エアコンの寿命を伸ばす方法
ここからはエアコンの寿命を伸ばす具体的な方法についてお話していきます。
エアコンの寿命を左右する一番の要素は、エアコン室外機の中にある冷媒ガスを圧縮して送り出す役割を担うコンプレッサー(圧縮機)の性能劣化で、家庭用のルームエアコンの場合、この部品は年に3~4%程度づつ圧縮性能が劣化し、エアコンの消費電力があがっていってしまいます。
このコンプレッサーは稼働時間が長いほど、フルパワー運転をさせるほど性能劣化のスピードが加速する傾向があります。
例えば、部屋の大きさに対して能力の小さなエアコンが取り付けられているような場合、エアコン稼働中はコンプレッサーがものすごい勢いで回転することになり、コンプレッサーの圧縮性能が下がってエアコンの寿命が来てしまうのが一般的です。
エアコンの制御基板が壊れてしまったりすることもありますが、それは当たり外れの問題なので使い方ではどうすることもできません。
ですので、壊れてしまった場合に交換費用が8~10万円もしてしまうコンプレッサーをいたわる使い方をするのがエアコンの寿命を伸ばす鉄則となります。
以下ではエアコンのコンプレッサーをいたわる具体的な方法についていくつか紹介しておきます。
【エアコンの寿命を伸ばす方法その1】ハイパワー運転を使わない
エアコンはフル稼働させればさせるほどコンプレッサーに負荷がかかって性能が劣化していきます。
特に、リモコンでよく見かける「ハイパワーボタン」は部屋を急速に冷やす(温める)ためにコンプレッサーを全力運転させるためのボタンになります。
このハイパワーモード(設定温度を極端に下げて風量をMAXにする場合も同様)は圧縮機を痛める一番の原因になりますので、あまり使わないようにしていきましょう。
エアコンは急に部屋を冷やしたり温めたりするのは苦手で、トロトロ運転させておくのが一番効率がよく、またコンプレッサーにも負担をかけません。
ですので、タイマーを活用して少し早めからエアコンを稼働させておくなどして、コンプレッサーをフル稼働させることがないようにしていきましょう。
【エアコンの寿命を伸ばす方法その2】2週間に1度の頻度でフィルターを掃除をする
エアコンの前面パネルの奥にあるフィルターにホコリがたくさん積もっている場合、エアコンが部屋の空気をうまく吸い込むことができません。
このような状態だと、たくさん電気を使って室外機の中にあるコンプレッサーをぶん回しているのに、室内機側でうまく熱交換できず、部屋の温度がうまく下がらない(暖房の場合は上がらない)という事になってしまいます。
このように考えると、フィルターが汚れているとコンプレッサーの稼働率が上がってしまうことが理解できると思います。
毎日頻繁に使うエアコンのフィルターは2週間に1度のペースで定期的に掃除することがとても大切です。
また室内機だけではなく、室外機のアルミフィン部にペットの毛などのホコリが積もって風の通りが悪くなっていると室外機がうまく熱を放出できなくなるため、これもコンプレッサーの稼働率を上げる原因となります。
たまには室外機の裏側のアルミフィンのところもチェックして、ブラシや散水ホースを使って汚れを取り除いてあげましょう。
エアコンのフィルターを掃除して風の通りを良くすることはエアコンの寿命を伸ばすだけでなく、消費電力を下げる効果もありますので、ぜひ定期的なメンテナンスを実践していきましょう。
【エアコンの寿命を伸ばす方法その3】2~3年に一度はエアコンクリーニングを行う
これは先程のフィルター掃除と同じことですが、エアコンはいくらフィルター掃除をちゃんとしていても細かなホコリが少しずつ内部に入っていってしまって、アルミフィンや送風ファンなどに溜まっていってしまいます。
そういった部分にホコリやそれを餌にしてカビ菌が繁殖してしまった場合、エアコン内部の空気の流れ道が塞がってしまって吹出口の奥の送風ファンはブンブン回っているのに部屋はなかなか冷えていかず、室外機の圧縮機も回りっぱなしの状態が続いてしまいます。
エアコンクリーニングはエアコンの使用頻度によって必要度合いがかなり変わってきます。
例えば、シーズン中は毎日使うようなエアコンであれば2~3年に一度のエアコンクリーニングが必要になってきますが、お客さんが来た時だけちょこっと使うような程度であれば全くエアコン内部が汚れていなくて、クリーニングする必要がないケースもよく見かけます。
エアコンから吹き出してくる風が生臭くなってきたら、エアコン内部にホコリやカビ菌が繁殖してきたサインとなりますので、このタイミングがエアコンクリーニングを実施の目安となります。
【エアコンの寿命を伸ばす方法その4】室外機の設置環境を見直す
エアコンの室外機の周りには基本的には何もおかず、風通しを良くしておくのが鉄則です。
ウッドフェンスを使ったエアコンカバーを使ったりしているのをたまに見かけますが、そういったエアコンカバーをつけたままエアコンを運転させると効率が2~3割悪くなってしまい、コンプレッサーに負担をかけてしまいます。
また、稀に倉庫の増改築等によって室外機が物置の中に置かれてしまっていて、排熱がうまく換気できていないケースなどもありますが、こういった状況もコンプレッサーを酷使してしまいます。
冷房運転に限っていえば室外機の上に乗せて直射日光を遮るタイプの小屋根を使うことで、数%ほどエアコンの効率を上げる事ができます。
ただ、暖房運転を行う場合は直射日光があたっていたほうが効率が良いため、そういったものを一年中乗せたままだとトータルではほとんど意味のないことになってしまうことを理解しておきましょう。
エアコン故障の主な症状と具体的な対処法
以下にエアコン故障の主な症状と具体的な対処法についてまとめておきますので、エアコンが故障したのかどうか判断するための参考にしてみてください。
エアコン故障の主な症状と対処法
- エアコンがつかない、動かない場合の対処法
- エアコンが効かない(冷えない、暖まらない)場合の対処法
- 室外機が動かない(ファンが回らない)場合の対処法
- 部屋の湿度が下がらない(除湿できない)場合の対処法
- 室内機から水が漏れてくる(飛んでくる)場合の対処法
- 室外機から水が漏れてくる場合の対処法
- リモコンで操作できない場合の対処法
- エラーコード(室内機のランプが点滅、リモコンに英数字表示)が出ている場合の対処法
最後に一言
今回は、【寿命買替時期?】エアコンの標準使用期間(10年)と実際の耐用年数まとめについてお話しました。
エアコンの実際の寿命はだいたい14年ですが、フル稼働させない使い方やフィルター掃除などの定期メンテナンス、設置されている状況によって故障する確率がかなり変わってきます。
エアコンは安いものではありませんので、上手に末永く長く使っていけるよう頑張っていきましょう。
もう最近になってエアコンの調子がどんどん悪くなってきてしまったたので、修理か買い替えか迷っているというような場合は、以下の記事が参考になると思います。
それでは!