エアコンの暖房が効かない場合、室外機や室内機に何らかの不具合が発生している可能性があります。
ただ、調子が悪いだけであれば簡単なメンテナンスでまたエアコンが効くようになることもよくあります。
今回は、エアコンの暖房が効かなくなってしまった場合の具体的な対処法について詳しくお話していきます。
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▶ステップ1:状況確認
エアコンが効かない場合の故障診断を行います。
エアコンが効かないのですね。まずは今の状態の確認を行いますので、以下の中から症状を選んでください。
この記事の監修者「taichan」
エアコンの故障診断のエキスパート、taichanです。大学院でヒートポンプを研究し、特許も取得。大手電機メーカーで培った知識と15年以上の現場経験を活かしたセカンドオピニオンを無料相談Q&A(空調テック)で提供中。電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など、多数の資格を保有。
暖房が効かない!まずは自分でできるチェックポイント
エアコンはちょっとしたことが原因で暖房の効きが悪くなってしまうことがよくあります。
その場合、設定やメンテナンスをやり直せばエアコンの効きが良くなり、また部屋を温かくすることができるようになりますので、以下の内容をチェックしてみて下さい。
リモコン設定のチェック(5項目)
リモコンは、エアコンに指示を出すための重要なパーツです。
エアコンは一般的な暖房器具より設定項目が多いため、設定ミスなどが原因で暖房が弱くなってしまっていることがよくあります。
リモコンを手に取って一つ一つボタンを操作しながら読み進めていって下さい。
運転モードが冷房や除湿、送風などになってしまっていると、いくら設定温度を上げてもエアコンから暖かい風が出なくなってしまいます。
念のため、リモコンの運転切り替えボタンを押して、運転モードを暖房や自動に切り替えてみて下さい。
運転切り替え直後は5~10分ほど温風が出てくるまで時間がかかりますので、しばらく待つようにしましょう。
冷房は冷えるのに暖房だけが効かないという場合は、こちらの記事が参考になります。
エアコンの暖房は、部屋の温度が設定温度になると温風を停止する仕組み(送風運転のみ、室外機は停止)になっています。
節電のために設定温度を低めにする場合もありますが、暖房の効きが悪い場合は設定温度を23℃以上に設定し、室内機から温風が出続けるように変更してみましょう。
エアコンは風量が微風や弱などになっているとノロノロ運転になってしまい、吹き出される温風の量が減ってしまいます。
最大能力で暖房を運転するためには、風量を最大や自動などに設定しておく必要があります。
暖房の風量を弱くすると、室外機の中にある冷媒ガスを送り出すための圧縮機の回転数も下がってしまいます。エアコンは冷媒ガスをたくさん循環させた方が能力が上がりますので、風量は強めに設定することをおすすめします。
暖房をつけていても部屋が寒く感じる場合、エアコンの風向きが上向きになっていて温風が足元まで届かず、床面が冷たいままになってしまっていることが原因である可能性があります。
暖かい空気は上へ上へと上がっていく性質がありますので、暖房運転の場合は風向きを「下向き」または「自動」に設定しておきましょう。
電気代を節約するため省エネモード(控えめ運転など)を設定している場合、暖房能力が弱くなってしまいます。
省エネモードを解除し、逆にハイパワーモードなどに設定してみましょう。
室内機のチェック(2項目)
エアコンの室内機は室外機から送られてくる高温の冷媒ガスを使って吸い込んだ空気を温め、温風にしてから吹き出すという仕組みで動いています。
室内機は風周りが悪くなると暖房の効きが悪くなるため、以下の内容を確認していきましょう。
エアコフィルターにホコリや汚れが溜まってしまうと、室内機が空気をうまく吸い込むことができなくなるため、暖房の効きが悪化します。
前面パネルを開けてフィルターの汚れ具合を確認し、汚れている場合はフィルターを掃除して下さい。
お掃除機能付きエアコンの場合は、ダストボックスなどがホコリで満タンになってしまっていないかなども確認しておきましょう。
室内機の真下に家具などが置かれている場合、吹き出された温風がうまく部屋中に行き渡らず、暖房の効きが悪くなります。
また、吸込口(上面)にカーテンが被さってしまったり、室内機の天面に被せるタイプのエアコンフィルターを取り付けていているような場合、そのフィルターにホコリが溜まっていてうまく空気が吸い込まれなくなっていることもあります。
エアコンの効きを良くするポイントはこういった風周りの部分が重要ですので、一度確認してみて下さい。
