを動かしたなどが原因で、接続不良を起こして冷媒が漏れてしまうことがあります。

家庭用エアコン場合、冷媒漏れを起こしやすい冷媒配管の接続部は室内機側と室外機側の2箇所となります。

室内機側の配管接続部

室内機裏側の配管接続部

エアコン配管の接続部

室外機側の配管接続部

室外機側の配管接続部

その他配管パーツからの冷媒漏れ

稀に海岸地域(塩分が多い)や温泉地(硫黄が多い)、下水配管に直接ドレンホースを取り付けている(アンモニアなどが多い)ような場合、銅配管の腐食により穴が空いてしまい、そこから冷媒ガスが漏れていることもあります。

また、初期不良などが原因で熱交換器や電磁弁、コンプレッサーなどの部品から冷媒漏れが発生することもあったりします。

ただし、フレア継手部分からの冷媒漏れよりは圧倒的に事例数は少ないですので、まずは継手部分からの冷媒漏れを疑っていくのが一般的です。

ガス漏れ箇所の特定方法

泡で冷媒ガス漏れを見つける

一般的にエアコンのガス漏れを起こしやすいのは配管接続部なので、そこから冷媒が漏れていないかを確認していくことになります。

洗剤をかけてガス漏れを目視チェックする

ガス漏れを確認する一番簡単な方法は、配管の接続部に水で薄めた中性洗剤をたっぷりかけて、接続部からプクプク泡が出てこないか確認する方法です。

冷媒ガス漏れを洗剤で確認

こんな感じで継ぎ手のところに薄めた洗剤をかけてやると、冷媒漏れを起こしている場合、「プクッ、プクッ・・・」という感じで小さな泡が継ぎ手の隙間から出てきます。

古典的な方法ですが、かなりの確率で冷媒漏れを見つけることができます。

ただし、冷媒漏れの量が多すぎる場合、勢いが強くて泡にならないケースもありますし、完全に配管内のガスが抜けきってしまっている場合、冷媒が漏れていないので泡も出てこないという事もあります。

エアコンがちょっとでも効いている間はこの方法で対応できると思いますので、一度試してみるといいと思います。

スプレータイプの冷媒ガス漏れ検知

泡で冷媒ガス漏れを見つける

なお、洗剤の他に「ガス漏れ検知剤」などとネットで検索すれば、ギュッポフレックスなどのガス漏れチェック専用スプレーを購入することも可能ですので、ご参考まで。

冷媒ガス漏れ検知器で確認する

次に紹介する方法は、冷媒ガス漏れ検知器という道具を使ってガス漏れ箇所を特定する方法です。

冷媒ガス漏れを検知するリークディテクター

先程の洗剤を使った目視確認をするためには、銅配管を露出させなければリークチェックできませんでした。

ですがが、冷媒ガス漏れ検知器を使えば、配管カバーに小さな穴を開け、そこに検知器の先端を挿入するだけで、ガス漏れがあるかどうか(ガス漏れが合った場合、”ビー”という音が鳴る、ランプが光る)を確認することができます。

また、ガス漏れ検知器は微量なガス漏れまで検知することが可能(年に数gのガス漏れまで検知可能、エアコンには数百gの冷媒が入っている)となっていますので、取り付けてから数年後にガス漏れ症状が出たというレベルのガス漏れでも検知していく事が可能となっています。

ネットなどで数千円で購入できますので、興味のある人は実験的に購入してみてもいいのではないでしょうか。

蛍光リークチェッカー

その他のガス漏れチェック方法としては、エアコンの冷媒配管内にリークチェッカーと呼ばれる紫外線などに反応して光る物質を入れ、配管の外側から紫外線ライトを当てながら、漏れ出したところを見つけるという方法もあります。

ただし、この方法は配管内に蛍光材を注入する必要がありますし、目視確認するために紫外線ライトを使う必要もあります。

自動車のエアコンのガス漏れチェックなどでは使われたりすることもありますが、家庭用のエアコンではあまり使われていない方法となります。

冷媒ガス漏れの修理方法

冷媒ガス漏れの場合の修理方法としては、まず、先ほどお話したガス漏れ箇所を特定した後、フレアの再加工などを行ってガス漏れ箇所を修理します。

エアコンの正常なフレア加工

その後、配管を再接続して真空引きし、その後冷媒ガスをチャージしていくという流れになります。

エアコンに冷媒をガスチャージ

水漏れにつながるようなガス漏れは配管継手辺りからのスローリーク(少しづつガス漏れする状態)であることがほとんどのため、当日その場で修復可能なケースが多いです。

ガス漏れが原因の場合の水漏れ修理の依頼先

ガス漏れが原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
冷媒ガス漏れ
→ガスチャージ
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社

エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。

夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。

このような場合、エアコン修理業社にも早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。

【原因⑤】フィルターや内部の汚れが原因の水漏れ

エアコン内部汚れが原因の水漏れ

エアコン室内機の本体カバーを外して見ると、エアコンはたくさんの部品で構成されていることがわかります。

特にエアコンフィルターやアルミフィン熱交換器などの部品がホコリやカビなどで汚れてしまった場合、室内機本体から水漏れが発生することがあります。

エアコン内部の汚れが原因の水漏れメカニズム

エアコンから冷たい風が出るメカニズム

エアコンの室内機は、冷房運転の際、部屋の熱い空気を冷えた熱交換器に送り込んで冷やし、冷やされた空気を吹出口から吐き出すという仕組みで動いています。

エアコンドレンパンと結露水排出のイラスト図

この際、冷えたアルミフィン熱交換の表面にはたくさんの結露水が発生し、それがドレンパンに流れ落ち、その後ドレンホースを通って室外に排出されています。

エアコン掃除をせずに何年もそのままで使っているようなエアコンの場合、アルミフィン熱交換器にはたくさんのホコリや汚れが付着してしまっています。

エアコンアルミフィンの汚れ

この部分が汚れてしまうと、結露水がきれいに下に流れていかずにその場(アルミフィンの間)に留まってしまい、アルミフィンの隙間という隙間がどんどん水で塞がってしまいます。

ただ、このアルミフィンの隙間は送風ファンによって吸い込まれた空気も流れているため、フィンとフィンの間に水が溜まりすぎてしまった場合、水がそこを流れる風に乗ってエアコンの送風ファン側に飛び出してきてしまうことがあります。

エアコン内部の汚れが原因の水漏れ

水が送風ファンに吸い込まれた場合、回転している送風ファンについた水が勢いよく噴き出し口から前に向かって飛び出して来たり、吹出口の奥の壁面に付いた水滴が吹出口から垂れてきたります。

エアコンフィルターの方にもホコリが積もって風がほとんど流れなくなってしまっているような場合については、エアコン内部の壁面の温度が下がりすぎてしまい、壁面で発生した露が吹出口あたりに垂れてくることもあります。

