エアコンが冷えない原因は室外機
冷房が冷えない(効かない)

エアコンが冷えない原因は室外機!?自分でできる対処法まとめ


この記事は、「空調機器の設計開発」や「エアコン取付修理」に経験のある電気工事士が解説しています。
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エアコンが冷えない原因は室外機

近年、外気温が40℃を超える日も出てくる中、エアコンの冷えが悪いなぁと感じることがあるのではないかと思います。

エアコンといえば室内機のフィルター掃除が大切だということはよく耳にすると思いますが、実はエアコンの心臓部は室外機の方であり、室外機の設置環境を良くすることによってエアコンの冷えを改善することが可能です。

今回は、室外機の設置状況を改善することによってによってエアコンの効きの悪さを解消する方法について詳しくお話していきます。

クーラー(冷房専用など)の場合も構造メカニズムはエアコンとほとんど同じですので、この記事の内容を参考にしていただけます。

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エアコンの心臓部は室外機だった!?

エアコンの室外機が冷えが悪い原因

エアコンは室内機の方から涼しい風が吹き出されるので、エアコンで最も重要なのは室内機の方だと思いがちですが、意外にもエアコンの心臓部は室外機の方だと言うことができます。

というのも、室外機の役割は室内機で吸い取った部屋の中の熱を屋外に排出することが目的となっているため、室外機がうまく作動しなければ室内機の方からも冷たい風が出てこなくなってしまうからです。

エアコンの室外機が効率よく作動するための条件は、風通しの良い涼しい場所に設置することなのですが、近年、外気温が40℃を超える日が出てきていることから、室外機にとっては過酷な環境になってきています。

ここで知っておきたいことは、エアコンの設計上の基準(JIS規格)において、外気温が43℃の条件で1時間の連続運転が可能であることが決められているということです。

言い換えると、外気温が43℃まではどのメーカーのエアコンでも動作が保証されているということになりますが、これはエアコンが1時間連続運転できることだけが保証されているだけであって、エアコンの能力が低下しないということを示しているわけではありません。

エアコンの冷房運転は外気温が高くなればなるほど室外機が熱を室外に放出しづらくなり、その結果、室内機から出てくる冷たい風がぬるくなってきてしまう傾向があります。

外気温が高くなる日中は一番部屋を冷やしたい時間帯であるにも関わらず、エアコンの性能はその時間帯が一番悪くなってしまうことになり、こういった室外機のまわりの環境がエアコンの冷房の効きに大きな影響を及ぼしています。

これらのことからもわかるように、エアコンの心臓部はどちらかというと室外機の方であり、室外機の設置状況を改善することがエアコンの冷えを良くするための第一歩になります。

エアコンの冷え良くするポイントは室外機の風通り

エアコンの冷えを良くするために大切なことは、以下の通りとなります。

  1. 室外機の風通りを良くすることと
  2. 室外機の吸込み温度を下げる(暖房時の場合は吸込み温度を上げる)こと

ただし、大切なのは上記の順番で、室外機の風まわりが良い状態の方が室外機の吸込み温度を下げることよりも重要だということです。

室外機は涼しい空気を背面から吸い込んで熱を空気に受け渡し、前面から熱風にして放出することで熱を屋外に逃しているのですが、室外機がうまく空気を吸い込んだり、吐き出したりすることができなければ、室内機の方からは冷たい風が出てこなくなります。

良くある話ですが、室外機に日陰を作りたいからといってエアコンの前によしずを設置したりすることがありますが、エアコンから十分離れた場所(1m以上が理想)に設置しなければ、逆に風通りが悪くなってしまってエアコンの冷えが悪くなってしまったりします。

エアコンの冷えを良くするための鉄則は、室外機のまわりに余計なものを置かず、スッキリきれいな状態を保つのが一番です。

エアコンの冷えが悪いと思った場合は、そういった視点を持って室外機のまわりを観察してみるのがいいでしょう。

エアコンの冷えが悪い場合に確認したいこと

真夏日にエアコンの冷えが悪いと感じた場合、以下の内容を参考にしながら室外機の状態を確認していきましょう。

室外機のまわりに物が置かれていないか?

