エアコン暖房が効かないという不具合で、室内機から吹き出す風が生ぬるく感じる場合、冷媒ガス漏れや室外機異常(フィンの汚れ、圧縮機の性能劣化)などの故障が考えられます。
エアコンから吹き出される風の温度が正常かどうかを見極めるには、温度計を使ってエアコンの吸込温度(天井付近の温度)と吹出温度(吹出口から出てくる風の温度)の温度差で確認するのがおすすめです。
- 冷房運転の場合;8~13℃程度の温度差があれば正常
- 暖房運転の場合;16~23℃程度の温度差があれば正常
この記事では、エアコン室内機の吸込み温度と吹き出し温度を測定することによって、エアコンが正常に動いているかどうかを確認する方法についてお話していきます。
この記事の監修者「taichan」
エアコンの困った解決!15年以上の実績を持つ空調のプロ「taichan」があなたの快適な暮らしをサポートします。大学院でヒートポンプの研究を行い、特許も複数取得。大手電機メーカー勤務後はエアコン取付修理の実務経験も積んでいます。エアコン選び、使い方、故障・トラブル、クリーニング、省エネまで、どんなお悩みにもお答えします。【保有資格】電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など
室内機の吸込み温度を測定する
まずはじめに、エアコンの吸込み温度としてエアコン上部(天井辺り)の空気温度を測定します。
上記の温度計の場合、温度計の周りの温度をIN(下側)に表示しますので、この場合は吸込温度(天井付近の温度)が19℃ということになります。
室内機の吹き出し温度を測定する
次に吹出し温度は、温度計のセンサー部をルーバーの中辺りに設置したりして測定します。
このセンサー部で測定した温度は、先程の温度計のOUT(上側)に表示されるため、エアコンの吹出温度は40℃ということになります。
吸込空気と吹出空気の温度差を計算する
今回の場合、室内機の吸込温度と吹出温度の差は21℃(40℃ー19℃)となり、判断基準となる「16~23℃」の範囲内となるので、このエアコンは正常に動いていると判断することができます。
- 冷房運転の場合;8~13℃程度の温度差があれば正常
- 暖房運転の場合;16~23℃程度の温度差があれば正常
逆に、この吸込と吐出の温度差が16℃より小さい場合、冷却回路に何らかの不具合が発生してしまっていると断定することができます。
この方法は、温度計があればご家庭でも簡単にエアコンの動作確認を行うことができますので、是非参考にしてみて下さい。