内部汚れが原因の場合の水漏れ症状

エアコン内部が汚れが原因の場合の水漏れ症状

エアコン内部の汚れが原因の場合の水漏れ症状は以下の通りとなります。

項目内容
水漏れ箇所・吹出口やルーバー
・水滴が前に飛び出してくるケースが多い
水漏れ量・少量
水漏れ頻度・たまにピッ、ピッ・・・っと飛んでくる程度
水漏れ
発生条件
・夏場
・冷房、除湿(ドライ)運転時
・エアコン設置から数年経過後
水漏れ原因
特定方法
室内機内部がかなり汚れている
最近風量が弱くなってきていた
 (汚れがひどい場合)
・ガス漏れの傾向はない
(ガス圧測定)
・ドレンホースからの排水はある
・室内機ドレンパンに水は溜まらない

水漏れの原因が内部の汚れの場合、エアコンの吹出口から水滴がピッ、ピッ・・・と飛んでくるのが特徴です。

水漏れ量としてはかなり少なめで、たまに水滴が飛んできて驚いてしまう程度となります。

内部汚れが原因の場合の水漏れ修理方法

エアコン内部の汚れが水漏れの原因であると考えられる場合、まずはじめにエアコンフィルターを掃除して水漏れが収まらないか様子を見てください。

エアコンのエアフィルターの汚れ

掃除機でホコリを吸い取る

このフィルター掃除だけで水漏れが収まってしまうこともあります。

フィルター掃除をしても水漏れが収まらない場合は、本体カバーを外し、専用の洗浄機を使ってクリーニングする必要があります。

素人には修理は難しい作業となりますので、参考程度にご覧ください。

まず、コンセントを抜き、前面パネル、ルーバー、本体カバーの順でエアコンを分解していきます。

エアコン本体カバーを固定しているネジを取り外す

エアコンの本体カバーを取り外す

本体カバーを取り外したエアコン

電装部品に水がかからないようにしっかりと養生し、その後エアコン洗浄カバーを取り付けていきます。

エアコンクリーニングでの電装部品に水がかからないように養生する

エアコン洗浄カバーを取り付ける

ここから専用の洗浄ポンプを使って、アルミフィン熱交換器や送風ファンなどをきれいにクリーニングしていきます。

エアコン洗浄機でアルミフィンのカビ汚れ落とし

エアコン洗浄機で送風ファンの汚れ落とし

内部の汚れが原因の場合の水漏れ修理の依頼先

内部の汚れが原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
内部汚れが原因
→エアコンクリーニング
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社
エアコンクリーニング業社

エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的ですが、内部の汚れが原因の場合はエアコンクリーニング業社にも水漏れ修理を依頼することが可能です。

夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。

このような場合、エアコン修理業社やエアコンクリーニング業者にも早く修理をしてもらうことができないか合わせをしていくのがいいでしょう。

注意点としては、エアコンクリーニング業者はエアコン修理が専門ではありませんので、全ての水漏れに対応できるというわけではないという点です。

確実に修理してもらいたいという場合は、エアコン修理業者の方から優先して問い合わせをしていくのがベターです。

【原因⑥】排水経路の逆勾配が原因の水漏れ

エアコンの配管はドレン排水のため傾斜をつける

エアコンには、室内機本体内部で発生する結露水を室外に排出するための排水経路があります。

エアコン本体が水平に取り付けられていない場合や、配管が逆勾配になってしまっているような場合、室内機本体から水漏れが発生することがあります。

逆勾配が原因の水漏れメカニズム

エアコンから冷たい風が出るメカニズム

エアコンの室内機は、冷房運転時、部屋の熱い空気を冷えた熱交換器に送り込んで冷やし、冷やされた空気を吹出口から吐き出すという仕組みで動いています。

エアコンドレンパンと結露水排出のイラスト図

この際、冷えたアルミフィン熱交換の表面にはたくさんの結露水が発生し、それがドレンパンに流れ落ち、その後ドレンホースを通って室外に排出されています。

ドレンパン(赤で囲った部分)は単純に上にあるアルミフィンから落ちてくる水を受け止めるだけの構造になっていて、通常、右側にあるドレンホース接続口に流れていきます。

エアコンの水漏れ原因のドレンパン

このドレンパンの水を受ける部分は水平で傾斜がついているわけではないため、ドレンパンに置いた水が溜まってくると自然に横向かって流れていくというイメージです。

エアコン本体が水平ではなく右上がりに取り付けられていたような場合、ドレンパンの水は左側に流れていってしまうことになり、ドレンパンから溢れ出し、室内機本体からの水漏れに繋がります。

この他に、エアコン室内機に繋がっているドレンホースの勾配について、どの部分においても上から下に向かって水が流れるように施工する必要があります。

稀に壁貫通部の穴が室内から室外に向かって上向きになってしまっていたり、配管の取り回しで逆勾配にされてしまっているケースがあります。

ドレンホースの逆勾配が原因でエアコンが水漏れ

ドレン配管が逆勾配になってしまうと、室内機で発生した結露水がうまく室外に排出されなくなり、室内機からの水が漏れる原因となります。

「少々の逆勾配なら水は流れていくので問題ないのでは?」と思う方がいるかも知れませんが、逆勾配部分には汚れも溜まりやすくなるため、ほんのちょっとの逆勾配でも水漏れ原因になってしまうことがありますので、注意して逆勾配部がないか観察する必要があります。

逆勾配が原因の場合の水漏れ症状

逆勾配が原因の場合のエアコンからの水漏れ場所

逆勾配が原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。

項目内容
水漏れ箇所・吹出口やルーバー
・本体底面
・壁面
水漏れ量・大量の水漏れ(1秒間に1~3滴)
水漏れ頻度・エアコン動作中は連続的に水漏れ
水漏れ
発生条件
・夏場
・冷房、除湿(ドライ)運転時
水漏れ原因
特定方法
室内機の傾きが傾いている
ドレン配管に逆勾配箇所がある
・室内機ドレンパンに水が溜まっている
・ドレンホースから排水はされている
・エアコンの効きは良い

逆勾配が原因の場合、エアコンの吹出口や本体底面などからエアコン動作中は連続的にポタポタと水が垂れてくるのが特徴です。

水漏れ量としては逆勾配がきつい状態だと、1秒間に1~3滴程度、垂れて落ちてくることもあります。

室内機からの水漏れが発生していて、エアコンの冷房やドライ運転中に室外の排水ホースから排水がない、室内機のドレンパンに水が溜まっているというような場合は、排水経路の逆勾配を疑っていきましょう。

逆勾配が原因の場合の水漏れ修理方法

排水経路の逆勾配が水漏れの原因である場合、エアコン本体は水平に、ドレン配管は順勾配(水が流れる傾き)となるよう施工し直す必要があります。

正しい配管勾配のエアコン

パット見た感じエアコンは水平に取り付けられているように見えても、水平器で傾きをチェックしてみるとエアコンが傾いてしまっていたりすることもあります。

これは建物そのものが傾いてしまっていてるような稀なケースとなりますが、思い込みは捨てて水平器などの計測器を使ってエアコン本体は水平に、配管は順勾配になるよう設置していくことが重要です。

