エアコンが効かない場合、室外機や室内機に何らかの不具合が発生している可能性があります。
ただ、調子が悪いだけであれば簡単なメンテナンスでまたエアコンが効くようになることもよくあります。
今回は、エアコンが効かなくなってしまった場合の具体的な対処法について詳しくお話していきます。
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▶ステップ1:状況確認
ダイキン製エアコンが効かない場合の故障診断を行います。
ダイキンのエアコンが効かないのですね。まずは今の状態の確認を行いますので、以下の中から症状を選んでください。
この記事の監修者「taichan」
エアコンの故障診断のエキスパート、taichanです。大学院でヒートポンプを研究し、特許も取得。大手電機メーカーで培った知識と15年以上の現場経験を活かしたセカンドオピニオンを無料相談Q&A(空調テック)で提供中。電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など、多数の資格を保有。
まずはここから!リモコン・室内機・室外機のチェックポイント
エアコンは、リモコンの設定ミスやフィルターの汚れなど、ちょっとしたことが原因で効かなくなることがあります。
その場合、設定やメンテナンスをやり直せば、またエアコンが使えるようになりますので、順番に以下の内容をチェックしてみて下さい。
リモコン設定のチェック(2項目)
リモコンは、エアコンに指示を出すための重要なパーツです。
エアコンのリモコン設定は項目が多いため、ちょっとした設定ミスなどが原因でエアコンが効かなくなってしまうことがよくあります。
リモコンを手に取りながら、一緒に確認していきましょう。
①運転モードが間違っていませんか?
運転モードが間違っていると、いくらエアコンを動かしても冷たい風(暖房の場合は暖かい風)が出ないままになってしまいます。
念のため、リモコンの運転切り替えボタンを押して、運転モードを切り替えてみて下さい。
季節 | 運転モード |
---|---|
真夏 | 冷房、または自動 (除湿は梅雨の時期のみ) |
真冬 | 暖房、または自動 |
運転切り替え直後は2~3分ほど風が出てくるまで時間がかかりますので、しばらく待つようにしましょう。
②設定温度が高く(暖房の場合は低く)なっていませんか?
エアコンは部屋の温度が設定温度になると運転を停止する仕組み(送風運転のみ、室外機は停止)になっています。
エアコンが効かない場合は設定温度をいつもより低め(暖房の場合は高め)に設定し、エアコンが連続運転するようにしておきましょう。
季節 | 設定温度 |
---|---|
真夏 | 26℃以下 |
真冬 | 23℃以上 |
室内機のチェック(3項目)
エアコンは室外機から送られてくる冷媒ガスを使って部屋の空気を冷やしたり温めたりしています。
室内機の風周り(風の通りやすさ)はエアコンの効きに直結しますので、以下の内容を確認していきましょう。
①エアコンフィルターが汚れていませんか?
エアコフィルターにホコリや汚れが溜まってしまうと、室内機が空気をうまく吸い込むことができなくなるため、エアコンの効きが悪化します。
前面パネルを開けてフィルターの汚れ具合を確認し、汚れている場合はフィルターを掃除して下さい。
お掃除機能付きエアコンの場合は、ダストボックスなどがホコリで満タンになってしまっていないかなども確認しておきましょう。
②吸込口や吹出口が塞がれていませんか?
室内機の真下に家具などが置かれている場合、吹き出された風がうまく部屋中に行き渡らず、エアコンの効きが悪くなくなります。
また、吸込口(上面)にカーテンが被さってしまったり、室内機の天面に被せるタイプのエアコンフィルターを取り付けていているような場合、そのフィルターにホコリが溜まっていてうまく空気が吸い込まれなくなっていることもあります。
エアコンの効きを良くするには、フィルターの掃除や吸込口・吹出口の確保など、風通しの良い状態を保つことが重要です。
③室内機の運転ランプが点滅していませんか?
室内機のランプが点滅している場合、エアコン本体に何らかの異常が発生しています。
エアコンは、ちょっとしたことが原因でエラー表示されるケースがあります。
自分で対処できることもありますので、室内機ランプが点滅した場合は下記の記事を参考に対処してみて下さい。
室外機のチェック(3項目)
エアコンの室外機は、室内機に送り込む低温(暖房の場合は高温)の冷媒ガスを作り出す役割を担っています。
そのため、室外機は常に新鮮な空気を取り込み続ける必要があり、室外機周りの風周りが悪化してしまうとエアコンがうまく作動しなくなります。
一度室外機の状態を確認し、ファンの回転や風の流れを邪魔するようなものがないかどうか、以下の内容をチェックしてみて下さい。
室外機が屋根の上などの高いところに取り付けられている場合は、無理はせず、安全に確認できる範囲でのみ点検を行ってください。以下の項目は読み飛ばしても構いません。
①室外機のファンは回っていますか?
室外機のファンの動きが鈍くなると、エアコンが効かなくなります。
植物やゴミなどの異物が室外機の中に入り込んでファンの動きを邪魔していたりしないか確認してみて下さい。
室外機のファンが全く回っていないような場合は、こちらの記事が参考になります。
②室外機の周りに物が置かれていませんか?
