ダイキンエアコンの故障修理

【ダイキンエアコン】エラーコード「F3」の原因と修理方法


ダイキンエアコンのエラーコードF3

ダイキンルームエアコンのエラーコード「F3」は、室外機の圧縮機吐出配管温度に異常がある(高すぎる、低すぎる)ことを示すシステムエラーです。

このエラーコードが表示された場合に予想される不具合は以下の通りとなります。

  • 室内外本体の風まわりの不具合
    →障害物や汚れなど
  • 圧縮機吐出配管温度センサの不具合
    →センサ外れなど
  • 冷媒回路の不具合
    →冷媒ガス不足、詰まりなど
  • (室外プリント基板の不具合)

※()内はあまり見られない不具合の内容

このF3エラーは冷房時は室外機まわりに物が置かれていたり、暖房時は室内機のフィルタにホコリが積もっていたりする場合に表示される場合があるため、そういった部分を確認することで自分でエラー復旧することがあります。

ただし、不具合の原因がそれ以外の場合は修理業者に故障原因に応じてガス漏れ修理やガスチャージ、センサやプリント基板の交換の修理をしてもらう必要があります。

今回は、ダイキンルームエアコンでエラーコードF3が表示された場合の具体的な対処法について、詳しくお話していきます。

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プロフィール

この記事の監修者「taichan」


エアコン修理の実務経験が豊富な元メーカー勤務のエンジニア。保有資格は、第三種電気主任技術者、第一種電気工事士、第一種冷凍機械責任者など。


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不具合箇所の特定方法

エアコンのエラーコードは大まかな不具合箇所を示しているだけとなっていますので、まずはエラーコードの内容を参考に消去法で不具合箇所を特定していくことからはじめていきます。

以下にF3エラーの主な不具合箇所の特定するための大まかな流れをまとめておきますので、サーッと目を通しておきましょう。

項目不具合の内容確認内容主な修理方法
①室内外気の風まわり
の不具合
・フィルタや熱交換器
に汚れが溜まって高圧側
圧力が高くなっている
・フィルタや熱交換器、
送風ファンなどの汚れの
有無の確認
・ショートサーキットの確認
・運転時のガス圧測定
・エアコン掃除
・障害物の移動
②圧縮機吐出温度
センサの不具合
・吐出温度センサ外れ・取付状態の確認・センサ再設置
③冷媒回路の不具合
(ガス漏れ)
・ガス漏れ・運転時のガス圧測定
・配管の霜発生箇所の観察
・手動による弁の開閉チェック
・ガス漏れ修理
・部品交換
③冷媒回路の不具合
(詰まり)
・詰まり
(電子膨張弁、電磁弁など)
・運転時のガス圧測定
・配管の霜発生箇所の観察
・手動による弁の開閉チェック
・ガス漏れ修理
・部品交換

エアコン修理における不具合原因の特定方法は、消去法で異常箇所を探っていくのが基本的なやり方となります。

ダイキンエアコンのF3エラーは冷媒不足による本格的な故障がほとんどですが、稀に室内機のフィルタ詰まり(暖房時)や室外機前に物が置かれている(冷房時)等の場合もあります。

簡単にエアコンの状態をチェックしてみても故障の原因がわからない場合は業社に修理を依頼する必要があります。

分解を伴うエアコン修理は怪我や感電などの恐れがありますので、専門業者や有資格者に修理を依頼するようにしてください。

【検証項目①】室内外気の風まわりの不具合

ダイキンのF3エラーは、高圧側熱交換器の排熱がうまく行かない場合に表示されることがあります。

冷房運転の場合は室外機のアルミフィン熱交換器に高温高圧の冷媒が流れることになりますので、室外機の前に障害物があって吹き出した熱風をそのまま吸い込んでしまうショートサーキット状態になっていたり、室外機の裏側にホコリやペットの毛がびっしり詰まっていてあ風が通らずうまく排熱ができなかったりしていると、F3エラーが表示されることがあります。

暖房運転の場合は、室内機のアルミフィン熱交換器が高温高圧になりますので、室内機のフィルタや送風ファンにホコリがびっしり積もっていてうまく風が通らなくなっていたり、室内機の前に障害物があって風がショートサーキットしていたりするとF3エラーになることがあります。

上記のような状態でエラーが出た場合、不具合の原因を取り除き、以下の手順で本体リセット行ってみてください。

本体リセットの方法(電源コンセント抜き差し)

  1. エアコンの電源をOFFにする
  2. 室内機側にあるのコンセントを抜く
  3. 10分以上放置する
    (この際リモコン操作などは行わないこと)
  4. コンセントを元に戻す
  5. エアコンの電源をONする
内部基盤にはコンデンサーなど電気を蓄えておくパーツが取り付けられていますので、基盤内の電気が完全に放電されるまでコンセントを抜いてから10分以上は待つようにしましょう。

上記のように、ルームエアコンの場合はコンセントの抜き差しだけで本体リセットできます。

この手順でエアコンが復旧したのであれば、これでエアコン修理は完了となります。

残念ながらこの手順でエアコンが復旧せず、またF3のエラーコードを表示した場合、不具合の原因は別にあるということになりますので、エアコン業者に修理を依頼していく必要があります。

【検証項目②】圧縮機吐出温度センサの不具合

ダイキンのF3エラーは、圧縮機の吐出温度センサで測定された温度が高すぎる、または低すぎる場合に表示されることがあります。

稀にあるのが、吐出温度センサが外れてしまっているというケースです。

この場合はセンサをもともと取り付けられていた場所(圧縮機の吐出配管部)に取り付ければ修理完了となります。

【検証項目③】冷媒回路の不具合(ガス漏れ)