逆勾配が原因の場合の水漏れ修理の依頼先

排水経路の逆勾配が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
エアコン本体の傾き
ドレン配管の逆勾配
→再施工
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社

エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。

エアコン取付直後から水漏れしているような場合は、エアコンを取り付けた業社の保証サービス内で無料修理してもらうことができるでしょう。

【原因⑦】本体不良が原因の水漏れ

エアコン内部で発生している結露水は通常、ドレンホースを通って室外に排出される仕組みになっていますが、ごく稀にエアコン本体の設計ミスや組み立て不良などが原因で、室内機本体から水漏れが発生することがあります。

本体不良が原因の水漏れメカニズム

エアコンから冷たい風が出るメカニズム

エアコンの室内機は、冷房運転時、部屋の熱い空気を冷えた熱交換器に送り込んで冷やし、冷やされた空気を吹出口から吐き出すという仕組みで動いています。

エアコンドレンパンと結露水排出のイラスト図

この際、冷えたアルミフィン熱交換の表面にはたくさんの結露水が発生し、それがドレンパンに流れ落ち、その後ドレンホースを通って室外に排出されています。

通常、アルミフィンや配管などに付いた結露は上記のようにうまくドレンパンに落ちていくのですが、2010~2015年頃の一部メーカー品において結露水がドレンパンに外の部分に垂れてしまい、室内機吹出口右側辺りからの水漏れ故障が発生していました。

このように、エアコン本体の不良が原因で水漏れが発生することが稀にあります。

本体不良が原因の場合の水漏れ症状

エアコン本体不良による水漏れ(吹出口右側)

本体不良が原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。

項目内容
水漏れ箇所・吹出口やルーバー
・本体底面
・壁面
水漏れ量・少なめ
(十数秒に1滴程度)
水漏れ頻度・エアコン動作中は連続的に水漏れ
水漏れ
発生条件
・夏場
・冷房、除湿(ドライ)運転時
水漏れ原因
特定方法
水漏れ原因が簡単には特定できない
・室内機ドレンパンに水が溜まっていない
・ドレンホースから排水はされている
・エアコンの効きは良い

エアコン本体の不良が原因である場合、水漏れ原因が分かりにくく、簡単には水漏れ原因を特定できないのが特徴です。

エアコン修理業社は長年のノウハウがあるため、どのメーカーのどの年代の機種に不具合が多いかという情報を把握していますので、そういったことも考慮しながら水漏れ原因を探していく必要があります。

室内機からの水漏れの原因がなかなか特定できないという場合は、このようなエアコン本体不良も疑っていきましょう。

本体不良が原因の場合の水漏れ修理方法

本体不良が水漏れの原因であると考えられる場合、対策部品を取り付けて修理することがほとんどとなります。

先ほど紹介した2010~2015年頃に発生したエアコン吹出口右側からの水漏れの場合、対策部品(数百円)をエアコン内部に取り付けて対処する事になっています。

対策部品を取り付けるためにエアコンを分解

本体不良が原因の場合の水漏れ修理の依頼先

本体不良が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
本体不良
→対策部品の取り付け
メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
・エアコン修理業社

エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。

ただし、先ほど紹介した対策部品まで出ているような本体不良の場合、保証期間が過ぎていたとしてもメーカー側が修理費用を負担してくれるケースもありますので、一度、メーカーサポートの方に問い合せてみることをおすすめします。

【原因⑧】外気の逆流(高気密住宅)が原因の水漏れ

最近少しづつ増えてきたのが、高気密住宅で発生するドレンホース内を外気が逆流することが原因の水漏れです。

外気の逆流が原因の水漏れメカニズム

エアコンから冷たい風が出るメカニズム

エアコンの室内機は、冷房運転時、部屋の熱い空気を冷えた熱交換器に送り込んで冷やし、冷やされた空気を吹出口から吐き出すという仕組みで動いています。

エアコンドレンパンと結露水排出のイラスト図

この際、冷えたアルミフィン熱交換の表面にはたくさんの結露水が発生し、それがドレンパンに流れ落ち、その後ドレンホースを通って室外に排出されています。

通常であれば上記のような流れで結露水が室外に排出されていくのですが、最近増えてきている高気密住宅で、窓を締め切った状態で換気扇を回したり、強風などでドレンホース側に正圧が発生したりすると、ドレンホースからエアコンに外気が逆流してしまうことがあります。

外気がドレンホースを逆流して水漏

通常、外気の逆流が起こっただけだと「ポコ、ポコ、ポコ・・・」という音がエアコンから聞こえてくるだけで室内機から水漏れが発生することはあまりありません。

ただし、もともとドレンパンが汚れ気味で水の排水がうまくいっていなかったような場合、この逆流する外気がドレン排水の流れをさらに邪魔してしまい、水漏れを引き起こしてしまうことがあります。

外気の逆流が原因の場合の水漏れ症状

外気逆流のエアコンからの水漏れ場所

外気の逆流が原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。

項目内容
水漏れ箇所・吹出口やルーバー
・本体底面
・壁面
水漏れ量・比較的多量
(1秒間に1~3滴程度)
水漏れ頻度・水漏れする時としない時がある
水漏れ
発生条件
・夏場
・冷房、除湿(ドライ)運転時
・窓を締め切って換気扇を回した時のみ
水漏れ原因
特定方法
高気密住宅に設置されている
窓を締め切った時や強風の時のみ発生
エアコンからポコポコ音が聞こえる
・ドレンホースから排水はある
・水漏れ時は室内機ドレンパンに水が溜まっている

外気の逆流が水漏れ原因の場合、窓を締め切った時だけエアコンの吹出口や本体底面などから水が漏れてくるのが特徴です。

水漏れ量は多めで、1秒間に1~3滴程度、垂れて落ちてくることもあります。

高気密住宅で窓を締め切ったときにだけポコポコと音を立てながら水が漏れてくるような場合は、外気の逆流による水漏れを疑っていきましょう。

外気の逆流が原因の場合の水漏れ修理方法

ドレンホース内の外気の逆流が水漏れの原因である場合、換気扇などをつける際に窓を開けるなどをすれば水漏れが収まります。

この他に、エアカットバルブ(おとめちゃんなど)をドレンホースに取り付けることで水漏れが解消されることがあります。

エアカットバルブおとめちゃんでエアコンのポコポコ音解消

エアーカットバルブをエアコンのドレンホースに取付

ただし、外気の逆流だけが原因で室内機からの水漏れが発生することはありませんので、ドレンパンの汚れや配管の逆勾配、エアコンの傾きなど、なにか別の要因も絡んでいることが多いのが実際です。

