いつもと同じようにエアコンを使っていると急に吹き出し口から水が・・・!?
エアコンの水漏れ原因は多岐にわたりますが、この吹出口から出てくる水漏れに限定した場合、故障の原因を8つまで絞り込むことが出きます。
今回は、エアコン吹き出し口からの水漏れの原因や修理方法、応急処置方法などについて詳しくお話していきます。
エアコン故障で吹き出し口から出てくる水の原因は8つ
エアコンから水が出てくる原因はたくさんありますが、室内機本体からの水漏れに限って考えるとおおよそ8つの原因に分けることができます。
原因 | 水漏れ症状 | 修理方法 |
①ドレンホース の詰まり >>詳細はこちら | ・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面 ・大量の水漏れ(1秒間に1~3滴) ・エアコン運転時は連続して水が垂れてくる ・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時 ・ドレンホースからの排水はない ・室内機ドレンパンに水が溜まっている | ・サクションポンプ吸引 ・ドレンホース交換 |
②ドレンパン の詰まり >>詳細はこちら | ・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面 ・大量の水漏れ(1秒間に1~3滴) ・エアコン運転時は連続して水が垂れてくる ・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時 ・ドレンホースからの排水はない ・室内機ドレンパンに水が溜まっている | ・分解洗浄 |
③排水パーツ の破損 >>詳細はこちら | ・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面 ・大量の水漏れ(1秒間に1~3滴) ・エアコン運転時は連続して水が垂れてくる ・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時 ・ドレンホースからの排水はない ・室内機ドレンパンに水は溜まっていない | ・部品交換 |
④冷媒ガス 漏れ >>詳細はこちら | ・室内機の吹出口、ルーバー ・多くても2~3秒に1滴程度 ・エアコン運転時は連続して水が垂れてくる ・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時 ・エアコンの効きが悪い ・室外機の片方の配管に霜が付いている | ・ガスチャージ |
⑤エアコン内部 の汚れ >>詳細はこちら | ・室内機の吹出口、ルーバー ・水滴が垂れる、または前に飛び出してくる ・たまにピッ、ピッ・・っと飛んでくる程度 ・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時 ・エアコン内部がかなり汚れている ・室外機の配管に霜が付いている | ・フィルター掃除 ・エアコンクリーニング |
⑥排水経路 の逆勾配 >>詳細はこちら | ・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面 ・大量の水漏れ(1秒間に1~3滴) ・エアコン運転時は連続して水が垂れてくる ・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時 ・室内機が傾いている ・ドレン配管に逆勾配箇所がある ・ドレンホースからの排水がない ・室内機ドレンパンに水が溜まっている | ・再施工 |
⑦初期不良や 部品不具合 >>詳細はこちら | ・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面 ・少量の水漏れ ・エアコン運転時は連続して水が垂れてくる ・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時 ・水漏れ原因が簡単に特定できない | ・対策部品に交換 |
⑧外気の逆流 (高気密住宅) >>詳細はこちら | ・室内機の吹出口、本体底面、取付壁面 ・場合によっては多量 ・夏場の冷房や除湿(ドライ)運転時 ・窓を締め切った時に発生 ・エアコンからポコポコ音がする | ・逆勾配の解消 ・対策部品の追加 |
エアコン修理の依頼はメーカーサポートか、エアコン修理の専門業者(電気工事屋)などに依頼するのが一般的ですが、今回の吹き出し口からの水漏れの原因によっては自分で修理することができたり、エアコンクリーニング業者に修理を依頼できたりする場合もあります。
このようにエアコン吹出口からの水漏れトラブルは、原因によって水漏れ症状や修理方法、修理の依頼先が変わってくるのが特徴です。
次の項目から、故障原因別の吹き出し口から水が出てくるメカニズムや症状、具体的な修理方法などを詳しく解説していきますので、今発生している水漏れがどのパターンになるのか一緒に確認していきましょう。
【原因①】ドレンホースが詰まって吹出口から水が出てくる
エアコン吹き出し口から水が出てくる原因の中で一番多いのがドレンホースの詰まりで、エアコン水漏れの約8割がこのドレンホースの詰まりが原因であると言われています。
ドレンホースとは、室外機の辺りにある灰色の蛇腹形状の排水ホースのことで、何らかの理由でこの排水ホースが詰まってしまうと、エアコン吹き出し口から水が漏れてきてしてしまいます。
吹き出し口から漏れてくる水の正体
エアコン吹き出し口から出てくる水の正体は一体何なのでしょうか?
