寒くなってきたのでエアコンの暖房をつけてみてもなんだか生ぬるい風しか出てこない・・・
設定温度を上げてみても、パワフル運転してみても暖房が効かず、全然部屋が温まってこない・・・
そんなエアコン故障の原因が冷媒ガス漏れの場合、大量のガスが漏れ出た場合はエラーコードが出て完全にエアコンが停止する場合はありますが、ほとんどの場合はエラーコードも出ず、エアコンは動いているんだけれど吹き出してくる風は暖かくないという状態になることがほとんどです。
ただ、本当にガス漏れがエアコン故障の原因かどうか確かめるためには、暖房運転時の冷媒ガスの高圧圧力を測定する必要があります。
なぜなら、何らかの原因でエアコンの冷媒ガスが抜けてしまった場合、高圧圧力(チャージポート部で測定)が以下の値より低くなってしまうからです。
暖房運転時の高圧圧力の参考値(インバータータイプ)
- R410a
→高圧側;2.3~2.8MPa - R32
→高圧側;2.4~2.9MPa
冷媒ガスが抜けて高圧圧力が低くなると、室内機に流れ込む冷媒ガスの温度も下がってしまうため、暖房運転をしていても吹き出し温度が上がらないという状態になります。
そこで今回は、エアコンの暖房運転時の冷媒ガスの高圧圧力を測定する方法についてお話していきます。

管理人「taichan」
エアコン工事は実家の家業。メーカー勤務(研究開発職)で特許出願も経験し、現在は第一種冷凍機械責任者、電気工事士(第一種)、そして子沢山の大家族(子6人)となりました。
冷媒ガス圧を測定するために必要なもの
まずはじめに、エアコンの冷媒ガス圧を測定するために必要なものについてお話していきます。
【必要な物その1】ゲージマニホールドとチャージホース
エアコンなどの冷媒ガス圧力を測定するために使うのが、ゲージマニホールドと呼ばれる道具です。
青は低圧側、赤は高圧側を繋ぐときに使います。(圧力計のメモリの表示レンジが違う)
ゲージマニホールドは冷媒の種類によって使い分けをしますが、ルームエアコンの場合、冷媒はR410a(少し古いタイプの冷媒)やR32(最近主流の冷媒)が使われていることがほとんどで、どちらもR410a用のものを使うことができます。
ゲージマニホールドはチャージホースなどとセット販売されていることが多く、約1万円(モノタロウなどのネットショップ)ぐらいから購入することができます。
ヤフオクなどでR134a用(カーエアコン用)の格安品が売られていますが、コネクタ部分のサイズがR134aのものと異なりますので、それを購入して使う場合、変換アダプター(F1/4オス×F5/16メス)を別途購入する必要があったりしますので、注意が必要です。
ちなみに、エアコンの冷媒の種類は室内機や室外機のシールに記載されていますのでご参考まで。
【必要な物その2】プラスドライバー
エアコンのガス圧を測定するには、室外機の配管カバーを外す必要があります。
このカバーはプラスネジで止まっていることが多いですので、プラスドライバーを準備しておきましょう。
【必要な物その3】モンキーレンチ
暖房運転時の高圧圧力は、冷媒ガスを充填したりするときに使うチャージポートにゲージマニホールド(圧力計)をつなげて測定します。
チャージポートに付いているフレアナットを取り外す際にモンキーレンチが必要になります。
このナットはそんなに強く締め付けられていない事が多いので、適当な安物でもOKです。
次は、具体的なエアコンの高圧圧力の測定方法についてお話していきます。