このエアカットバルブの設置はあくまでも応急処置という形になることに注意が必要です。

外気の逆流が原因の場合の水漏れ修理の依頼先

外気の逆流が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
外気の逆流が原因
→エアカットバルブの追加
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社

エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。

夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。

このような場合、エアコン修理業社にも早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。

【原因⑨】配管断熱材の劣化が原因の水漏れ

稀なケースですが、室内機より高い位置(屋上など)に室外機を設置しているケースにおいて、冷媒配管断熱材の劣化部分から侵入した雨水が冷媒配管と断熱材の間を流れ、室内機本体部分で漏れ出てくることがあります。

配管断熱材の劣化が原因の水漏れメカニズム

雨水が侵入して室内機から水漏れ

室内機より高い位置(屋上など)に室外機を設置した場合、冷媒配管は上記のような形で配置されることになります。

そして、設置から数年が経過すると、冷媒配管を保護しているビニールテープや断熱材が劣化して破れ、銅配管が露出してきます。

この状態で雨などが降った場合、銅配管と断熱材の隙間に雨水が入り込み、エアコンの室内機側まで流れていき、その部分で雨水が漏れ出してくることがあります。

配管断熱材の劣化が原因の場合の水漏れ症状

断熱材劣化の雨水の侵入によるエアコン水漏

配管断熱材の劣化が原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。

項目内容
水漏れ箇所・本体底面
・壁面
水漏れ量・少量
水漏れ頻度・水漏れする時としない時がある
水漏れ
発生条件
・雨が降った時のみ
水漏れ原因
特定方法
屋外配管が劣化している
・ドレンホースから排水はある
・ドレンパンに水が溜まっていない
・エアコンの効きは良い

配管断熱材の劣化が水漏れ原因の場合、雨が降ったときだけエアコンの底面や壁面あたりから水が漏れてくるのが特徴です。

配管断熱材の劣化が原因の場合の水漏れ修理方法

配管断熱材の劣化が水漏れの原因である場合、屋外配管の劣化部分を補修(断熱材の交換、ビニールテープの巻き直し)します。

配管カバーを追加してエアコン配管に雨水がかからないようにしておくと、こういった雨水が原因の水漏れを予防することが可能です。

配管断熱材の劣化が原因の場合の水漏れ修理の依頼先

配管断熱材の劣化が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
配管断熱材の劣化が原因
→配管補修
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社

エアコン修理はメーカーサポートや購入元販売店に修理を依頼することが一般的ですが、こちらの場合もエアコン本体が水漏れの主原因ではないため、水漏れ修理はエアコン修理業社に依頼するのが基本となります。

特に、配管断熱材の劣化による水漏れの場合はエアコン設置から10年近く経過してきている可能性もあるため、エアコンの取替えについても少しづつ考えていく必要がある時期となります。

室外機からの水が漏れてくるケース

次は室外機からの水漏れ原因についてお話していきます。

【原因⑩】室外ファン停止が原因の水漏れ

冬場の暖房運転時、何らかの原因で室外ファンが止まってしまった場合、室内機から暖かい風が出てこなくなったり、室外機から通常よりも大量の水が排出される場合があります。

室外ファン停止が原因の水漏れメカニズム

エアコンは真冬の暖房運転時、室外機のアルミフィン部は氷点下にまで温度を下げた状態で動作するため、その部分に大量の霜が付着してしまいます。

エアコンの室外機から水漏れ

どうして室外機のアルミフィンに水分が付着するのかということについては、真夏に氷水を入れたコップに空気中の水分が付着するのと同じと考えればよいでしょう。

ただし、夏場の氷水が入ったコップの場合は、コップの表面温度は0℃以上であるため付着した水分は液体のままとなります。

ですが、冬場の室外機のアルミフィンの表面温度は氷点下(マイナス5℃程度)まで下がることもありますので、付着した水分はそこでそのまま冷やされて凍ってしまいます。

霜取り運転前の室外機に氷がついたアルミフィン

上の写真は年に2~3回ほど雪がつもるような比較的温暖な地域で、ちょうど雪が降り積もる中、暖房運転を行っているときに撮影したものですが、赤枠で囲われた部分に氷(水ではなく凍っています)が発生し始めています。

これはまだ着氷の程度が軽い方で、例えば寒冷地などで暖房能力が大きいエアコンをフル稼働させているような場合はアルミフィン部が真っ白になるぐらいの霜が発生することもあります。

アルミフィンが大量の霜で覆われてしまった部分は氷に遮られてうまく外気の熱を取り込むことができなくなってしまうため、着霜面積が大きくなればなるほど暖房効率が落ちていってしまいます。

暖房運転時の室外機の霜や氷を溶かす「霜取り運転」とは?

エアコンの暖房運転中に室外機のアルミフィンに霜や氷がたくさんついてしまうと効率よく暖房運転できなくなってしまうため、エアコンは定期的に「霜取り運転」を行い、アルミフィンについた霜や氷を溶かしています。

暖房運転時

エアコンの暖房時の冷媒ガスの流れ

霜取り運転時

エアコンの冷房時の冷媒ガスの流れ

霜取り運転では、暖房運転中に一時的に冷房運転に切り替えて、室内機に送っていた熱い冷媒ガスをわざと室外機の熱交換器に送りこむことで、アルミフィンを温めて氷を溶かしていきます。

この霜取り運転は、暖房運転中1~2時間毎に5~15分程度行われるのが一般的です。

動作動作時間備考
運転開始
暖房運転1~2時間
霜取り運転5~15分自動的に
切り替わる
暖房運転1~2時間
霜取り運転5~15分自動的に
切り替わる
暖房運転1~2時間

暖房運転が霜取り運転に切り替わると、急に室内機の風が止まったり、微風の冷たい風が出てきたりするため「あれっ、もしかして故障なの?」って思う人もいると思います。

しかもこのタイミングで室外機の方を見てみると室外機からも水が漏れてきているため、これは完全にエアコンが故障してしまったと勘違いして不安になる人も多いことでしょう。

エアコンの室外機の水漏れ

ですがこの冬場の暖房時に発生する室外機からの水漏れは正常な動作で、エアコンが自動的に霜取り運転を行っているだけのことがほとんどです。

参考までに、霜取り運転中のエアコン各部の動作状態を記載しておきますので、エアコンが下記のような動作を行っている場合は故障ではなく霜取り運転を行っているだけなんだと理解していただければと思います。

霜取り運転中の各部動作の状態

項目暖房運転時霜取り運転時
室内機の
吹出温度
高温低温
室内機の
ファン動作
ONOFF
室外機の
ファン動作
ONOFF
(微風)
室外機の
圧縮機動作
ONON
室外機からの
排水
なしあり