エアコンが冷房運転を行う際、室内機の内部にあるアルミフィン熱交換器は冷媒ガスによってキンキンに冷やされます。
室内機は部屋の熱い空気を吸い込んでその冷えたアルミフィンの隙間を通過させることにより空気を冷やし、冷えた空気を送風ファンで吹き出す事によって部屋を冷やすという仕組みで動いています。
部屋の空気がアルミフィンを通過する際、冷えたアルミフィンに触れることで空気中の水分がアルミフィンに結露して付着します。
これはちょうど夏場に氷を入れたガラスのコップの表面に水滴がつくのと同じ原理となっています。
アルミフィンに付着した水分はフィンをつたって下に流れていき、アルミフィンの下にあるドレンパン(露受皿)に落ち、最終的にはドレンホースを通って室外に排出されます。
真夏日に冷房運転を行った場合、一般的なルームエアコンでも一日あたり数リットルから十数リットルもの結露水が発生しています。
何らかの原因でこの排水経路が詰まってしまった場合、この結露水がドレンパンから溢れてしまい、エアコンの吹き出し口から水が出てくることになります。
吹き出し口から水が出てきた時、配管の中に封入されている冷媒ガスなどが漏れ出てきたのではないかと心配する人もいるのではないかと思います。
ですが、吹き出し口から出てきた水は基本的にはアルミフィンについた結露水(ただの水)が漏れ出てきているだけとなりますので、安心してください。
ドレンホース詰まりが原因の場合の水漏れ症状
ドレンホース詰まりが原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。
項目 | 内容 |
水漏れ箇所 | ・吹き出し口やルーバー ・本体底面 ・壁面 |
水漏れ量 | ・本格的な詰まりの場合は多量 (1秒間に1~3滴程度) |
水漏れ頻度 | ・エアコン動作中は連続的に水が垂れてくる |
水漏れ 発生条件 | ・夏場 ・冷房、除湿(ドライ)運転時 ・設置から数年が経過後 |
水漏れ原因 特定方法 | ・ドレンホースから排水がない ・室内機ドレンパンに水が溜まっている ・エアコンの効きは良い |
ドレンホースが詰まってしまった場合、エアコンの吹き出し口や本体底面などからエアコン動作中は連続的にポタポタと水が落ちてくるのが特徴です。
水漏れ量としては完全にドレンホースが詰まってしまっているような場合だと、1秒間に1~3滴程度、水が漏れてくることもあります。
吹き出し口あたりから水が出てきていて、エアコンの冷房やドライ運転中に室外の排水ホースから排水がない、室内機のドレンパンに水が溜まっているというような場合は、ドレンホースの詰まりを疑っていきましょう。
ドレンホース詰まりの4つの原因
ドレンホースが詰まってしまう原因は主に4つあります。
ドレンホースの先端が塞がっている
ドレンホースの先端に植木鉢が置かれてしまっていたり、ドレンホースの先端が土の中に埋もれてしまっているような場合、結露水がうまく排水されず、行き場を失った水がエアコンの吹き出し口から出てきます。
この場合、ドレンホースの先端に置かれているものをどけたりして、水がドバーッと流れ出てきたら水漏れが解消されます。
この他にも、ドレンホースの先端が下向きではなく上向きになっていたり、排水口などに溜まった水の中に突っ込まれているような場合も水漏れの誘発原因となりますので、そういったことがないかどうか確認してみてください。
ドレンホースの内面に大量の汚れが付着している
エアコン内部の冷却フィンなどについたカビやホコリがドレンパンの上に落ちてドレンホースに流れていき、その中でへばり付いてしまうと、結露水の流れが悪くなって室内機本体から水が垂れてきてしまいます。
このドレンホースが詰まってしまう原因は長年の使用による汚れの蓄積もあるのですが、最近流行りのエアコン洗浄スプレーなどで落とされたフィン汚れがドレンホースをつまらせてしまうケースが多々見受けられます。
エアコン洗浄スプレーの洗剤は強力なのでフィン汚れは簡単に落とせるのですが、その汚れを室外に排出するだけの十分な水量がありません。
特に、ドレンホースにはたくさんの凹凸があるためそこに汚れが引っかかってしまい、最終的にはドレンホースの流路を塞いでしまいます。
