ダイキンエアコンの故障修理

【ダイキンエアコン】エラーコード「U0異常」の原因と修理方法


ダイキンエアコンのエラーコードU0異常

ダイキンルームエアコンのエラーコード「U0異常」は、主にガス漏れなどが原因の冷媒循環量不足を示すシステムエラーです。

このエラーコードが表示された場合に予想される不具合は以下の通りとなります。

  • 冷媒回路の不具合(冷媒ガス不足、詰まり)
  • 圧縮機の不具合
  • 電子膨張弁の不具合
  • 除湿用電磁弁の不具合
  • (基盤の不具合)
  • (熱交換器偏流の影響)

※()内はあまり見られない不具合の内容

このU0エラーに自分でできる復旧方法はなく、修理業者に冷媒ガス不足(U0エラーの主な原因)であれば媒ガス漏れ修理とガスチャージ、その他の不具合であれば故障箇所の修理をしてもらう必要があります。

U0エラーは冷媒ガス不足であることが多く、電源抜き差しによる本体リセットで一旦は復帰することがあります。ただし、この冷媒ガスが少ない状態でエアコンを長時間運転する(繰り返しリセット操作を行う)と圧縮機の寿命を縮めてしまうことになりますので注意が必要です。

今回は、ダイキンルームエアコンでエラーコードU0が表示された場合の具体的な対処法について、詳しくお話していきます。

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プロフィール

この記事の監修者「taichan」


エアコン修理の実務経験が豊富な元メーカー勤務のエンジニア。保有資格は、第三種電気主任技術者、第一種電気工事士、第一種冷凍機械責任者など。


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不具合箇所の特定方法

エアコンのエラーコードは大まかな不具合箇所を示しているだけとなっていますので、まずはエラーコードの内容を参考に消去法で不具合箇所を特定していくことからはじめていきます。

以下にU0エラーの主な不具合箇所の特定するための大まかな流れをまとめておきますので、サーッと目を通しておきましょう。

項目不具合の内容確認内容主な修理方法
①冷媒回路の不具合
(ガス漏れ)
・冷媒ガス漏れ
→フレア接続部
→室内熱交換機
→室外熱交換機
・試運転による動作確認
・運転時のガス圧測定
・ガス漏れ箇所の調査特定
・ガス漏れ修理
・ガスチャージ
②冷媒回路の不具合
(詰まり)
・詰まり
→ストレーナ
・試運転による動作確認
・運転時のガス圧測定
・配管着霜箇所の調査
・部品交換
③圧縮機の不具合・圧縮不良・運転時のガス圧測定
・ポンプダウンの可否
・部品交換
④電子膨張弁の
不具合
・動作不良
(閉固着など)
・運転状態の確認
・配管着霜箇所の確認
・運転時のガス圧測定
・部品交換
⑤除湿用電磁弁の
不具合
・動作不良
(閉固着など)
・運転状態の確認
・運転時のガス圧測定
・部品交換

エアコン修理における不具合原因の特定方法は、消去法で異常箇所を探っていくのが基本的なやり方となります。

ダイキンエアコンのU0エラーは冷却回路の本格的な故障がほとんどで、本体リセットなどで簡単に復旧するようなエラーではないことが多いでしょう。

分解を伴うエアコン修理は怪我や感電などの恐れがありますので、専門業者や有資格者に修理を依頼するようにしてください。

【検証項目①】冷媒回路の不具合(ガス漏れ)

ダイキンのU0エラーは、冷媒回路の不具合(ガス漏れ)の影響によってシステム異常が発生した場合に表示されることがあります。

ダイキンルームエアコンのU0異常のエラーのほとんどは冷媒ガス不足によるもので、冷媒回路のどこかから冷媒ガスが漏れ出してしまったことが不具合の原因となっています。

一旦、エアコン本体リセット復旧し、エアコン始動から定常運転まで間の室内機の吸込みと吹きだしの温度差が小さい、またチャージポートで測定したガス圧がずっと低いまま、配管に霜がついているというような場合は冷媒ガス不足が考えられます。

不具合の原因が冷媒ガス不足の可能性が高まった場合、ガス漏れ箇所を調査していきます。

主な冷媒ガス漏れ箇所

  • フレア接続部(標準取付施工)
  • ユニオン継手部(更新時の配管延長など)
  • 室内熱交換器
  • 室外熱交換器
  • 圧縮機

冷媒ガス漏れで多いのは銅配管のフレア接続部で、特にユニオン継ぎ手などを使って配管を延長しているような場合、この部分から冷媒が漏れることもあります。

このようなフレア接続部からのガス漏れの場合は、接続部の再施工によってガス漏れ修理を行い、その後真空引き、ガスチャージという流れで修理を行っていきます。

この他、室内機および室外機内部の熱交換機、圧縮機から冷媒が漏れることが稀にありますので、継手部からのガス漏れがない場合はこういった部分も確認していく必要があります。

