暖房が効かない

【足元が寒い】エアコンの暖房で効率よく部屋を温めるための工夫


エアコン暖房の足元寒さを解消

真冬に寒波がやってきたりすると、エアコンの暖房だけではうまく部屋が温まらずに困ってしまいます。

特にエアコン暖房は足元は冷たいのに頭はポッポするほど熱くなってしまうのが特徴で、部屋が寒いからといって設定温度を上げても、足元は一向に温まってきません。

この原因は、「エアコンは冷房をメインとして設計されているため暖房は苦手」という点にあります。

ただ、ちょっとしたエアコンの設定や100円均一で売られている材料などを使って風向きを調整するだけで、足元はポカポカ、頭は熱くならないという室内環境を作ることができることをご存知でしょうか?

そこで今回は、エアコン暖房の構造的な弱点から、足元から温める風よけの作り方まで詳しくお話していきます。

スポンサードリンク







プロフィール

この記事の監修者「taichan」


エアコン修理の実務経験が豊富な元メーカー勤務のエンジニア。保有資格は、第三種電気主任技術者、第一種電気工事士、第一種冷凍機械責任者など。


▼おすすめ記事▼


ここをチェック!暖房が効かない原因とエアコン故障の見極め方
エアコンの室外機が動かない原因と対処法まとめ
【ダイキンエアコン】運転ランプやタイマーランプが点滅して動かない場合の対処法
【東芝エアコン】運転ランプやタイマーランプが点滅して動かない場合の対処法
【故障!?】エアコンランプが点滅して動かない原因と対処法

【エアコンは暖房が苦手な理由その1】暖房負荷に対して能力が小さい

まず知っておきたいこととして、エアコンの暖房能力は思っているほど大きくはないということについてです。

エアコンの冷房能力と暖房能力

エアコンの室内機の下面などに貼られているシールを見てみるわかるのですが、例えば6畳用のエアコンの場合、冷房能力は2.2kWなのに対して、暖房の場合は2.8kWの能力になっています。

このことだけ考えると、エアコンは夏場の冷房よりも冬場の暖房のほうが得意なように感じますよね。

ただ、もう一つ考えなくてはならないことがあります。

それは、暖房負荷(部屋を温めるためにどれだけの熱が必要なのか)です。

冷房時と暖房時の負荷の違いは、夏と冬の部屋と外の温度差を考えるとよく分かります。

例えば、真夏日で部屋の外が38℃、冷房が効いた室内が27℃の場合、その温度差は11℃になり、エアコンの冷房は部屋の温度を11℃下げる役目を果たしています。

これが冬場になると、部屋の外の温度が0℃、暖房の効いた室内が22℃とすると、その温度差は22℃(冷房の約2倍)になります。

このことが何を意味するのかというと、冬場の暖房で部屋を温めるためには冷房時の2倍近くのエネルギーが必要にも関わらず、エアコンの暖房能力は冷房能力の1.3倍程度しか増えていないことがわかります。

このことが理解できれば、真夏の猛暑をエアコンのフル稼働で冷房しているような部屋の場合、寒波中の暖房を同じエアコンで行なった場合、暖房能力が足りず、部屋が温まらないということがよく分かると思います。

ちなみに、エアコンには6畳用などの表記があると思いますが、一般の方の場合、この表記については冷房使用時の表記の方を参考にしていることが多いようです。

というのも、エアコンを購入するタイミングは夏場の場合が多く、冬の暖房の事を考えながらエアコンを購入する人は比較的少ないという印象だからです。

ただ、実際のところ、部屋の大きさが6畳なら、上の表記(冷房時)が6畳のものを購入してしまうと暖房能力が足りなくなってしまうため、エアコンだけで暖房も行いたい場合は実際の部屋の大きさに対して、少なくとも1.5~2倍程度は能力の大きなエアコンを選ぶ必要があります。

このことを知っている人は少ないと思いますが、まずはこれがエアコンは暖房が苦手な1つの理由ですので、ぜひ知っておいてください。

エアコン本体の暖房効率(能力)そのものを高める方法

そうはいっても、暖房が効かないからと言ってすぐにエアコンを能力の大きなものに買い換えるという人は少ないと思いますので、どうにか今あるエアコンで暖房効率を高めることができないか考えていきましょう。

【ポイントその1】室内機のアルミフィン部における熱交換効率を高める

エアコン暖房は外気の熱を室外機で取り込み、その熱を室内機で吐き出す事によって部屋の中を温めています。

ここで室内機の中を詳しくみていくと、エアコンに取り込まれた空気は、熱くなったアルミフィン熱交換器の中を通過することによって加熱され、その加熱された空気がファンによって室内に吹き出されます。

エアコン暖房の動作原理

ここで知っておきたいことは、効率よくアルミフィンの熱を空気に伝えるためには、アルミフィンを通過する空気を速く流してやる必要があるということです。

ただ、エアコンのファンを必要以上に回してしまうと音がうるさくなってしまったりするため、リモコンで風量を「自動」の設定にしているとファンの回転数は少し低めに保たれてしまいます。

ですが、エアコンの暖房運転の効率を上げるためにはアルミフィンの中を流れる空気を早くする必要があるので、部屋がなかなか温まらない場合は風量を最大の設定にしておきましょう。

暖房時のエアコンの風量は最大

また、エアコンフィルターにホコリが溜まっている場合、空気の吸い込みが悪くなってしまうため、この場合も暖房効率が落ちてしまいます。

掃除機でホコリを吸い取る

フィルター掃除をしばらくやっていないという場合は、フィルターに積もったホコリも取り除いておきましょう。

エアコン本体の暖房効率を高めるコツは、フィルターがきれいな状態で風量をMAXに設定することですので、まずはこれらのことを試してみてください。

【ポイントその2】熱交換器の温度を高める

先程は熱交換器(アルミフィン)の間を通過する空気が速く流れるとより多くの熱を室内に放出することができることについてお話しましたが、今度はその熱交換器(アルミフィン)自体の温度を高めることによって空気を暖める能力を上げる方法についてです。