エアコンクリーニング業者によるエアコン洗浄の場合は、専用のエアコン洗浄機を使って洗剤洗浄後のすすぎに大量の水で汚れを室外に洗い流すことができます。
このようにエアコン洗浄スプレーによるDIY掃除はエアコンの水漏れの原因を作ってしまう可能性があるので、あまりおすすめはできません。
どうしてもエアコン洗浄スプレーを使いたいという場合、少しでも汚れをちゃんと排出するためにスプレー缶は1缶を最後までしっかりと使い切るようにしていきましょう。
ドレンホースに虫が侵入して詰まってしまう
ドレンホースのつまりは室内機側から流れ来る汚れ以外にも、室外側のドレンホース出口から侵入してきた虫(コガネムシやハチ、ゴキブリなど)が原因で発生することもあります。
エアコンのドレンホースは地面から5~10cm程度浮かせて設置することが推奨(メーカーの据付工事説明書など)されています。
ドレンホースの先端が地面に垂れた状態で設置していたりすると虫が侵入しやすくなりますので、注意が必要です。
なお、ドレンホースの先端に専用のキャップや目の荒いネットを設置しておけば、詰まりの原因となる虫が入り込めなくなりますので、エアコン水漏れの予防になります。
ドレンホースが折れやねじれで詰まってしまう
ドレンホースが折れたりねじれたりしてしまうと、配管内の水が流れる面積が狭くなり、ドレンホースが詰まりやすくなってしまいます。
このドレンホースの折れや潰れが発生しやすいのが、壁から配管が出てくる部分や配管カバーを使った曲がり部分です。
例えば上記の場合だと、冷媒配管(白い断熱材に覆われている)の横や上に蛇腹上のドレンホースが配置されていて、緩やかに曲がって下に降りてきていますので、結露水はスムーズに内部を流れていきます。
仮に、ドレンホースが冷媒配管の壁側(内側)に配置されていたりする場合、ドレンホースが冷媒配管に押さえつけらる形になってしまいます。
ドレンホースはちょっとした曲がりや折れ、潰れは耐えられるような設計になっているのですが、上記のように何年も力を受け続けるような場合、経年劣化でだんだんとドレンホースが潰れきてしまって流路が狭くなっていきます。
狭くなた部分は汚れが溜まりやすくなりますので、最終的には部分が詰まってしまってエアコンから水が漏れてきてしまいます。
サクションポンプを使った詰まり除去修理の方法
エアコンの吹き出し口から水が出てくる原因の約8割はこのドレンホースのつまりが原因となっています。
ドレンホース詰まりの修理方法は、サクションポンプによる詰まり吸引修理やドレンホースの交換修理が基本となります。
ちょっとした詰まりであればサクションポンプという道具を使って詰まりを吸引して取り除くことができます。
本格的な詰まりやドレンホースの折れや潰れが発生している場合は、ドレンホースの交換修理が必要となってきます。
ドレンホースがどの程度詰まっているかについては実際に作業を進めていかないとわかリませんので、確実に水漏れを直してもらいたいのであれば、業社に依頼した方がベターです。
DIYが得意な人はサクションポンプを使って水漏れを解消することができないか試してみるのも一つの手です。
サクションポンプを使ったドレンホース掃除の手順
まず、エアコン室内機の吹出口周りにビニール袋をかぶせていきます。
これは作業中に水が逆流して室内機から溢れてきたときに部屋に水が溢れてこないようにするための対策となります。
念のため、室内機の真下の床あたりに雑巾などをたくさん準備しておきましょう。
次に、サクションポンプ(ホームセンターやネットショップなどで2000~3000円で購入可能)を室外機のドレンホースの先端に挿入します。
サクションポンプの使い方のポイントは、引っ張るときは素早く、押すときはゆっくり操作するか、サクションポンプを取外して押すことです。
というのも、速いスピードで押し込んでしまうとドレンホースにたくさんの空気が一気に吹き込まれてしまってたまっている水が逆流し、室内機から水が垂れてきてしまうことがあるからです。