室外機のチェック(3項目)
エアコンの室外機は、背面から外気を吸い込んで冷媒ガスに熱を取り込み、その冷媒ガスを高温高圧の状態にして室内機に送り出しています。
そのため、室外機は常に新鮮な空気を取り込み続けなければうまく外気から熱を吸収することができなくなってしまい、室内機に送られる冷媒ガスの温度も下がってしまうことになります。
一度室外機の状態を確認し、ファンの回転や風の流れを邪魔するようなものがないかどうか、以下の内容をチェックしてみて下さい。
室外機が屋根の上などの高いところに取り付けられている場合は、無理はせず、以下の項目を読み飛ばしてもらってもOKです。
室外機のファンの動きが鈍くなると、暖房の効きが悪くなってしまいます。
植物やゴミなどの異物が室外機の中に入り込んでファンの動きを邪魔していたりしないか確認してみて下さい。
室外機のファンが全く回っていないような場合は、こちらの記事が参考になります。
室内機と同様に、室外機の風周りが悪くなると暖房能力が弱くなってしまいます。
室外機の周りにたくさん物が置かれている場合は、それらを別の場所に移動するなどして片付けましょう。
室外機の排気口を覆うようなエアコンカバー(木製のラティスタイプなど)も風周りが悪くなる原因となりますので、エアコンを使っている時は取外した方がベターです。
暖房をスタートしてから1~2時間が経過した頃、突然温風が止まって室内機から「プシュー・・」、「ポコポコ・・・」という音が聞こえてくることがあると思います。
エアコンは外気温が5℃を下回るような状態で暖房運転を行うと、室外機のアルミフィン部に霜がびっしりとついてしまうようになるため、それを溶かして取り除くための霜取り運転が必要となります。
急に温風が止まってしまうとエアコンが壊れてしまったと驚いてしまうと思いますが、15分程度で復旧して再び温風が吹き出してきた場合、故障ではありませんので安心して下さい。
霜取り運転中は室外機から大量の水が漏れてきますが、溶けた霜が流れ出てきているだけですので、正常動作となります。霜取り運転の影響で効きが悪いと感じる場合は、霜取り運転中も風が止まりにくい寒冷地仕様のエアコンへの買い替えを検討が必要です。
エアコンの効きの確認
エアコンの点検お疲れ様でした。
ここで一度エアコンの吹き出し口に手をかざして、ちゃんと温風が出ているか確認してみてください。
ここまでの手順でエアコンの効きが戻った場合、しっかりと温まった風が手を押し返すぐらいの勢いで吹き出してきているはずです。
この時点でまだ温風が弱い、または風が冷たいという場合、もう少し本格的な点検(場合によっては修理)が必要となってきますので、記事の後半でお話していきます。
エアコンをリセットして一時的なエラーを解消する
エアコンのリセットとは、基板などに溜まっている電気を抜くことによって、一時的なエラーを解消する方法のことです。
エアコンのリセット方法
エアコンのリセット方法は機種によって異なりますが、一般的には以下の手順で行います。
- エアコンの電源を切る:
リモコンまたは本体の電源ボタンでエアコンの電源を切ります。 - コンセントプラグを抜く:
エアコンのコンセントプラグを抜きます。 - 数分間待つ:
5分ほど待ち、エアコンの内部回路をリセットします。 - コンセントプラグを差す:
エアコンのプラグをコンセントに差します。 - エアコンの電源を入れる:
リモコンまたは本体の電源ボタンでエアコンの電源を入れます。
リセット後の確認
エアコンのリセット後、以下の点を確認してください。
- 室外機が動き出したか
- 暖かい風が出ているか
エアコン本体の動作確認
エアコン本体に問題がないかを確認するために、「応急運転ボタン」を押してみましょう。応急運転ボタンは、エアコン本体にある、通常は小さくて目立たないボタンで、リモコンを使わずにエアコンを起動できる機能です。
応急運転スイッチの使い方
ルームエアコンには「応急運転スイッチ」というものが室内機本体の下側や前面パネルを開いたところについていて、この応急運転スイッチを使えば、リモコンを使わずにエアコンを起動する事ができます。
- 取扱説明書をよく読み、応急運転ボタンの位置を確認します。
- ボタンが小さい穴に隠れている場合は、細い棒などを使って押します。
- 応急運転ボタンを押すと、エアコンが起動します。起動する運転モードや設定温度は、メーカーや機種によって異なります。
応急運転後の確認
エアコンの応急運転を行った後、以下の点を確認してください。
- 室外機が動き出したか
- 暖かい風が出ているか
この応急運転スイッチでエアコンを強制起動した結果、ちゃんとエアコンが動いたようであればエアコン本体の基本機能に異常はないということになります。
それでも暖房が効かない…こんな時は迷わずプロに相談!