エアコンの室外機の前に植木鉢や自転車など、室外機から排出される風の通り道を邪魔するようなものは置かれていませんか?

室外機のまわりはスッキリ何も置かれていない状態がエアコンにとって一番好ましい状態となります。

室外機を隠すために木製のエアコンカバーを被せてあるのをよく見かけますが、そういったタイプのエアコンカバーはエアコンの冷えを悪くしてしまいますので、カバーを被せるのはエアコンを使わない時期だけにするのがベターです。

エアコンの冷えを良くするための鉄則は室外機のまわりに物を置かないことですので、まずは室外機の周りにあるものはできる限り移動させてエアコンを使ってみてください。

室外機のアルミフィン部が汚れてしまっていないか?

エアコン室外機の背面の汚れが原因で冷えない

エアコンの冷えが悪くなってしまう原因として、室外機の背面のアルミフィンにホコリや動物の毛などが大量に付いてしまっていることがあります。

室外機はこのアルミフィン(熱交換器)が詰まってしまうと風の通りが悪くなってしまって、うまく熱を排出することができなくなります。

エアコンと背面の壁の間に十分な隙間がある場合は、アルミフィンで手を切ってしまわないように注意しながら、ブラシなどを使ってここに付着した汚れをかき出してみてください。

エアコン室外機の裏側のホコリを取り除くためのブラシ

室外機の裏側の隙間がない場合は自分で掃除するのは難しいですので、エアコンクリーニング業者に掃除を依頼してください。

エアコンクリーニング業者の場合、エアコンの室外機を分解して、アルミフィンの表面(ファン側)から高圧洗浄機でホコリを裏面側に吹き飛ばしてもらうことができますので、手作業で取り除けないようなフィンの奥に入り込んでしまっている汚れまで、かなりきれいな状態にしてもらうことができますよ。

室外機の内部は数百ボルトの電気が流れていますので、素人が分解するのは危険です。また、配管がつながったまま室外機を移動させると、配管の接続部分からの冷媒ガスが漏れる原因となってしまうことがありますので、室外機を動かすのはやめておきましょう。

高温に弱いエアコンが設置されていないか?

あまり知られていないことですが、ルームエアコンはメーカーや機種によって高温時の性能が大きく変わってきてしまうことがあります。

先程もお話したようにJIS規格で外気温度が43℃で1時間連続運転可能なことが決められていますが、以下のメーカーでは外気がそれ以上の温度になっても冷えが悪くなりにくい設計を採用しています。

  • ダイキン;高外気タフネス冷房(外気温46℃まで)
  • 三菱電機;ストロング冷房(外気温46℃まで)
  • パナソニック;Xシリーズ(外気温50℃まで)、AXシリーズ(外気温46℃まで)
  • 東芝;DTシリーズ、Rシリーズ(外気温48℃まで)

※2020年11月調べ

数年前に設置したの古いエアコンを使っている場合、こういった高温対応の冷房機能がついていない製品が多いと思われます。

一度ご自身のエアコンの型番などを調べて、どのくらいの外気温まで冷房の性能を落とさず使うことができるのかということを調べてみてください。

製品仕様として高温に弱いエアコンの場合、いくら室外機まわりの対策を行っても猛暑で外気温が40℃近くまで気温が上がってしまうと冷房の冷えが悪くなってしまいます。

そのような場合はエアコンを買い替える必要も出てきたりしますので、こういった細かな製品仕様もエアコンの冷えに関係するということを知っておきましょう。

10年以上使っているエアコンではないか?