この霜取り運転中は、アルミフィンについていた氷が一気に溶けだし、その溶けた水が室外機の底面からジャバジャバと出てきます。

実際に霜取り運転中に出てきた水を集めてみると、一日あたり200~300mLの水が室外機の底面の穴から出くることがわかります。

室外機の下にバケツを設置

バケツの中に溜まった水

除霜運転でエアコン室外機から出た水

このように冬場の暖房運転中、1~2時間に一度の頻度で室外機から水が漏れてくるのは、霜取り運転という室外機についた霜を溶かすための正常な動作ということになります。

エアコンが本当に故障した場合はエアコン本体やリモコンなどにエラーコードが表示され、更に15分以上経過しても室内機と室外機は完全に停止したままの状態となるはずです。

冬場のエアコン室外機からの水漏れは、ほとんどの場合はこの霜取り運転が行われているだけとなります。

ただし、暖房の霜取り運転のタイミングで一日に200~300mLというレベルではなく、水道の蛇口をガバっと開いたぐらいの水がしばらく出続けることがあり、これは室外機ファンが何らかの原因で回らなくなってしまった時に発生する症状です。

エアコン室外機のファンモーターの故障

暖房中に室外機のファンが止まってしまうと室外機のアルミフィンだけが極端に冷やされてしまい、その部分に普段よりも大量の霜が付着していきます。

この状態で霜取り運転となった場合、アルミフィンについた大量の霜が一気に溶けて落ちてくるため、水道の蛇口を開けたぐらいの勢いで室外機から水がドバドバと出続けることがあります。

これが室外ファン停止による室外機水漏れのメカニズムとなります。

室外ファンの停止が原因の場合の水漏れ症状

エアコン室外機から出た水で発生するカビ汚れ

室外ファンの停止が原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。

項目内容
水漏れ箇所・室外機の底面
水漏れ量・大量
水漏れ頻度・1~2時間に一度
水漏れ
発生条件
・冬場
・暖房運転時
水漏れ原因
特定方法
室外機からの大量の水漏れ
室内機から出てくる風がぬるい
・エラーコードが表示されて止まってしまう
(そのまま動き続けているケースも有り)

室外ファン停止による故障が水漏れの原因の場合、室外機から普段より大量の水漏れが発生し、エアコンの暖房の効きが悪くなっているのが特徴です。

機種によっては、室外ファンが動かなくなったことでエラーコードが表示され、室内機の方も停止してしまうことがあります。

室外機から大量の水漏れが発生していて、暖房運転中に室外機のファンがずっと動いていない状態が続いている場合は、この室外ファンの異常が室外機水漏れの原因となります。

室外ファン停止が原因の場合の水漏れ修理方法

暖房運転中に室外ファンが回らなくなってしまう原因は、主に2つあります。

室外ファン構成部品の交換修理

エアコン室外機のファンモーターの故障

1つ目の原因は、室外ファンまたはファン駆動回路(基盤)が故障してしまったというケースです。

こういった部品が故障して室外ファンが回らなくなった場合、室内機側でエラーコードが表示され、その後はエアコンが全く動かなくなっていきます。

この場合の修理方法としては、故障した部品を特定し、新しいものに交換していく方法となります。

室外ファンの動きを邪魔する異物の除去修理

2つ目は、室外ファンになにか異物が挟まってしまってファンが回らなくなるというケースです。

この原因については、子どもがイタズラで室外機ファンのところに棒を突っ込んでしまっていたり、室外機のパーツが壊れて挟まっていたりというようなケースがあります。

ちょっとした異物の挟まりが原因であれば、その原因物を取り除いて修理完了となります。

それ以外には、氷点下以下で暖房運転を行った場合に除霜運転で溶けた水が室外機の中の底部で再び凍ってしまい、その氷がファンのところまで成長接触してファンが回らなくなるということもあります。

寒冷地仕様のエアコンには室外機底部にヒーターが設置されているためそのようなことはあまり起こらないのですが、標準仕様のエアコンを氷点下以下で使用した場合に稀に見られる症状です。

この場合、電装部品に注意しながらエアコン内部の氷を溶かしてやれば再びエアコンを使えるようになります。

ただし、今後も同様の室外ファントラブルが発生する可能性が高いですので、室外機の底面に氷を溶かすためのヒーターが取り付けられているような寒冷地仕様のエアコンに取り替えることを検討してく必要があります。

室外ファンの異常が原因の場合の修理依頼先

室外ファンの異常が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
室外ファンの異常
→部品交換
→異物除去
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社

エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。

夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。

このような場合、エアコン修理業社にも早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。

配管からの水が漏れてくるケース

次は配管からの水漏れ原因についてお話していきます。

【原因⑪】スリーブ穴の不具合が原因の水漏れ

エアコン水漏れの原因としてたまにあるのがエアコン配管を通すためのスリーブ穴からの雨漏りです。

スリーブ穴の不具合が原因の水漏れメカニズム

エアコンは銅配管の中を流れる冷媒ガスが室内機と室内の間を行き来する事によって、部屋を冷やしたり温めたりする冷暖房を行う仕組みとなっています。

そのため、エアコンを設置するためにはその冷媒ガスを流すための配管を通すための穴(スリーブ穴)を壁に空け、そこに配管を通す必要があります。

部屋毎のエアコン取付位置はおおよそ決まっていることが多いため、エアコン専用のコンセントは住宅に据え付けられていることがほとんどですが、スリーブ穴についてはエアコンの形状や配管の取り出し位置はメーカーや機種によって様々であるため、エアコン取付のタイミングでエアコン取り付け業者がスリーブ穴を施工するのが一般的です。

エアコンのスリーブ穴の隙間

雨水が侵入しやすいスリーブ穴と配管の隙間はパテやシリコーンコーキングで防水処理を行いますが、シール材の経年劣化などが原因でこの部分に隙間ができてしまうことが原因で雨が室内に侵入してくることがあります。

特に、エアコンの配管カバーを取り付けていなかったり、スリーブ穴が逆勾配(室内の穴のほうが室外の穴より低い状態)になっていたりする場合、配管も室内より屋外のほうが高い位置にある逆勾配になっていることが多く、雨水が配管をつたって室内側まで流れやすい状況になっていますので注意が必要です。

スリーブ穴の不具合が原因の場合の水漏れ症状

エアコン壁貫通部からの水漏れは雨漏り

スリーブ穴の不具合が原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。

項目内容
水漏れ箇所・壁貫通部
水漏れ量・少量
水漏れ頻度・たまにしか起こらない
水漏れ
発生条件
・雨が降った時のみ
水漏れ原因
特定方法
スリーブ穴のパテやコーキングが劣化している
スリーブ穴が逆勾配
・ドレンホースから排水はある
・ドレンパンに水が溜まっていない
・エアコンの効きは良い

今回の水漏れ原因はエアコン本体の故障ではないため、エアコンの動作に関わらず水漏れが発生することがあるのが特徴です。

特に、雨が降ったときだけエアコン配管の壁貫通部あたりから水が漏れてくるという場合は、スリーブ穴を通して雨水が室内に侵入してきている可能性があります。

エアコン設置から数年が経過してパテやコーキングなどの防水材が劣化してきていたり、スリーブ穴が逆勾配となっている場合はここから雨漏りしている可能性が高まりますので、そういった部分もチェックしてみてください。