ですので、サクションポンプを操作するときは、引っ張るときは素早く、押すときはゆっくり、または取外して行うことを意識して作業していきましょう。
レバー動作 | 動作 スピード | 理由 |
---|---|---|
引っ張る | 早く | 詰まりを勢いよく 吸い出すため |
押し込む | ゆっくり (または取外して) | 水が逆流して エアコンから漏れる のを防ぐため |
何度かサクションポンプを操作して詰まりが取れると、突然スルッと引っ張るのが楽になり、ドレンホースからサクションポンプを取り外すと汚れや水がドバーッと流れ出してきます。
このような状態になったらドレンホースの詰まりは取り除くことができたということになりますので、一度エアコンを冷房運転で動かしてみて水漏れが直ったかどうか確認してみてください。
エアコン起動から20~30分経過後、ドレンホースから水滴がポタポタ落ち始めることを確認することができれば、ドレンホースの掃除は修理完了です。
ドレンホース交換修理の方法
ドレンホースは室内機からおおよそ1m付近の部分で接続され(ビニールテープ固定)ているため、配管をグルグル巻きにしているビニールテープなどを取り外しますた後、その接続部分でドレンホースを切り離します。
新しいドレンホースをエアコン側に挿入し、ビニールテープで固定します。
室内側のドレンホースには結露防止の断熱材も忘れずに巻いておきす。
この断熱材を巻き忘れてしまうと、ドレンホースの外表面に結露が発生し、その水滴が垂れて別の水漏れの原因となってしまいます。
配管一式をビニールテープで仮止めし、その後幅の広いタイプのビニールテープで冷媒配管やドレンホース全体を隙間なく巻きつけていけばドレンホース交換は完了となります。
なお、幅広ビニールテープを使った配管巻きつけは配管の劣化防止のための作業ですので、配管カバーに納める場合は幅の狭いビニールテープで仮止めして配管カバーの中に収めるだけとなるのが一般的です。
ドレンホース詰まりが原因の場合の修理依頼先
ドレンホース詰まりが原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。
原因と修理方法 | 修理の依頼先 |
汚れによる詰まり →サクションポンプ修理 | ・メーカーサポート(保証修理可) ・購入元販売店(保証修理可) ・エアコン修理業社 ・エアコンクリーニング業社 (サクションポンプ修理のみ) |
ドレンホースの折れ捻れ →ドレンホース交換 | ・メーカーサポート(保証修理可) ・購入元販売店(保証修理可) ・エアコン修理業社 |
エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。
夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。
このような場合、エアコン修理業社やエアコンクリーニング業者に早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。
注意点としては、エアコンクリーニング業者はエアコン修理が専門ではありませんので、全ての水漏れに対応できるというわけではないという点です。
確実に修理してもらいたいという場合は、エアコン修理業者の方から優先して問い合わせをしていくのがベターです。
【原因②】ドレンパン出口部が詰まって吹出口から水が出てくる
エアコンには、室内機本体内部にあるアルミフィンで発生する結露水を受けるドレンパンというパーツ(上の写真)があり、このドレンパンからの結露水の排水経路(特にドレンパン出口部分)が何らかの原因で詰まってしまうと、エアコン室内機から水漏れが発生してしまいます。
ドレンパンとは、エアコン室内機のアルミフィンの下側に配置されている部品のことで、夏場の冷房運転やドライ運転時にアルミフィンに発生する露を受け止めています。
ドレンパンで受け止めた露はドレンホースに流れていき、最終的には室外に排出される仕組みになっています。
このドレンパンの出口部分(ドレンホースとつながる部分)は、外部から虫などが入ってこないようにするために穴の径が小さく、詰まりやすい構造になっています。