エアコンの圧縮機は摩耗して効率が悪くなる

エアコンは室外機の中にある圧縮機(コンプレッサー)などのパーツの経年劣化によって、年に3~4%づつ性能がダウンしていってしまいます。

単純に考えると、エアコン設置から10年も経過すればエアコンの能力(≒効率)は30~40%も低下してしまっていることになります。

このエアコンの性能劣化については、少々であればエアコン側で圧縮機の回転数を上げてカバーしていくことができるできるのですが、極端にエアコンの性能が落ちてきてしまうと、いくらエアコンが頑張っても(電気をたくさん使っても)部屋を冷やすことができなくなってきます。

特に、外気温が40℃近くになっているような状況の場合、こういったエアコンの性能劣化が原因でエアコンが効かないというケースが目立ちます。

家庭用のルームエアコンの場合、劣化して効率の悪くなった部品(圧縮機)を交換修理するのは高く付きます(8~10万円が相場)し、圧縮機が摩耗したエアコンを使い続けると電気代も高いままとなってしまっています。

もう10年以上エアコンをしっかりと使ってきた場合、エアコンの劣化も進んできていますので修理するのではなく、買い換える方向で検討してくのが経済的です。

よくある質問Q&A

ここからはエアコンの効きや室外機のことについて、よくある質問に対してQ&A形式でお答えしていきます。

Q;室外機に日除けを取り付けるとエアコンの冷えは良くなりますか?

エアコンの天面部分に日光を反射させるような日除けカバーは、冷房時に室外機のまわりの温度を下げることができるので多少の効果はあります。

ただし、逆に暖房運転時は室外機のまわりが温かいほうが良いため、日射を妨げてしまうカバーを取り付けたまま暖房運転をしてしまうと逆効果になってしまいます。

そういった事も踏まえて日除けカバーを取り付けるかどうか検討してみてはいかがでしょうか。

Q;水を含んだタオルを室外機に掛けておくとエアコンの冷えが良くなると聞いたのですが・・・?

室外機の天面に水を含んだタオルを置いたりするとその瞬間だけはエアコンの効きが良くなりますが、効果は一時的です。

タオルの場合は、乾いて室外機の背面の方に吸い込まれてしまったりして逆に風の通り道を塞いでしまったりすることもありますので、基本は室外機のまわりには物を置かないほうがベターです。

Q;室外機背面にスペースを作るために室外機を動かしてもいいですか?

室外機には冷媒ガスが流れる銅配管がつながっています。

配管がつながったまま室外機を動かすと、フレア継手部分に力がかかって変形し、充填されている冷媒ガスが漏れ出してしまう可能性があります。

室外機を移動させる場合は、エアコン業者に依頼することをおすすめします。

Q;室外機がベランダに置かれていてショートサーキットが気になるのですが・・・。

室外機のショートサーキットでエアコンが冷えない

エアコンの据え付け説明書を確認すると分かるのですが、室外機の前方は20cm程度、後方は10cm程度の隙間が空いていれば運転可能です。

効率よく運転したい場合はもう少しスペースを確保できたほうが好ましいですが、室外機の設置場所が限られていることも多々あります。

そのような場合は、室外機のファン前面に取り付ける風向調整板などを取り付けて、ショートサーキットを防止するという方法もありますので、参考にしてみてください。

Q;室外機を別の場所に移動するのはどのような工事になるのでしょうか?

室外機を別の場所に移動させる場合、一度室外機に接続されている配管や配線を取外して室外機を移動先に移動します。

その後、配管や配線を新しいものに取り替えてもう一度室外機に配管と配線を接続し直すという作業になります。

エアコン配管の延長や配線の継ぎ足しはガス漏れや火災の原因になってしまうことがあるため、極力行わないようにするのが一般的です。

まとめ

エアコンの冷えを良くするためには室内機のフィルターの掃除が大事とよく言われますが、エアコンの冷えが悪くなる原因は室外機の方にあることもよくあります。

エアコンの冷えは室外機のまわりの物を移動させたりすることで改善することがありますので、ぜひ一度確認してみてください。

ただ、外気温の高温対応していないエアコンを使っている場合や、10年以上使ってきて圧縮機の内部摩耗が進んできているエアコンの場合は上記のような工夫を行っても冷房の冷えが改善しないことがあります。

そういった場合は、エアコンの買い替え時期が来ているサインですので、高温に強い室外機のエアコンの購入を検討していってください。

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