エアコンの冷暖房を切り替える四方弁
冷房が冷えない(効かない)

【エアコン故障】暖房は動くのに冷房だけが効かない原因と対処法


この記事は、「空調機器の設計開発」や「エアコン取付修理」に経験のある電気工事士が解説しています。
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エアコンの冷暖房を切り替える四方弁

エアコントラブルで稀にあるのが、暖房はちゃんと使えるのに冷房だけが効かないという症状です。

この場合、暑くなってきて冷房で部屋を涼しくしよう思っていたのに、急にエアコンが使えなくなって困ってしまいますよね。

このような暖房は使えるのに冷房だけが効かないという原因は3つ考えられます。

  • 四方弁の故障(暖房回路で固着)
  • 基盤の故障
  • 冷媒ガス漏れ

今回は、エアコンの暖房は正常なのに冷房だけが冷えない原因とその対処法について、詳しくお話していきます。

リモコンを操作してもエアコンが全くつかない(反応しない)という場合は、こちらの記事「エアコンの電源が入らない(つかない)原因と対処法まとめ」が参考になります。
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【原因1】四方弁の不具合

エアコンの冷暖房を切り替える四方弁

エアコンは室外機の中にある「四方弁」と呼ばれる弁を切り替えることによって冷媒の流れを変え、冷房運転と暖房運転を切り替えています。

冷房運転時の冷媒の流れ

エアコンの冷房時の冷媒ガスの流れ

暖房運転時の冷媒の流れ

エアコンの暖房時の冷媒ガスの流れ

四方弁は弁のONとOFFを切り替える電磁コイルに電気を流したときに暖房の回路に、電磁コイルに電気が流れていないときは冷房の回路となるのが一般的です。

何らかの拍子で暖房回路のまま弁が固着してしまった場合、エアコン本体は冷房運転をしようとしているにも関わらず、実際の四方弁は暖房回路で固着してしまっているため、冷房だけが効かないという状態となります。

不具合が起きているがこの四方弁の部分だけの場合、この状態で冷房運転を行うとエラーが出てエアコンが動かなくなったり、室内機から冷たい風ではなく暖かい風が出てくるようになってしまいます。

修理料金の相場

症状故障原因と修理費用相場
冷房が全く効かない
(温かい風が出てくる)
【故障原因】四方弁本体の故障
【修理方法】四方弁の交換(ロウ付け)
【料金相場】8~17万円
【備  考】可能性は低い、メーカー保証(5年)の可能性有

※修理費用の相場はメーカーサポートに依頼した場合のおおよその金額となります。

四方弁本体のが故障してしまった場合は溶接を伴う交換修理が必要となります。

この場合、修理費用が高額になってしまいますので、各種保証が切れてしまっている場合はエアコンの買い替えを検討したほうがいいでしょう。

【原因2】制御基盤の故障

エアコン室外機の基盤が故障

暖房運転はできるのに冷房だけが効かないというケースでもう一つ考えられるのは基盤の不具合です。

まず、電磁コイルを取外して磁石などを使って四方弁を手動切り替えることができた(冷房運転も暖房運転も正常に行うことができた)場合、四方弁本体は故障していないということになります。

四方弁の故障で多いのは電磁コイルの故障なのですが、電磁コイルはOFFのときは冷房で、ONのときに暖房回路となりますので、電磁コイルが故障したのであれば、今回の症状とは逆の冷房は効くが暖房は効かないということになります。

これらのことから四方弁本体の切り替え動作は正常にも関わらず、冷房だけが効かないという場合は、電磁コイルをコントロールしている基盤の故障が考えられます。

修理料金の相場

基盤故障の場合、基盤の交換修理が一般的となり、メーカーサポートを利用した場合の修理費用は1~3万円程度になることが多いでしょう。

症状故障原因と修理費用相場
冷房が全く効かない
(温かい風が出てくる)
【故障原因】基盤の故障
【修理方法】部品交換
【料金相場】1~3万円

ただ、基盤の不具合はちょっとしたことが原因となっていることがあり、本体リセット(コンセントの抜き差し)を行うことや、エアコンを使わない時間が長かったりした場合に自然と復旧することもあります。

夏の終りに何らかの原因で基盤に不具合が発生したものの、冬に使い始めた時に暖房運転はできたという場合、こういったちょっとした基盤トラブルが原因だった可能性があります。