室内機側の場合は初期不良のケース多く、室外機側は経年劣化によって配管が腐食しガス漏れにつながるケースが多い印象です。

この際、吸引式のガス漏れ検知器(ガス漏れ箇所があると音と光で分かる)を利用するとガス漏れ箇所を特定しやすいでしょう。

具体的な修理方法はエアコンを分解してガス漏れ部品(熱交換機)を交換して再組み立てし、真空引き、ガスチャージという流れでの修理となります。

圧縮機からのガス漏れの場合は、圧縮機の取替のためにロウ付けをしなければなりませんので、室外機の持ち帰り修理となることもあります。

ガス漏れ修理、ガスチャージが終わった後に、エアコンを試運転しエラーコードが表示されなくなれば修理は完了となります。

冷媒回路の故障(初期不良など)については購入から5年以内はメーカー保証(無償修理)で対応できる場合があります。

【検証項目②】冷媒回路の不具合(詰まり)

ダイキンのU0エラーは、冷媒回路の不具合(詰まり)の影響によってシステム異常が発生した場合に表示されることがあります。

稀なケースとなりますが、ストレーナやキャピラリ(再熱除湿機能がついたエアコンの室内機側)が詰まった場合、U0エラーとなります。

不具合の検証方法としてはストレーナが詰まってきている場合、低圧側圧力が規定圧力まで下がりきらない状態となります。

中途半端なつまり具合だと、ストレーナ出口あたりで着霜することもありますので、その辺りも確認しておきます。

具体的な修理方法はストレーナ交換(ロウ付け)となり、場合によっては持ち帰り修理となることもあります。

ストレーナ交換後、エアコン復旧し、エラー表示がなくなれば修理完了となります。

【検証項目③】圧縮機の不具合

ダイキンのU0エラーは、圧縮機の不具合の影響によってシステム異常が発生した場合に表示されることがあります。

U0エラーにおける圧縮機の不具合の仕組みは、圧縮機で冷媒ガスが正常な圧力になるまで圧縮されないことによる圧縮不良が原因で、圧縮機ロックなどの場合と異なり、圧縮機モーターは回転しているにも関わらずガス圧が上がらないため、冷媒ガス不足でのエラー検知となります。

圧縮不良の検証方法としては、ガス圧を測りながらエアコンを始動した際に圧力が下がらない(暖房の場合は上がらない)状態となります。

また、ポンプダウン運転を行った場合、圧縮機がガスを吸入できず配管内の冷媒ガスが回収できない(ガス圧が高いまま)になってしまいます。

具体的な修理方法としては、持ち帰り修理による圧縮機(または室内機内部部品一式)の取り換えとなり、部品交換後に再取り付けし、エラーコードが出なくなれば修理完了となります。

冷媒回路の故障(初期不良など)については購入から5年以内はメーカー保証(無償修理)で対応できる場合があります。

【検証項目④】電子膨張弁の不具合

ダイキンのU0エラーは、電子膨張弁の不具合の影響によってシステム異常が発生した場合に表示されることがあります。

電子膨張弁が閉じたまま圧縮機が動作すると、低圧側配管の温度や圧力が異常に下がり、冷媒ガス漏れを起こした時と同じような状態になるため、エラコードが表示されます。

電子膨張弁による不具合の検証方法としては、運転開始直後に室外機から少しの間だけ温風が出る(冷房運転時)、室外機の配管接続部など電子膨張弁より下流側配管の着霜(冷房運転時)、ガス圧測定によって低圧圧力が異常に低いことを確認していきます。

また、手動の電子膨張弁開閉工具(マグネットタイプ)で電子膨張弁を開いた場合、エアコンが正常に動き始めることを確認するのも一つの手です。

ここで電子膨張弁がちゃんと開けば、膨張弁本体は正常であることが確認でき、修理の対象はコイル部分となります。

電子膨張弁の上についているコイル部分を交換し、エアコンの本体リセット、エラーコードが解除され、正常に作動することができれば修理完了です。

【検証項目⑤】除湿用電磁弁の不具合

ダイキンのU0エラーは、室内機側にある除湿用電磁弁(再熱除湿)の不具合の影響によってシステム異常が発生した場合に表示されることがあります。

エアコンの上位機種には再熱除湿機能が搭載されており、室内機に除湿用の電磁弁とキャピラリ管が取り付けられています。

電磁弁コイルの不具合で電磁弁が閉じた状態になってしまうと低圧側配管の圧力や温度、圧縮機負荷が極端に下がり、U0エラーが表示されます。

不具合の検証方法としては、本体リセット後に除湿運転を行い、磁石などを使って電磁弁を手動で開いてエラーコードが表示されない用になった場合、電磁弁コイル不良が原因であると特定できます。

具体的な修理方法としては電磁弁コイルを交換し、本体リセット、試運転で正常運転されれば修理完了となります。

まとめ

U0エラーの原因は冷却回路の異常検知によるものが多く、ほとんどの場合はガス漏れ修理や部品交換等の修理が必要となります。

本体リセットなど、分解せずに簡単に直す応急処置方法はほとんどありませんので、早めに修理依頼をしていきましょう。

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