ダイキンのF3エラーは、冷媒回路の不具合(ガス漏れ)の影響によって圧縮機が高温になってしまった場合に表示されることがあります。

エアコンの圧縮機は吸い込んだ低圧低温の冷媒ガスで本体を冷やしながら冷媒を圧縮する仕事をする仕組みになっているため、冷媒ガスが漏れ出してしまった場合、圧縮機は動き続けるものの冷やすやめの冷媒が流れてこず、本体温度が上がってしまって吐出温度センサに高温異常として検知されます。

特にこのダイキンルームエアコンのF3異常のエラーのほとんどは冷媒ガス不足によるものが多い印象があります。

冷媒ガスが漏れてしまっているか確認する方法としては、一旦、エアコン本体リセット復旧し、エアコン始動から定常運転まで間の室内機の吸込みと吹きだしの温度差がほとんどない、チャージポートで測定したガス圧がずっと低いまま、配管に霜がついているというような場合は冷媒ガス不足が考えられます。

不具合の原因が冷媒ガス不足の可能性が高まった場合、ガス漏れ箇所を調査していきます。

主な冷媒ガス漏れ箇所

  • フレア接続部(標準取付施工)
  • ユニオン継手部(更新時の配管延長など)
  • 室内熱交換器
  • 室外熱交換器
  • 圧縮機

冷媒ガス漏れで多いのは銅配管のフレア接続部で、特にユニオン継ぎ手などを使って配管を延長しているような場合、この部分から冷媒が漏れることもあります。

このようなフレア接続部からのガス漏れの場合は、接続部の再施工によってガス漏れ修理を行い、その後真空引き、ガスチャージという流れで修理を行っていきます。

この他、室内機および室外機内部の熱交換機、圧縮機から冷媒が漏れることが稀にありますので、継手部からのガス漏れがない場合はこういった部分も確認していく必要があります。

室内機側の場合は初期不良のケース多く、室外機側は経年劣化によって配管が腐食しガス漏れにつながるケースが多い印象です。

この際、吸引式のガス漏れ検知器(ガス漏れ箇所があると音と光で分かる)を利用するとガス漏れ箇所を特定しやすいでしょう。

具体的な修理方法はエアコンを分解してガス漏れ部品(熱交換機)を交換して再組み立てし、真空引き、ガスチャージという流れでの修理となります。

圧縮機からのガス漏れの場合は、圧縮機の取替のためにロウ付けをしなければなりませんので、室外機の持ち帰り修理となることもあります。

ガス漏れ修理、ガスチャージが終わった後に、エアコンを試運転しエラーコードが表示されなくなれば修理は完了となります。

冷媒回路の故障(初期不良など)については購入から5年以内はメーカー保証(無償修理)で対応できる場合があります。

【検証項目④】冷媒回路の不具合(詰まり)の不具合

ダイキンのF3エラーは、冷媒回路の詰まりの影響によってシステム異常が発生した場合に表示されることがあります。

冷媒回路のどこかで詰まりが発生した場合、先ほどお話したガス漏れと同じように圧縮機を冷やすための冷媒ガスが流れてこなくなり、圧縮機が熱くなって吐出配管に取り付けられた温度センサが高温異常を検知してエラーが表示されます。

例えば、ストレーナが詰まった場合、低圧側配管の温度や圧力が異常に下がり、冷媒ガス漏れを起こした時と同じような状態になるため、エラコードが表示されます。

ストレーナ前後の配管温度が違ったり、ストレーナ出口に霜がついていたりするような場合はストレーナ詰まりが不具合の原因であると考えられますので、部品交換して修理を行っていきます。

この他に、電子膨張弁が閉じたまま圧縮機が動作すると、低圧側配管の温度や圧力が異常に下がり、冷媒ガス漏れを起こした時と同じような状態になるため、エラコードが表示されます。

電子膨張弁による不具合の検証方法としては、運転開始直後に室外機から少しの間だけ温風が出る(冷房運転時)、室外機の配管接続部など電子膨張弁より下流側配管の着霜(冷房運転時)、ガス圧測定によって低圧圧力が異常に低いことを確認していきます。

また、手動の電子膨張弁開閉工具(マグネットタイプ)で電子膨張弁を開いた場合、エアコンが正常に動き始めることを確認するのも一つの手です。

ここで電子膨張弁がちゃんと開けば、膨張弁本体は正常であることが確認でき、修理の対象はコイル部分となります。

電子膨張弁の上についているコイル部分を交換し、エアコンの本体リセット、エラーコードが解除され、正常に作動することができれば修理完了です。

稀なケースとしては、エアコンの上位機種にみられる再熱除湿機能付きの室内機の除湿用の電磁弁が動作不良を起こして、閉じた状態になってしまうと低圧側配管の圧力や温度、圧縮機負荷が極端に下がり、F3エラーが表示されることがあります。

不具合の検証方法としては、本体リセット後に除湿運転を行い、磁石などを使って電磁弁を手動で開いてエラーコードが表示されない用になった場合、電磁弁コイル不良が原因であると特定できます。

具体的な修理方法としては電磁弁コイルを交換し、本体リセット、試運転で正常運転されれば修理完了となります。

ストレーナの詰まりなど、冷媒回路の故障(初期不良など)については購入から5年以内はメーカー保証(無償修理)で対応できる場合があります。

まとめ

F3エラーの原因は冷媒ガス漏れの場合が多いですのでガス漏れ修理が必要となることが多いでしょう。

稀に、エアコンフィルターのホコリや、エアコンの前に障害物がある場合などにもF3エラーが表示されることもあったりするので、修理を依頼するまでに一度そういった部分を点検してみてください。

エアコン掃除で解決できる場合を除くと、エアコンを簡単に直すことはできませんので、早めに修理依頼をしていきましょう。

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