この場合、現時点で暖房ができているのであればそのまま暖房運転を継続していくことも可能ですし、運が良ければ冷房運転の方も正常に行えるようになっている可能性があります。

このまま来年もエアコンを修理または交換せずに使っていくという場合、念の為、エアコンを本格的に使い始める1ヶ月前ごろに冷房の試運転を行っておくことをおすすめします。

【原因3】冷媒ガス漏れ

冷媒ガス漏れで冷房が効かない

エアコンの暖房は効くが冷房は効かないという症状でもう一つ考えられる原因は冷媒ガス漏れです。

エアコンの配管の中には冷媒ガスが充填されているのですが、その冷媒ガスが何らかの理由でエアコンの外に漏れ出てしまった場合、冷房運転を行っても室内機の吹出口から生ぬるい風しか出てこなくなってしまいます。

この室温と外気温の高い夏のタイミングで暖房運転に切り替えると室内機から温かい風が出てくるので暖房は効くと思いがちですが、外気温、室温ともに高い状況で暖房運転を行っているのでエアコンにとって負荷がほとんどない条件での運転となり、実際は冷媒ガスが漏れていることに気がついていないことがあります。

通常、ゲージマニホールドという専用の道具(圧力計)で冷房運転時の低圧圧力を測定したりして、ガス漏れの有無を確認していきます。

冷媒ガスの圧力を測定するゲージマニホールド

素人の場合はエアコン室内機の吸込空気温度(室内機上部の温度)と吹出空気温度(室内機の吹出口から吐き出される風の温度)の差が正常範囲にあるかどうかでガス漏れの簡易確認が可能ですので、そちらの方法を試してみるといいでしょう。

吹出吸込温度測定による冷媒ガス漏れの確認方法

エアコンの吹出温度測定による冷媒ガス漏れの確認方法は以下の通りとなります。

【STEP1】冷房運転、温度設定「最低」、風量「最大」にする

エアコン冷房の冷媒ガス漏れ確認方法

まずはじめに、エアコンを冷房運転にして、温度設定を最低、風量を最大に設定します。

【STEP2】吸込温度と吹出温度を測定する

次に、エアコンの吸込み温度としてエアコン上部(天井辺り)の空気温度を測定します。

エアコンの吸込み温度を測定

上記の温度計の場合、温度計の周りの温度をIN(下側)に表示しますので、この場合は吸込温度(天井付近の温度)が19.9℃ということになります。

次に吹出し温度は、温度計のセンサー部をルーバーの中辺りに設置したりして測定します。

エアコンの吹き出し温度を測定

このセンサー部で測定した温度は、先程の温度計のOUT(上側)に表示されるため、エアコンの吹出温度は8.1℃ということになります。

よって、エアコンの吸込温度と吹出温度の差は11.8℃(19.9℃ー8.1℃)となり、判断基準となる「8~13℃」の範囲内となるので、このエアコンは正常に動いていると判断することができます。

逆に、この吸込と吐出の温度差が8℃より小さい場合、冷媒ガスが漏れてしまっている可能性が高いでしょう。

冷媒ガス漏れの場合の修理料金の相場は以下のとおりです。

症状故障原因と修理費用相場
冷房が効かない
(生ぬるい風しか
出てこない)
【故障原因】冷媒ガス漏れ(継ぎ手部分)
【修理方法】ガス漏れ修理(フレア加工)とガスチャージ
【料金相場】1~3万円


【故障原因】冷媒ガス漏れ(配管パーツの腐食など)
【修理方法】ガス漏れ修理(ロウ付けまたは部品交換)とガスチャージ
【料金相場】8~17万円
【備  考】可能性は低い、メーカー保証(5年)の可能性有

※修理費用の相場はメーカーサポートに依頼した場合のおおよその金額となります。

エアコンガス漏れの修理料金の相場は、配管接続部などからの微量なガス漏れの場合は1~2万円程度で済むことがほとんどです。

稀に、熱交換器などからガス漏れが発生してしまっているような場合は、大掛かりな部品交換や溶接などの作業が必要となる可能性もあり、その場合は修理費用が高額になることがあります。

次のページでは、エアコン修理を依頼する前に試しておきたい本体リセットの方法や強制起動の方法についてお話していきます。

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