エアコンを使っているとき、急に室内機から水が漏れてきたら本当に驚いてしまいますよね。
しかも、こういった水漏れ故障が起こるのは熱帯夜が続く真夏日に発生することが多く、「エアコンが使えなくなって部屋が暑くて我慢できない・・・。」、「どうにかして早くこのエアコンを修理したい!」と思っている人が多いのではないかと思います。
こういった突然発生するエアコン水漏れの約8割はドレンホース(蛇腹状の白っぽい色をした排水用のホースのこと)の詰まりが原因で、メーカーサポートや地元のエアコン修理業社に修理をお願いするのが一般的です。
ただ、ここで一つ知っておいてほしいことがあります。
それは、このドレンホースの詰まりが原因の水漏れ野場合、家庭用の掃除機を使えば自分でも簡単に修理することができるということです。
この方法でドレンホース内の詰まりが取れれば、室内機からの水漏れは解消されるため、またすぐにエアコンを使い始めることができます。
今回は、この掃除機を使ったドレンホース掃除の方法や、ドレンホース詰まりを予防する方法まで詳しくお話していきます。

管理人「taichan」
エアコン工事は実家の家業。メーカー勤務(研究開発職)で特許出願も経験し、現在は第一種冷凍機械責任者、電気工事士(第一種)、そして子沢山の大家族(子6人)となりました。
エアコン水漏れの主な原因(ドレンホースつまり)とは?
まずはじめに、どうしてドレンホースが詰まってしまうとエアコンから水漏れが発生するのかということについてお話していきます。
エアコンの室内機の中にはアルミフィン熱交換器という部品があり、冷房や除湿、ドライ運転をした場合、この部分がキンキンに冷えて冷たくなって大量の結露水が発生しています。
ここで発生した結露水はドレンパン(ドレン皿)というパーツで受け止められた後、ドレンホースを通って室外に排出される構造になっています。
夏場、屋外に設置されている室外機あたりのドレンホースの先端からポタポタと出てきている水は、室外機で発生したものではなく、室内機の方で発生した結露水ということになります。
例えば、真夏日にルームエアコンで冷房運転を行った場合、一日あたり数リットルから十数リットルもの結露水がドレンホースから排出されています。
何らかの原因でこのドレンホースが詰まってしまった場合、室内機で発生した結露水がドレンパンから溢れてしまい、それがエアコンからの水漏れの原因となります。
ドレンホースが詰まってしまっている場合の水漏れ症状としては、室内機の吹出口やルーバー、底面、エアコン取り付け部の壁面辺りから水漏れが発生することになります。
掃除機を使ったドレンホース掃除の方法
エアコンの水漏れ原因の約8割はドレンホースのつまりが原因となっています。
本格的な詰まりの場合は業社に依頼しなければなりませんが、ちょっとした詰まりであれば自分でも簡単に掃除して取り除くことができます。
DIYが得意な人は一度試してみてもいいのではないかと思います。
掃除機でつまりを取る場合の作業手順
まず、ドレンホースの先端に目の荒い布やストッキングタイプの生ゴミフィルターなどを輪ゴムで取り付けます。
これは、ドレンホースの詰まりが取れた際に水分を含んだ異物が一気に出てきて、掃除機の中に吸い込まれてしまわないようにするための工夫です。
そして、ドレンホースの先端を上に向けて片手で握り、その手の上に掃除機の吸込口を押し当てます。
この時、ドレンホースを下向きや横向きにして掃除機を押し当ててしまうと詰まりが取れた時、掃除機が大量の水を吸い込んでしまい、最悪の場合掃除機が故障してしまう可能性があります。
必ず、ドレンホースは上に向けた状態で、掃除機を上から押し当てるという形で行うようにしましょう。
ドレンホースの詰まりが取れた時、一気に水が流れて来るのがドレンホースを持っている手の感触でわかりますので、その瞬間に掃除機を取外します。