万が一、ドレンパンの出口部分が詰まってしまうと、行き場を失った水がドレンパンから溢れ出し、吹き出し口から水が垂れてきてしまうことになります。
ドレンパン詰まりが原因の場合の水漏れ症状
ドレンパン詰まりが原因の場合の水漏れ症状はドレンホース詰まりの場合とほとんど同じとなります。
項目 | 内容 |
水漏れ箇所 | ・吹き出し口やルーバー ・本体底面 ・壁面 |
水漏れ量 | ・本格的な詰まりの場合は多量 (1秒間に1~3滴程度) |
水漏れ頻度 | ・エアコン動作中は連続的に水が垂れてくる |
水漏れ 発生条件 | ・夏場 ・冷房、除湿(ドライ)運転時 ・設置から数年が経過後 |
水漏れ原因 特定方法 | ・ドレンホースから排水がない ・室内機ドレンパンに水が溜まっている ・エアコンの効きは良い |
ドレンパンが詰まってしまった場合の水漏れ症状は、エアコンの吹出口や本体底面などからエアコン動作中は連続的にポタポタと吹き出し口から水が垂れてくるのが特徴です。
水漏れ量としては完全にドレンパンが詰まってしまっているような場合だと、1秒間に1~3滴程度、垂れて落ちてくることもあります。
吹き出し口から水が垂れてきていて、エアコンの冷房やドライ運転中に室外の排水ホースから排水がない、室内機のドレンパンに水が溜まっているというような場合は、ドレンパンの詰まりを疑っていきましょう。
ドレンパン詰まりとドレンホース詰まりの見分け方
先ほどお話したとおり、エアコンの吹き出し口やルーバー、底面、壁面から大量の水が垂れてきた場合、その主な原因はドレンパンやドレンホースなどの排水経路の詰まりとなります。
ただし、ドレンパンとドレンホース、どちらが詰まっても同じようなところから水漏れが発生してしまう、排水経路のどこで詰まって水漏れしているのか判断がつきにくい場合があります。
このような場合、排水経路のどの部分で詰まりが発生しているのか特定していく必要があります。
具体的な方法としては、まずエアコン配管のカバーやビニールテープを取り外し、室内機から伸びているドレン配管と、ドレンホースの接続部が見えるようにします。
そして、このドレンホースの接続部を取り外し、室内機側からドレン水が正常に排水されているかどうかを確認していきます。
この時、エアコン室内機(写真右側)の方からちゃんとドレン水が排水されてきているのであれば、そこから先(写真左側)のドレンホースが詰まっているということになります。
逆に、エアコン室内機側からドレン水が排水されてこない場合、ドレンパンの詰まりが原因である可能性が高いと判断することができます。
この他に、室内機の本体カバーを取り外して、ドレンパン出口部分に異物がないか目視確認していく方法もあります。
機種によってはドレンの排出口を目視できないこともありますので、その場合はドレンパンを取り外すところまで分解して、ドレンパンにつまりがないか確認していく必要がある場合もあります。
このようにエアコンを分解してつまり箇所を目視し、排水経路のどの部分で詰まりが発生しているか原因の特定をしていくことになります。
ドレンパン詰まりの2つの原因
ドレンパン詰まりの主な原因は以下の2つとなります。
エアコン内部の汚れが流路を塞いでしまう
ドレンパンはアルミフィンで発生した水分やホコリなどの栄養分が流れ込んでくる場所となっています。
特に夏場のエアコン停止後などは、ドレンパンの上には水分と養分、そして高温でジメジメした環境となってしまっているため、カビや微生物が大量発生しやすい環境となってしまっています。
そういったスライム状の汚れがドレンパン出口部を塞いでしまって水が溢れてくることがあります。
このようにドレンパン詰まりは設置されてから10年以上経過したエアコンで発生することが多くなっています。
また、少し前にもお話しましたが、最近ではエアコン洗浄スプレーなどで落とされた汚れがドレンパン出口部につっかえてしまって穴を塞いでしまうケースも多々見受けられるようになってきました。
エアコン洗浄スプレーによるDIY掃除はなるべく避け、専用の機械を使って大量の水ですすぎができるプロのエアコンクリーニングしてもらうことをおすすめします。