スリーブ穴の不具合が原因の場合の水漏れ修理方法

スリーブ穴からの雨水の侵入が水漏れの原因である場合、屋外側のスリーブ穴の防水処理を再施工することでエアコンの水漏れは収まります。

エアコンの配管カバーでスリーブ穴からの雨漏り(水漏れ)予防

なお、雨風の強い側の壁面にスリーブ穴を開けている場合、配管カバーを取り付けてスリーブ穴を隠すことで雨水の侵入を防ぐ効果もあります。

スリーブ穴の不具合が原因の場合の水漏れ修理の依頼先

スリーブ穴の不具合が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
スリーブ穴の不具合
→防水処理の再施工
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社

エアコン修理はメーカーサポートや購入元販売店に修理を依頼することが一般的ですが、スリーブ穴の不具合が原因の場合はエアコン本体が水漏れの原因ではないため、水漏れ修理はエアコン修理業社に依頼するのが基本となります。

エアコン取付直後から雨漏りする場合は、そのエアコンを取り付けたエアコン業者が自社保証の範囲内で無償修理してくれます。

逆に、取付から数年が経過した後の雨漏りについては自己負担で修理していく必要があります。

このエアコン水漏れの特徴は、雨の日にたまに水漏れしているだけなのでエアコンが壊れて動かないというわけではなく、エアコン修理を後回しにしてしまうケースが多いという点です。

雨漏り修理を放置してしまうと、水で濡れてしまっている壁のクロスが黒ずんできたり、壁の中の建材が腐食してしまうことがあります。

単なるエアコン故障より大掛かりな修理が必要となってしまうこともありますので、早めに修理依頼していくことをおすすめします。

【原因⑫】配管の結露が原因の水漏れ

エアコンドレンホースから水漏れ(表面の露)

エアコン水漏れの原因で稀にあるのがエアコン配管表面で発生する結露が原因の水漏れです。

配管の結露が原因の水漏れメカニズム

エアコンの室内機から出ている配管は、2本の冷媒配管(細い銅管と太い銅管がセットになって断熱材に包まれている)とドレンホース(蛇腹状のもの)があります。

冷媒ガスが流れる2本の銅配管

エアコン配管の接続部

エアコンに繋がっている2本の銅配管は冷媒ガスが流れている配管となります。

冷房運転の場合、細い方の配管は室外機から室内機に向かって冷たい冷媒が流れていて、太い方の配管は室内機から室外機に向かって冷たい、またはぬるい温度の冷媒が流れています。

エアコンの冷房時の冷媒ガスの流れ

結露水が流れるドレンホース

エアコン室内機の結露水を排出するためのドレンホース

もう一つが、室内機側で発生する結露水を屋外に排出するためのドレンホース配管です。

ドレンホースの出口部は室外機のあたりに配置されていることが多いですが、このドレンホースをさかのぼっていくと、室内機から伸びてくるドレン配管と接続されています。

エアコン室内機側のドレンホース

エアコン水漏れのドレンホースの交換手順

エアコンの冷房運転やドライ運転を行った場合、このドレンホースに室内機の中にあるアルミフィン熱交換器で発生する結露水が流れ混んでいきます。

エアコンドレンパンと結露水排出のイラスト図

特に夏場(7~8月)など、エアコンがフル稼働する状況の場合、一日で十数リットルもの低温の結露水が発生してドレンホースに流れ込むため、ドレンホース表面も低温になることがあります。

こういった配管表面に薄っすらと水滴が付くというような症状の水漏れは、冷えた配管の表面で結露が発生してしまっているのが原因となっています。

エアコンドレンホースから水漏れ(表面の露)

上の写真は蛇腹状のドレンホースに薄い断熱シートを巻きつけ、その上からビニールテープを巻いている部分に結露が発生している写真です。

このドレンホースには一応薄い断熱シートが取り付けられていましたが、断熱性能(断熱材の厚み)が足りておらず、内部を流れている冷たいドレン水の冷たさが一番外側に巻かれているビニールテープ部の表面に伝わり、表面温度が下がってしまっていました。

これは夏場、氷を入れたコップの表面(温度が低い場所)に結露水が発生するのと同じ原理です。

このような原理で発生した結露水が配管を伝って流れていくと、配管カバーから漏れてきたり、壁の貫通部の周りなどが濡れてくるという水漏れにつながります。

上記の例はドレンホースに関しての話ですが、冷媒ガスが流れる銅配管でも同じように結露水が発生する可能性があります。

エアコン配管の接続部

ただし、冷媒配管の方には分厚い断熱材が必ず巻かれているため、その断熱材が破れたり、つぶされたり(断熱材の厚みが薄くなったり)していなければ、基本的には結露するまで表面温度が下がることはありません。

ごく稀なケースとして、配管を曲げて壁の穴に通すような状況で冷媒配管が貫通穴に強く押さえつけられて断熱材が潰れ、その部分で結露が発生していたということはあったりしましたが、冷媒配管の表面に結露が発生するのは本当に稀なケースとなります。

配管の結露が原因の場合の水漏れ症状

エアコン配管結露水漏れ

配管の結露が原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。

項目内容
水漏れ箇所・配管表面
水漏れ量・少量
水漏れ頻度・たまにしか起こらない
水漏れ
発生条件
・湿度が高い時期
・エアコンの稼働率が高い時期
水漏れ原因
特定方法
配管の表面だけに水滴が付いている
・ドレンホースから排水はある
・ドレンパンに水が溜まっていない
・エアコンの効きは良い

この水漏れは配管表面の温度が下がってしまって空気中の水分が結露することが原因となっているため、配管の中にある水が染み出してきているというわけではありません。

特に、部屋の湿度が高く、エアコンの稼働率が高く冷たいドレン水が大量に配管の中を流れる夏場に発生する事が多いのが特徴です。

エアコンの動作に異常はないものの、配管表面だけに水滴がうっすらと付くような場合は、配管の結露が水漏れの原因となります。

配管の結露が原因の場合の水漏れ修理の依頼先

配管の結露が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。

原因と修理方法修理の依頼先
配管の結露
→配管断熱材の再施工
・メーカーサポート(保証修理可)
・購入元販売店(保証修理可)
エアコン修理業社

エアコン修理はメーカーサポートや購入元販売店に修理を依頼することが一般的ですが、配管の結露が原因の場合はエアコン本体が水漏れの原因ではないため、エアコン修理業社の方に修理依頼していくのが基本となります。