つまりが取れた後はエアコン(冷房運転)を始動し、20~30分ぐらい後にドレンホースから水滴がポタポタと連続して出ていれば、水漏れ修理は完了です。
ドレンホース詰まりの2つの予防方法
エアコン水漏れ故障のほとんどはこのドレンホースの詰まりが原因となっています。
急にエアコンが使えなくなってしまうと本当に困ってしまうため、水漏れを未然に防ぐ方法を知りたい方も多いのではないかと思います。
ドレンホースの詰まりは定期的な点検やエアコンクリーニングを行うことで予防することができます。
ただ、少しやり方を間違ってしまうと逆につまりを誘発してしまうことになりますので、どういう風にメンテナンスしていけばいいのかということについてお話していきます。
定期的なエアコンクリーニングで水漏れ予防
ドレンホースの詰まりの多くは、室内機内部で発生するスライム状の汚れがうまく排出されず、ドレンホース内にとどまることが原因です。
特に、最近ホームセンター等でよく見かけるエアコン洗浄スプレーなどを使って室内機のアルミフィンを掃除したりしてしまうと、落とされた汚れがうまく流れていかず水漏れを引き起こしてしまうというケースが目立っています。
エアコン洗浄スプレーは洗浄力は強いものの、水量が少ないため、落ちた汚れをうまく室外まで排出することができないというデメリットがあります。
アルミフィンについた汚れがひどい場合はこういったものを使って掃除するのではなく、プロに頼んで大量の水で汚れをしっかり洗い流してもらうのがベターです。
ドレンホースの点検で水漏れ予防
ドレンホースの詰まりは、エアコンで発生する汚れ以外にもドレンホースの変形や設置状況によって起こりやすくなることがあります。
例えば、ドレンホースの先端が地面まで届いてしまっていると、そこから虫が入ってドレンホースを詰まらせてしまうことがあります。
ドレンホースの先端は地面から離して取り付けるのが基本となっていますので、この辺りは一度チェックしておきましょう。
この他に、ドレンホースの折れやねじれによって排水経路が細くなってしまうことも詰まりを誘発してしまいます。
よく見かけるのは、エアコンの配管経路の曲がり部などでドレンホースが他の配管に潰されてしまうというケースです。
ドレンホースは蛇腹状になっていて変形には強い形状となっていますが、このような感じで長期間にわたって強い力を加えられ続けると、徐々に徐々に変形していきます。
この潰された部分は汚れが溜まりやすくなりますので、こういったドレンホースの曲がり部分も2~3年に一度はチェックしておくことをおすすめします。
また、ドレンホースは紫外線の当たるような部分は3~5年で劣化が進んできてしまうため、それぐらいのタイミングでドレンホースだけ新しいものに交換してしまうというのも一つの手です。
ドレンホースは室外機から1mぐらいのところで接続されています。
ドレンホースの点検で折れや潰れ、破れなどが見つかった場合はドレンホースを新しいものに交換しておきましょう。
まとめ
今回は、掃除機を使ってエアコンの水漏れを直す方法についてお話しました。
エアコン水漏れの8割を占めるのはドレンホースの詰まりで、掃除機やサクションポンプを使えば水漏れ修理ができるケースもよくあります。
DIYに自身がある場合は挑戦してみてもいいでしょう。
ですが、エアコンのDIY水漏れ修理にはいくつかのデメリットもあります。
- 水が逆流して部屋を水浸しにしてしまう
- 逆流した水が内部の電装部分にかかってエアコンを壊してしまう
- ドレンホースから虫(コガネムシやゴキブリなど)の死骸が出てくる
- 出てきたドロドロのカビ汚れで手が汚れて荒れてしまう
- 水漏れの原因がドレンホース詰まりではなかった場合、自分では修理できないこともある(ドレンパンの詰まりや破損、冷媒ガス漏れ、雨漏りなど)
こういったリスクを避けるためには、自分で修理するのは避け、業社に修理を依頼するのがベターです。