自分でできる対処法を試しても改善しない場合は、エアコンが故障している可能性が高いです。特に、以下のような症状が見られる場合は、放置せずに早急に専門業者へ修理を依頼しましょう。
- 冷媒ガスの漏れ:
風がぬるく感じるは、ガス漏れが疑われます。 - 異音や異臭:
エアコンから普段とは異なる大きな音や異臭がする場合は、故障の前兆かもしれません。
これらの症状を放置すると、エアコンの寿命を縮めたり、さらなる故障に繋がる可能性があります。
快適な夏を過ごすためにも、エアコンの異変を見逃さず、早めの対処を心がけましょう!
プロが教える!エアコン暖房の効きに関するQ&A
- Qエアコンからぬるい風しか出てこない場合はどうすればいいですか?
- A
冷媒ガスの漏れや室外機の汚れ、エアコンの故障が考えられます。
taichan冷媒ガスの漏れは、エアコンの冷房能力を著しく低下させる原因になります。専門業者に点検・修理を依頼しましょう。
- Qエアコンが温まらないのですが、停電が原因ということはありますか?
- A
はい、エアコンが温まらない原因として、停電などによる電装部品一時的な不具合が考えられます。電装部品が正常に動作しなくなると、エアコンの暖房機能がうまく働かなくなることがあります。
taichan停電後にエアコンが温まらなくなった場合は、エアコンのコンセントを抜き、数分待ってから再度差し込んでみてください。それでも改善しない場合は、故障が考えられるため、専門業者に点検を依頼しましょう。
- Qエアコンが故障しているかどうかはどうすればわかりますか?
- A
エアコンが故障している場合は、運転ランプが点滅して停止します。
taichanエアコンのランプが点滅している場合はエラーコードを読み取って故障原因を調べることもできます。
- Qエアコンが温まらない場合、自分でできることはありますか?
- A
エアコンのフィルター掃除、室外機の周りの確認、設定温度の見直し、風量調整、部屋の環境改善など、自分でできる対処法を試してみましょう。
taichanエアコンが温まらない原因は様々ですが、自分で簡単に解決できることも多いです。まずはできることから試してみましょう。
- Qエアコンの寿命を延ばすためにはどうすればいいですか?
- A
定期的なフィルター掃除、室外機の確認、プロのエアコンクリーニングなどを実施することで、エアコンの寿命を延ばし、冷房効率を維持することができます。
taichanエアコンは定期的なメンテナンスを行うことで、長持ちさせることができます。自分でできるメンテナンスと、プロに依頼するメンテナンスを組み合わせることで、エアコンをより長く、快適に使うことができます。
まとめ
この記事では、エアコンの暖房が効かない時の原因と自分でできる対処法、そして修理が必要なサインについて詳しく解説しました。フィルター掃除や室外機の確認など、簡単なチェックポイントから始められます。
もし、解決しない場合は、メーカーの修理窓口に連絡しましょう。
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