室内機と同様に、室外機の風周りが悪くなるとエアコンの能力が弱くなってしまいます。
室外機の周りにたくさん物が置かれている場合は、それらを別の場所に移動するなどして片付けましょう。
室外機の排気口を覆うようなエアコンカバー(木製のラティスタイプなど)も風周りが悪くなる原因となりますので、エアコンを使っている時は取外した方がベターです。
③一時的に温風が止まる霜取り運転ではありませんか?(暖房運転の場合)
暖房をスタートしてから1~2時間が経過した頃、突然温風が止まって室内機から「プシュー・・」、「ポコポコ・・・」という音が聞こえてくることがあると思います。
エアコンは寒い時期に暖房を使うと、室外機に霜がついてしまうことがあります。霜取り運転は、この霜を溶かして取り除くための機能です。
急に温風が止まってしまうとエアコンが壊れてしまったと驚いてしまうと思いますが、15分程度で復旧して再び温風が吹き出してきた場合、故障ではありませんので安心して下さい。
霜取り運転中は室外機から大量の水が漏れてきますが、溶けた霜が流れ出てきているだけですので、正常動作となります。
エアコンをリセットして一時的なエラーを解消する
エアコンのリセットとは、基板などに溜まっている電気を抜くことによって、一時的なエラーを解消する方法のことです。
エアコンのリセット方法
エアコンのリセット方法は機種によって異なりますが、一般的には以下の手順で行います。
- エアコンの電源を切る:
リモコンまたは本体の電源ボタンでエアコンの電源を切ります。 - コンセントプラグを抜く:
エアコンのコンセントプラグを抜きます。 - 数分間待つ:
5分ほど待ち、エアコンの内部回路をリセットします。 - コンセントプラグを差す:
エアコンのプラグをコンセントに差します。 - エアコンの電源を入れる:
リモコンまたは本体の電源ボタンでエアコンの電源を入れます。
リセット後の確認
エアコンのリセット後、以下の点を確認してください。
- 室外機が動き出したか
- 冷たい/暖かい風が出てくるようになったか
エアコン本体の動作確認
エアコン本体に問題がないかを確認するために、「応急運転ボタン」を押してみましょう。応急運転ボタンは、エアコン本体にある、通常は小さくて目立たないボタンで、リモコンを使わずにエアコンを起動できる機能です。
応急運転スイッチの使い方
ルームエアコンには「応急運転スイッチ」というものが室内機本体の下側や前面パネルを開いたところについていて、この応急運転スイッチを使えば、リモコンを使わずにエアコンを起動する事ができます。
- 取扱説明書をよく読み、応急運転ボタンの位置を確認します。
- ボタンが小さい穴に隠れている場合は、細い棒などを使って押します。
- 応急運転ボタンを押すと、エアコンが起動します。起動する運転モードや設定温度は、メーカーや機種によって異なります。
応急運転後の確認
エアコンの応急運転を行った後、以下の点を確認してください。
- 室外機が動き出したか
- 冷たい/暖かい風が出てくるようになったか
この応急運転スイッチでエアコンを強制起動した結果、ちゃんとエアコンが動いたようであればエアコン本体の基本機能に異常はないということになります。
修理が必要?エアコンが効かなくなる5つの故障原因と費用目安
エアコンが効かなくなってしまう主な故障原因は以下の5つです。それぞれの原因と修理費用目安、自分でできる対処法などを解説します。
【エアコンが効かない原因1】基盤や電源ヒューズなどの故障
エアコンの電源が入らない場合は、エアコン内部の基盤(エアコンを制御する電子部品)や電源ヒューズなどの部品が故障している可能性があります。
- 修理費用相場:1~3万円程度
- 対処法:
- コンセントやブレーカーを確認する。
- エアコンのリセットを試みる。(※前のセクションで解説した方法を参照)
- 上記の方法で改善しない場合は、修理業者に依頼する。
【エアコンが効かない原因2】リモコン受光部の故障
エアコン本体にあるリモコン受光部が故障すると、リモコンからの操作を受け付けなくなります。
- 修理費用相場:1~2万円程度
- 対処法:
- リモコンの電池を交換してみる。
- 応急運転ボタンでエアコンが起動するか確認する。
- 上記の方法で改善しない場合は、修理業者に依頼する。
【エアコンが効かない原因3】冷媒ガス漏れ
エアコンは冷媒ガス(熱を運ぶためのガス)を使って部屋の空気を冷やしたり温めたりしています。冷媒ガスが漏れると、エアコンの効きが悪くなったり、全く効かなくなったりします。
- 主な症状:
- エアコンの効きが悪い
- 生ぬるい風しか出てこない
上記の症状が出ていても、エラーコードは出ないまま動き続けていることがおおいです。
- 修理費用相場:
- 継手部分からのガス漏れ:1~3万円程度
- 配管パーツの腐食などによるガス漏れ:8~17万円程度
- ※メーカー保証期間内(通常5年)であれば、無償修理の可能性もあります。
- 対処法:
専門知識が必要なため、修理業者に依頼する。