エアコン暖房の動作原理

室内機の中にあるアルミフィン熱交換器そのものの温度を高くするには、室外機にある圧縮機の回転数を高める必要があります。

エアコンの圧縮機

圧縮器は中位の回転数で回してやる方が省エネですし、室外機側の騒音も小さくなるということから、通常運転において最大回転数で回っているのは暖房始動時ぐらいです。

ただ、エアコン本体の暖房能力が足りず、ずっと部屋が温まってこない場合、少々電気代はかかってもいいから部屋を温めたいと思う時があるでしょう。

そういった場合は、リモコンで設定温度をいつもより2~3℃高めにしてあげると、圧縮機の回転数が高まって室内機の中にあるアルミフィン熱交換器の温度が上がってきます。

暖房が効かない場合は設定温度を高め

熱交換器の温度が上がれば、室内機から吹き出される温度も高くなってきますので、まずは設定温度を上げる設定をやってみてください。

設定温度を上げると風量も自動的に上がってくる機種が多いですが、基本は風量は風量設定で、圧縮機の回転寿は設定温度でコントロールするイメージを持ってもらうとうまくエアコンをコントロールできます。

そしてもう一つ熱交換器の温度を上げるのに効果的なのが、リモコンなどにある「ハイパワー」ボタンです。

エアコンの暖房が効かない原因は省エネ運転

このボタンを押すと、圧縮器をMAXの回転数で回すことができ、室内機側の熱交換器の温度を高めることができます。

熱交換器のアルミフィンの表面温度が高くなれば、そこを通り抜ける空気もより暖められますので、結果としてエアコンから吹き出される温風の温度も高くなります。

エアコンそのものの能力が小さいために部屋がなかなかたたまらない場合は、風量や温度、そしてハイパワーモードの設定をうまく使って、エアコン本体の暖房能力を最大限引き出してみましょう。

【エアコンは暖房が苦手な理由その2】ルーバーが小さすぎて暖気が足元まで届かない

エアコンは暖房が苦手なもう一つの理由は、エアコンのルーバー(上下の風向きを変えるための羽)が小さいということです。

エアコンのルーバーが小さい

基本的に、エアコンは冷房をするためのものとして開発され、暖房は後付けの機能とされてきました。

そのため、冷房で部屋を効率良く冷やすために、取り付け位置は部屋の上方として、そこから前方に向かって冷気がうまく出るような構造になっています。

冷気は自然と下の方に降りていくため、このような考え方は冷房にとっては最適な形であると言えます。

ただ、同じエアコンで暖房を行うとなると、少し様子が変わってきます。

エアコンから吹き出される温度の高い空気には上へ上へとあがっていく性質があるのですが、一般的なルームエアコンのルーバーは小さすぎるため、暖房の風向を下向きにしても斜め下方向にしか進んで行かず、床面までしっかりと到達する前に大部分が部屋の天井の方に昇っていってしまいます。

その結果、暖房をしても部屋の床面は冷えたままで足元は寒いのに、部屋の天井付近は暖かく、頭が熱くなってしまうというわけです。

最近の新しいエアコンのルーバーが異様に大きくなってきているのは、暖房時の気流を床面まで届くようにコントロールするためです。

部屋の床面付近の温度を高くする(部屋の上下の温度差を小さくする)ことができれば、それは効率よく暖房できている(体感温度を高くすることができる)ということに繋がるため、仮にエアコンから同じ量の温風が吹き出していたとしても暖かく感じることができます。

エアコンの暖気を効率よく足元まで運ぶ方法

ここまでの話しでエアコンから吹き出される温風を床までしっかりと届けることができれば、部屋が暖かくなるといういことが分かってもらえたと思います。

ここからは、100円均一の材料を使ってエアコンの気流を制御して足元から優先して暖房するための具体的な方法についてお話していきます。

エアコン暖房の足元寒さを解消

まず、100円均一で購入しておいたランチマット2枚を横に並べ、ホッチキスを使ってちょうどエアコンの吹き出し口の幅と同じぐらいになるように繋ぎ止めます。

100円均一で購入したランチマット

ホッチキスでランチマットを固定

ホッチキスで固定できたら、ランチマットの裏面の上の方に両面テープ(100円均一で購入)を貼り付けていきましょう。

両面テープをランチマットの裏に貼り付け

ランチマットに両面テープを貼り付けた

あとは、エアコンにランチマットを貼り付ければ完成です。

エアコンの暖房の風が足元に流れる

風よけをエアコンに取り付けることができたら、一度暖房を入れてみてください。

今まで斜め前に流れていた風が真下に向かって流れ、床面から順番に温めるようになるため、以前より部屋の高さ方向の温度差がなくなり、部屋の中が暖かく感じられるようになるのではないかと思います。

前面パネルが動くタイプのエアコンや取り付けた板がルーバに接触したりする場合、エアコンが故障してしまう可能性がありますので、基本的には既製品(エアコン、風よけと検索すれば色んな商品が見つかる)を使うことをおすすめします。

最後に一言

今回は、【足元が寒い】エアコンの暖房で効率よく部屋を温めるための工夫についてお話しました。

小さめの部屋の場合、エアコンの風向きを下に向けてあげるだけでかなり暖かく感じられるようになりますので、是非参考にしてみてくださいね。

それでは!

スポンサードリンク



空調テック
タイトルとURLをコピーしました