エアコン取付直後から配管表面が結露して水漏れしているような場合は、そのエアコンを取り付けたエアコン業者が自社保証の範囲内で無償修理してくれます。

逆に、取付から数年が経過した後の配管結露については断熱材の経年劣化が原因と考えられますので、自己負担で修理していく必要があります。

配管の結露水がたれて落ちてくるような状況を放置してしまうと、水で濡れてしまった壁のクロスが黒ずんできたり、床板が腐食してしまったりすることがあります。

単なるエアコン故障より大掛かりな修理が必要となってしまうこともありますので、早めに修理依頼していくことをおすすめします。

故障ではないエアコンからの4つの水漏れパターン

エアコン室外機で発生する水漏れは「故障によるもの」と「正常動作によるもの」があります。

水漏れ修理を依頼する前に、その水漏れが故障によるものかどうか確認しておきましょう。

水漏れ部位運転モード水漏れ症状故障判定
・室内機・冷房
・除湿(ドライ)
・冷えたフラッパーの結露
・フラッパーから水滴が落ちる
・極少量
・湿度が高い時のみ
正常動作
>>詳細はこちら
・ドレンホース・冷房
・除湿(ドライ)
・室内機で発生した結露水
・ドレンホースから排水
・大量(1秒間に2~3滴)
・運転時は連続して発生
正常動作
>>詳細はこちら
・室外機底面・冷房
・除湿(ドライ)
・室外機配管に付着した
結露水が垂れて排水
・室外機底面から水漏れ
・少量
・屋外高湿度の運転時に発生
正常動作
>>詳細はこちら
・室外機底面・暖房・室外機アルミフィンに
付着した霜が溶けて排水
・室外機底面から水漏れ
・中~大量
・1~2時間に1回程度
正常運転
(霜取り運転)
>>詳細はこちら

以下では、それぞれの室外機からの水漏れ発生メカニズムについて詳しく解説していきます。

下向きのフラッパーから水が落ちてくる(冷房時)

冷房運転時、エアコンから吹き出す風を下向きにし続けると、フラッパーが冷えて結露し、その水滴が落ちてくることがあります。

通常、エアコンの冷房運転時はフラッパーは上向き(冷風が真横に吹き出す向き)に調節されるようになっています。

エアコンのフラッパーを上向きにする

ですが、手動でフラッパーの向きを下向きに変えた状態で冷房運転を続けてしまうと、冷風がフラッパーに直接当たり、冷風で冷やされたフラッパに結露水が発生することがあります。

フラッパーについた結露水が垂れて水漏れする

部屋の湿度がかなり高い場合、そのフラッパーに付いた結露水が垂れて落ちてくることがあります。

この場合、特にエアコンが故障しているわけではないため、フラッパーを上向きにすれば水漏れ症状が収まりますので、一度確認してみてください。

ドレンホースから水が出てくる(冷房時)

エアコンは冷房運転や除湿(ドライ)運転を行う際、室内機の中にあるアルミフィン熱交換器に付着した結露水がドレンホースを通って排出される仕組みとなっています。

エアコンドレンパンと結露水排出のイラスト図 エアコンの結露水の排水経路(ドレンパン、ドレンホース)

この室内機に繋がっているドレンホースは室外機のすぐそばに配置されていることが多く、その水が室外機の周りを水浸しにしてしまいます。

エアコンのドレンホースから出てくる水

ドレンホースの先端が室外機の裏や下に隠れているような場合、室外機から水が漏れきているように見えることもあり、「エアコンが故障して水漏れしている」と思ってしまう場合があります。

冷房や除湿運転を行っている時、室外機の近くに出ているドレンホースから水が出てくるのは通常の動作で故障ではありません。

室外機の周りが水浸しになっている場合、その水がこのドレンホースの先端から出てきたものではないか、一度確認しておきましょう。

室外機の配管接続部から水が垂れてくる(冷房時)

エアコンは冷房や除湿、ドライ運転をしている時、室外機に接続されている銅配管が冷たくなるため、その配管表面で結露水が発生します。

冷房運転時に配管が水で濡れる

これは真夏に氷水を入れたコップ(冷えた配管)に空気中の水分が付着結露するのと同じメカニズムです。

上記は室外機の外部に見えている配管の例ですが、室外機の内部にある配管の中にも冷えて結露しているものがあります。

その配管に結露した水も室外機の底面に空いている排水用の穴から落ちてきたりします。

エアコンの室外機の水漏れ

このような室外機配管表面で発生する結露水が原因の水漏れは故障ではなく、正常な動作の結果発生した結露水が出てきているだけとなります。

エアコンがちゃんと動いて冷えているのであれば故障による水漏れの可能性は極めて低いですので、特に心配することはありません。

なお、この水漏れは夏場にエアコンを作動させた時に必ず発生するというわけではなく、外気の高温多湿や長時間使用などの条件が整ったときだけ発生するということも知っておきましょう。

室外機から大量の水が出てくる(暖房時)

エアコンは真冬の暖房運転時、室外機のアルミフィン部は氷点下にまで温度を下げた状態で動作するため、その部分に大量の霜が付着してしまいます。

エアコンの室外機が動かない

どうして室外機のアルミフィンに水分が付着するのかということについては、真夏に氷水を入れたコップに空気中の水分が付着するのと同じと考えればよいでしょう。

ただし、夏場の氷水が入ったコップの場合は、コップの表面温度は0℃以上であるため付着した水分は液体のままとなります。

ですが、冬場の室外機のアルミフィンの表面温度は氷点下(マイナス5℃程度)まで下がることもありますので、付着した水分はそこでそのまま冷やされて凍ってしまいます。

霜取り運転前の室外機に氷がついたアルミフィン

上の写真は年に2~3回ほど雪がつもるような比較的温暖な地域で、ちょうど雪が降り積もる中、暖房運転を行っているときに撮影したものですが、赤枠で囲われた部分に氷(水ではなく凍っています)が発生し始めています。

これはまだ着氷の程度が軽い方で、例えば寒冷地などで暖房能力が大きいエアコンをフル稼働させているような場合はアルミフィン部が真っ白になるぐらいの霜が発生することもあります。

アルミフィンが大量の霜で覆われてしまった部分は氷に遮られてうまく外気の熱を取り込むことができなくなってしまうため、着霜面積が大きくなればなるほど暖房効率が落ちていってしまいます。

暖房運転時の室外機の霜や氷を溶かす「霜取り運転」とは?

