【エアコン】冷媒ガス漏れの原因と修理料金相場について

冷媒ガス漏れ
t.tamaki
T.Tamaki (Electrician)


エアコンの室内機側の接続箇所

最近蒸し暑くなってきたので久々にエアコンをつけてみたものの、なんだか冷えが悪くなったみたいで全然部屋が涼しくならない・・・

クーラーは配管の中に充填されている冷媒ガスが漏れ出したりして、必要な量より少なくなると、冷えが悪くなってしまいます。

冷媒ガスが漏れたときの不具合の主な症状は、以下の通りです。

  • 一応は動いているが冷房が冷えない(暖房が暖まらない)
  • エラーコード表示は出ない事が多い
  • 室内機のアルミフィンや室外機の配管部に霜や氷が大量に付いている(露が付いているのは正常)

エアコンのガスチャージ料金の相場は1.5~2.5万円ですが、ガス漏れの原因によっては溶接修理が必要なケースもあり、その場合は修理費用が7~10万円になってしまうこともあります。

そこで今回は、エアコンやクーラーのガスが漏れてしまった場合に発生する不具合症状やガス漏れの主な原因、修理する場合の費用相場について詳しく解説していきます。

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エアコンガス漏れの症状について

まずはじめに、エアコンが冷えない原因が本当にガスが漏れかどうか判断するための方法についてお話していきます。

エアコンは冷媒というものを使って、室内の熱を室外に移動させることによって、エアコンから冷たい風を出すという仕組みで動いています。

出典)エアコンの秘密|原子力の科学館あっとほうむ

基本的にはこのエアコンの内部に封入されている冷媒が漏れてなくなるということはありませんが、稀に配管の腐食や初期不良、取り付けミス等によって冷媒が漏れ出してしまうことがあります。

エアコン内部の冷媒が少なくなってくると、室内機から室外機に運び出せる熱の量が少なくなったり、室外機側の温度が下がってしまって上手く排熱ができなくなったりしてしまいます。

エアコン内部の冷媒が完全になくなってしまうとエラーコード(室内機ランプの点滅など)が表示されてエアコンは動かなくなりますので、その場合は故障の原因は冷媒ガス漏れだということがすぐにわかります。

ですが、冷媒ガス漏れの量が中途半端に少ない状態だとエラーコードは出ないまま効きが悪くなるという感じになります。

そのような場合にエアコンが冷えない原因が冷媒漏れであるかどうかを判断する方法は以下の通りとなります。

【ガス漏れ症状1】配管に霜がつく

室外機の配管に露(つゆ、水滴)ではなく霜(霜、白色)がついている場合、冷媒が漏れている可能性があります。

エアコンガス漏れで配管に霜がつく

古い一定速タイプのエアコンの場合、冷媒ガスが漏れたらこの部分にかなり大きな氷ができたりしていましたが、最近のインバータータイプの場合やガス漏れ量が少なめの場合は、上記のように薄っすらと配管に霜がつく程度となります。

【ガス漏れ症状2】室内機の熱交換器が凍りつく

室内機のアルミ製の熱交換器の一部だけが冷えて霜や氷が付いている場合は冷媒漏れを起こしている可能性があります。

このような症状が出ている場合は、ほぼほぼ冷媒漏れが原因であると確定して良いと思います。

ただし、上記のような症状が出るのは一昔前の一定速の圧縮機が使われているタイプで、最近のエアコンはインバータータイプの可変速圧縮機が使われていることが多いですので、冷媒ガスが漏れてもフィン全体に大量の氷が付着するというよりは薄っすらと一部に着氷するだけということも多くなってきています。

【ガス漏れ症状3】室内機から水が漏れる

エアコン吹出口からの水

エアコンの冷媒ガスが漏れてしまうと、室内機から水が漏れてくることがあります。

漏れてくる液体は配管の中に入っている冷媒や油ではなく、空気中の水分が凝縮してできた結露水となります。

冷媒ガスが少なくなると室内機の内部が局所的に異常冷却されるため、それに伴って水漏れが発生することがよくあります。

最近、エアコンの効きが悪いという症状と、こういった水漏れの症状を併発しているような場合は、冷媒ガスが漏れてしまっている可能性が高いでしょう。

温度計を使ってガス漏れの有無を確認する方法

ではどうやってエアコンのガス漏れなのかどうかを判断するかというとについては、プロの場合はゲージマニホールドという圧力計を使ってガス圧を測定していくのですが、素人の場合はエアコン室内機の吸込空気温度(室内機上部の温度)と吹出空気温度(室内機の吹出口から吐き出される風の温度)の差が正常範囲にあるかどうか確認するのがおすすめです。

正常時のエアコンの吸込みと吹出しの温度差

  • 冷房の場合;8~13℃
  • 暖房の場合;16~23℃

エラーコードが出ていないにもかかわらず、上記の温度差が8℃以下(冷房の場合)しかない場合はエアコンガス漏れである可能性が高いと考えていいと思います。

具体的な温度の測定方法としては、写真左側ような温度計(ホームセンターで2000円ぐらいで購入できる、本体部とセンサー部の2箇所で温度を測定可能)を使ったり、写真右側のよう非接触タイプの温度計(約2000円)を使って測定するのがいいでしょう。