冷媒ガス漏れが起きているかどうかを見極める方法としては、エアコンの吸込温度(天井付近の温度)と吹出温度(吹出口から出てくる冷風の温度)の温度差がちゃんとあるかどうか(8~13℃程度、冷房の場合)で確認すると良いでしょう。
運転モード | 正常な場合の温度差 |
---|---|
冷房 | 8~13℃ |
暖房 | 16~23℃ |
具体的な動作確認方法は以下の通りとなります。
【STEP1】冷房運転、温度設定「最低」、風量「最大」にする
まずはじめに、エアコンを冷房運転にして、温度設定を最低、風量を最大に設定します。
【STEP2】吸込温度と吹出温度を測定する
次に、エアコンの吸込み温度としてエアコン上部(天井辺り)の空気温度を測定します。
上記の温度計の場合、温度計の周りの温度をIN(下側)に表示しますので、この場合は吸込温度(天井付近の温度)が19.9℃ということになります。
次に吹出し温度は、温度計のセンサー部をルーバーの中辺りに設置したりして測定します。
このセンサー部で測定した温度は、先程の温度計のOUT(上側)に表示されるため、エアコンの吹出温度は8.1℃ということになります。
よって、エアコンの吸込温度と吹出温度の差は11.8℃(19.9℃ー8.1℃)となり、判断基準となる「8~13℃」の範囲内となるので、このエアコンは正常に動いていると判断することができます。
逆に、この吸込と吐出の温度差が8℃より小さい場合、冷媒ガスが漏れてしまっている可能性が高いでしょう。
【エアコンが効かない原因4】四方弁の故障
四方弁は、暖房と冷房を切り替えるための部品です。四方弁が故障すると、冷房が効かなくなったり、温風が出てきたりします。
冷房運転時の冷媒の流れ
暖房運転時の冷媒の流れ
- 主な症状:
- 冷房が効かない
- 温風が出てくる
上記の症状が出ていても、エラーコードは出ないまま動き続けていることがおおいです。
- 修理費用相場:
- 電磁コイルの交換:1~3万円程度
- 四方弁本体の交換:8~17万円程度
- ※メーカー保証期間内(通常5年)であれば、無償修理の可能性もあります。
- 対処法:
専門知識が必要なため、修理業者に依頼する。
【エアコンが効かない原因5】本体異常(エラーコード表示)
エアコンの運転ランプが点滅している場合は、エラーコードが表示されています。エラーコードを確認することで、故障箇所を特定できます。
- 修理費用相場:1~17万円程度
- 基盤やモーターなどの故障:1~3万円程度
- 圧縮機などの故障:高額になる場合がある
- 対処法:
- リモコンでエラーコードを確認し、その意味を調べる。詳細は以下のページが参考になります。
- 自分で対処できる場合は、取扱説明書に従って対処する。
- 改善しない場合は、修理業者に依頼する。
エアコン修理業者の選び方: 失敗しないためのポイント
エアコン修理が必要な時、どの業者を選べば安心? 以下のポイントをチェックして、信頼できる業者を見つけましょう。
- 実績と経験:
修理実績が豊富で、特にエアコンの修理経験が豊富なメーカーの専属業者がおすすめです。
メーカーサポートの連絡先
- 資格と技術:
電気工事士などの資格を持った技術者がいる業者を選びましょう。 - 見積もりと料金:
複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較検討しましょう。 - 保証:
修理後の保証制度があるか確認しましょう。 - 口コミと評判:
インターネット上の口コミや評判も参考に、総合的に判断しましょう。
エアコンを長持ちさせるメンテナンス方法
エアコンが急に壊れて困らないために、日頃からメンテナンスをしておくことも大切です。
- フィルター清掃:
2週間に1回を目安に掃除機や水洗いで清掃しましょう。 - 業者によるエアコンクリーニング:
1~2年に1回を目安に、専門業者によるエアコンクリーニングを依頼しましょう。 - 室外機の確認:
室外機の周りに物を置かず、風通しの良い状態を保ち、定期的に汚れや異物を取り除きましょう。
エアコンの買い替え時期の目安
エアコンの寿命は一般的に10年程度ですが、以下の点を考慮して買い替え時期を検討しましょう。
- 不具合の頻度:
エアコンの不具合が増えてきたら買い替えのサインかも。 - 修理費用:
高額な修理が必要なら、買い替えの方がお得な場合も。 - 省エネ性能:
最新のエアコンは省エネ性能が向上しているので、電気代節約のためにも買い替えを検討してみましょう。 - 快適性:
最新の機能を求めるなら、買い替えも選択肢の一つです。
エアコンの調子が少しでもおかしいと感じたら、早めに専門業者に相談しましょう。早期発見・早期対応で、大きなトラブルを防ぐことができます。
まとめ
エアコンが効かない時は、落ち着いてこの記事で紹介したチェックポイントを確認してみましょう。リモコンの設定やフィルターの掃除、エアコンリセットなど、自分で簡単に解決できることも多いです。
それでも改善しない場合は、故障の可能性があります。
もし、解決しない場合は、メーカーの修理窓口に連絡しましょう。
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