エアコンの暖房運転中に室外機のアルミフィンに霜や氷がたくさんついてしまうと効率よく暖房運転できなくなってしまうため、エアコンは定期的に「霜取り運転」を行い、アルミフィンについた霜や氷を溶かしています。

暖房運転時

エアコンの暖房時の冷媒ガスの流れ

霜取り運転時

エアコンの冷房時の冷媒ガスの流れ

霜取り運転では、暖房運転中に一時的に冷房運転に切り替えて、室内機に送っていた熱い冷媒ガスをわざと室外機の熱交換器に送りこむことで、アルミフィンを温めて氷を溶かしていきます。

この霜取り運転は、暖房運転中1~2時間毎に5~15分程度行われるのが一般的です。

動作動作時間備考
運転開始
暖房運転1~2時間
霜取り運転5~15分自動的に
切り替わる
暖房運転1~2時間
霜取り運転5~15分自動的に
切り替わる
暖房運転1~2時間

暖房運転が霜取り運転に切り替わると、急に室内機の風が止まったり、微風の冷たい風が出てきたりするため「あれっ、もしかして故障なの?」って思う人もいると思います。

しかもこのタイミングで室外機の方を見てみると室外機からも水が出てきているため、これは完全にエアコンが故障してしまったと勘違いして不安になる人も多いことでしょう。

エアコンの室外機の水漏れ

ですがこの冬場の暖房時に発生する室外機からの水がでてくるのは正常な動作で、エアコンが自動的に霜取り運転を行っているだけのことがほとんどです。

参考までに、霜取り運転中のエアコン各部の動作状態を記載しておきますので、エアコンが下記のような動作を行っている場合は故障ではなく霜取り運転を行っているだけなんだと理解していただければと思います。

霜取り運転中の各部動作の状態

項目暖房運転時霜取り運転時
室内機の 吹出温度高温低温
室内機の ファン動作ONOFF
室外機の ファン動作ONOFF (微風)
室外機の 圧縮機動作ONON
室外機からの 排水なしあり

この霜取り運転中は、アルミフィンについていた氷が一気に溶けだし、その溶けた水が室外機の底面からジャバジャバと出てきます。

実際に霜取り運転中に出てきた水を集めてみると、一日あたり200~300mLの水が室外機の底面の穴から出くることがわかります。

室外機の下にバケツを設置

バケツの中に溜まった水

除霜運転でエアコン室外機から出た水

このように冬場の暖房運転中、1~2時間に一度の頻度で室外機から水が漏れてくるのは、霜取り運転という室外機についた霜を溶かすための正常な動作ということになります。

エアコンが本当に故障した場合はエアコン本体やリモコンなどにエラーコードが表示され、更に15分以上経過しても室内機と室外機は完全に停止したままの状態となるはずです。

冬場のエアコン室外機からの水漏れは、ほとんどの場合はこの霜取り運転が行われているだけとなります。

まずはしばらく様子を見てみて、再び室内機から温風が出てきたのであれば故障ではないですので安心してください。

霜取り運転時に上記のような量ではなく、水道をガバッと開けたような量の水がしばらく出続けてしまう場合、室外機ファンに異常が発生している可能性があります。

エアコンから水が漏れてきた場合の対処法

エアコンから水が漏れてきた場合、驚いて混乱してしまうことと思います。

ただ、漏れた水をそのままにしてしまうと床や壁、家具などを痛めてしまうこともありますので、まずは一旦落ち着いて、下記の手順で水漏れに対処していきましょう。

エアコンをOFFにする

エアコンから水が漏れたら電源をOFF

エアコンの水漏れが発生したらまずは一旦エアコンの電源をリモコンでOFFにします。

エアコンの運転が止まればこれ以上エアコンから水が出てくることがなくなりますので、水漏れの被害を最小限に抑えることができます。

エアコンの電源コードを抜き取る

エアコンの電源を抜く

エアコンの電源コードがコンセントに差さったままだと、水漏れの対処中に感電してしまう可能性があります。

電源コードの周りが水で濡れていないことを確認し、電源コードを抜き取っておきましょう。

ただし、電源コードやコンセントの周りも水で濡れてしまっている場合は感電する恐れがありますので、絶対にコンセントには触れないようにしてください。

分電盤の中のエアコンブレーカー

この場合は、分電盤の中にあるエアコンコンセントに繋がるブレーカーを落としてエアコンに流れる電気を遮断していきます。

ルームエアコンの場合、電源は室内機側のコンセントのみとなっていますので、ここまで作業ができたらエアコンに電気は流れていないことになります。

作業に不安な場合は無理して作業せず、この応急処置の項目を読み飛ばしてエアコン水漏れ修理の具体的な流れの部分をご覧ください。

エアコンの下に置かれているものを移動する

水漏れを起こしているエアコンや本体に繋がっている配管の中にはまだたくさんの水が溜まっている可能性があります。

エアコンを停止させて一旦は水漏れが収まっても何らかの拍子で溜まっている水が漏れてくる可能性がありますので、エアコンの水漏れ修理が完全に終わるまでは配管の下に置かれている家具家電を別の場所に移動させておきましょう。

垂れてきた水を拭き取る

エアコンから漏れてきた水を拭き取る

バケツや雑巾を準備して、床や壁などに垂れた水を拭き取ります。

また、エアコンが完全に停止してしばらくの間(5~10分程度)は水が漏れてくる可能性がありますので、その場を離れないようにしましょう。

特に壁や床は濡れたままにしておくと傷んで修理が必用になることもありますので、水気をしっかりと拭き取っておいてください。

なお、エアコン本体についている水滴については、感電の危険がありますので、エアコンのコンセントを抜くことができている、またはエアコンコンセントのブレーカーを切る事ができている場合以外は、拭き取らないでそのままにして業社の人に処理してもらいましょう。

管理会社や大家さんに連絡する(賃貸住宅の場合のみ)

一通りの応急処置が終わったら、次はエアコン水漏れの修理依頼をしていく必要があります。

持ち家のエアコンが壊れた場合の修理費用は自己負担が基本(保証が残っている場合は別)となりますが、もともと賃貸住宅(アパート、マンション、借家)などに取り付けられていたエアコンが故障した場合は、管理会社や大家さんの負担になることもあります。

賃貸住宅の場合、勝手に修理を依頼してしまうと修理費用が自己負担になってしまうこともありますので、まずは管理会社や大家さんに連絡することからはじめていきましょう。

賃貸住宅などでの水漏れトラブルを放置してしまうと、壁や床が傷んでしまって余計な修理費用が発生する可能性もありますので、早め早めに対処するのが鉄則です。

賃貸アパートなどで部屋を借りた場合、借りた側の人には「部屋を良好に保つ」義務が発生します。水漏れを放置して部屋にダメージを与えてしまうと、退去時に修繕費用を請求される可能性がありますので注意が必要です。

まとめ

今回は、エアコン水漏れ故障の12の原因を徹底解説についてお話しました。

エアコンの水漏れ故障は、水漏れ症状をしっかりと観察していけばその故障原因をある程度特定していくことができます。

このエアコンの水漏れ故障は長期間放置してしまうと壁紙クロスが黒ずんだり、カビで汚れてしまったり、床材などの建材が腐食してしまったりして、部屋の大掛かりな補修が必要になることもあります。

単なるエアコンの水漏れ故障だけであればその日のうちに修理が完了しますし、修理費用もそこまで高くなってしまうことはありません。

安心してエアコンを使っていけるよう、早め早めに修理依頼を行っていくことをおすすめします。

スポンサードリンク



空調テック
タイトルとURLをコピーしました