冷媒ガス補充で使った温度計

エアコンの吸込み温度を測定

このようにエアコンの吸込温度と吹出温度を測定し、その温度差が小さければエアコンの冷媒漏れが原因だと判断できるでしょう。

エアコンのガスが漏れる原因について

ここからは家庭用のエアコンの冷媒ガスが漏れてしまう原因についてお話していきます。

【ガス漏れ原因1】配管の接続不良

家庭用のエアコンは、フレア加工を施した銅管をフレアナットで締め付けながら圧着接続する方式を採用しています。

エアコン配管の継ぎ手を離した状態

この接続方法は、フレア加工した銅管をフレアナットで締め付けて圧着させるため、基本的には冷媒漏れが全く発生しないことになります。

家庭用エアコンの冷媒漏れの多くはこの接続部(室内機側、室外機側の2箇所)の不良で、エアコン購入後の取付工事や引っ越しなどによる移設、エアコンの分解洗浄(解体クリーニング)などを行った際に、接続不良を起こして冷媒が漏れてしまうことがあります。

室内機側の配管接続部

室内機裏側の配管接続部

エアコン配管の接続部

室外機側の配管接続部

室外機側の配管接続部

老舗のエアコン業者の場合、この接続部からの冷媒漏れが後々のクレームに繋がることは充分に承知しているため、この点においては最適な取り付け手順、締付けトルク管理など慎重に慎重を重ねる作業がなされます。

ただ、経験の浅い業者の方が作業されたり、またはDIYでエアコン移設や解体クリーニングを行ったりした場合、適切なトルク管理やフレア面の管理がされず、この部分からの冷媒漏れが発生してしまうことがあります。

少し難しい話になってしまいましたが、家庭用のエアコンの冷媒漏れのほとんどはこのようなフレア接続部からの冷媒漏れですので、この場合、単に冷媒を充填しただけですと、すぐにまた冷媒が漏れ出してしまってエアコンが冷えなくなってします。

ですので、このケースの場合の修理方法は、①冷媒が漏れ出している箇所を修理して、②冷媒を再充填するというのが正しい修理手順となります。

先ほど紹介したエアコンガス充填の料金(7,000~20,000円)は単に冷媒を補充する、または一旦冷媒を完全に抜き取り再補充する場合の料金となりますが、冷媒漏れの特定と修理まで行う場合、上記料金+1~2万円ほどを想定しておく必要があります。

【ガス漏れ原因2】配管腐食による冷媒漏れ

もう一つ、家庭用エアコンの場合、配管が腐食することによって配管に穴が空き、そこから冷媒が漏れ出すことがあります。

特に、海岸地域や温泉地などは、エアコンの配管の腐食が進行するスピードが早くなってしまいます。

・海浜地区など塩分が多い所(腐食による冷媒漏れの原因になります。)
・温泉地など硫化ガスが発生する所(腐食による冷媒漏れの原因になります。)

出典)ルームエアコンを安全にお使いいただくために|三菱電機

この他に、ドレンホースを直接汚水配管に接続をしている場合、下水道で発生したアンモニアなどの腐食を起こしやすいガスが室内機の熱交換器などに穴を開けてしまうこともあります。

このような場合は、冷媒が漏れ出した箇所を修理するだけではなく、それぞれの原因を取り除くような対策を行う必要もあります。

海岸地域などにお住まいの場合は、オプションの耐塩害仕様品などを購入するなどで配管腐食の進行スピードを抑えることが出来ますので、ご参考まで。

海沿いの場所では潮風の影響により室外ユニットがサビや腐食が発生しやすくなります。そのため、耐塩害仕様室外機は外装部品や内装部品など潮風によるサビ・腐食に強い素材を採用し長期間持続させることができます。

出典)耐塩害仕様処理(室外機)|Panasonic

【ガス漏れ原因3】圧縮機内での冷媒漏れ

家庭用エアコンなどの小型エアコンではあまり見られないのですが、稀にエアコン配管の外(大気中)に冷媒が漏れ出すのではなく、圧縮機と呼ばれる冷媒を加圧する部品の内部で冷媒が漏れ出す(圧縮ロスが増える)ことがあります。

家庭用のエアコンの場合、室外機にスクロール式というタイプの圧縮機が搭載されていますが、経年劣化により接触している金属面がすり減り、新品のときよりも圧縮効率が落ちる(冷媒が低圧から高圧側にうまく圧縮されない、高圧側から低圧側に冷媒が漏れ出す、年3~5%程度効率が悪化)という症状が出てきてしまいます。

このようなケースだと、室内機の冷却フィンの温度が設計値よりも高くなり、吸い込んだ空気をうまく冷却できなくなってしまいます。

エアコンの冷却フィン

こうなってしまうと、冷房が効かず部屋が涼しくならないのに電気代は年々高くなってしまうということになります。

注意しなければならないことは、このケースの場合、冷媒が大気中に漏れ出しているのではなく、圧縮機内部で高圧側から低圧側に移動している(圧縮機内部で漏れている、大気中に漏れ出しているわけではない)だけなので、エアコン内部に充填されている冷媒量には変化がありません。

ですので、このケースの場合は冷媒を補充してもエアコンが復活することはありません。

家庭用のエアコンでこのような症状が出る場合、既にエアコンを設置してから10年以上経過しているケースがほとんどなので、エアコンの耐用年数の目安となる10年を超えている場合は修理を考えるより買い替えを検討したほうが良いのかもしれません。

エアコンの標準設計年数

最後に一言

冷媒ガスが抜けてしまうとエアコンの効きが悪くなります。

ガス漏れの原因は配管接続部の場合が多く、この場合はガス漏れ修理とガスチャージでエアコンが復旧します。

ただし、熱交換器の穴あき腐食によるガス漏れや圧縮機内のガス漏れの場合は熱交換器や圧縮機の部品交換(ロウ付け作業が必要)となり、修理費用が高額になるため、買い替えも検討していったほうがいいでしょう。

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