室内機側から侵入した害虫が流路を塞いでしまう
稀なケースになりますが、室内機側からゴキブリなどの害虫が本体内部に侵入し、ドレンパンの上で死んでしまい、出口部分で詰まってしまうということもあります。
このようなケースの場合、エアコン取付から1~2年でもドレンパン詰まりによる水漏れが発生してしまうことになります。
ドレンパン詰まりの修理方法
ドレンパンの詰まりがエアコンから水がたれてくる原因であることが分かった場合、次は水漏れ修理に取り掛かっていきます。
ドレンパン詰まりの具体的な修理方法は、排水経路のつまり箇所によって3種類に分かれています。
- ちょっとした詰まりの場合 → サクションポンプによる吸引修理
- ドレンパン出口部の詰まり → 針金などによる詰まり除去
- ドレンパンに汚れがかなり蓄積している場合 → ドレンパンの分解掃除
運が良ければ1や2の簡単な作業で詰まりを解消することができるのですが、運が悪ければエアコンを本格的に分解してパーツ洗浄していく必要が出てきます。
サクションポンプによる吸引修理はドレンホースの修理方法と同じですので、以下では針金による詰まり除去とドレンパンの分解掃除について解説していきます。
針金で突っついて異物を取り除く方法
ドレンパンの出口部分で詰まっている異物は、針金やストローなどを使って、突いたり、空気を吹き込んだりして詰まりを取り除くことができる場合があります。
ただし、この方法は本体カバーを外して行う必要があるため、素人では難しいですので参考程度にご覧ください。
まず、エアコンの電源プラグを抜き、エアコンの本体カバーを外していきます。
このエアコンの場合、ドレンホースはエアコンの左下辺り(赤丸で囲まれているところ)でドレンパンに接続されています。
下の図で矢印のところにドレンホース接続部となるので、下図ドレンパンの赤丸の部分あたりから針金を差し込んで詰まっているものを突いて取っていきます。
針金を排水口の奥に突っ込んだりしていて、ドレンパンに溜まった水がさーっと流れ出したらつまりが取れたサインです。
もし、針金でつまりが取れなかった場合は、ストローでフゥーッと息を吹き込んでやると詰まりが取れることもあります。
ドレンパンの分解掃除で詰まりを取り除く方法
サクションポンプや針金でドレンパンのつまりを解消できなかった場合、エアコンを分解してドレンパンに詰まっている汚れを取り除く必要があります。
上記のようにドレンパンをずらした状態で洗浄する場合もありますし、下記のようにドレンパンを完全に取り外して洗浄するケースがあります。
この方法もエアコンを分解する必要がありますので、素人の人には難しいですので、参考程度に御覧ください。
まず、エアコンの電源プラグを抜き、エアコンの本体カバーを取外していきます。
次に、周辺のパーツを一つ一つ丁寧に取外していきます。
周辺のパーツが外れたら、次はドレンパンを固定しているネジを緩めてドレンパンを外します。
これらのネジを外すことができれば、ドレンパンを外すことができます。
上記のように完全にドレンパンを外した状態で清掃する場合もありますが、ドレンパンをずらした状態で詰まりを除去できることもあります。
これはケースバイケースで判断していくしかありません。
ドレンパンの具体的な洗浄方法としては、ドレンパンに塩素系の洗剤を吹きかけ、その後、アルカリ系の洗剤で出口部に詰まったドロッとしたスライム状の汚れを溶かしながら取り除いていきます。
ドレンパンを取り外して掃除する場合は、お風呂場などをお借りしてそこでパーツをきれいにしていくことが多いです。
このドレンパン部のスライム汚れは洗浄力の弱いエコ洗剤では全く歯が立たちませんが、塩素系や強アルカリの洗剤つかうことで、ドレンパンにこびりついたカビ汚れまできれいに落とすことができます。
エアコン掃除の洗剤はエコ洗剤と強アルカリ系洗剤を汚れの状況に応じて使い分けていくのがポイントとなります。
サクションポンプや針金などによる簡易的な水漏れ修理ではなく、こうやってドレンパンを取外してしっかりと洗浄しておけば、今後の水漏れ故障を未然に防ぐことができます。
ドレンパン詰まりが原因の場合の修理依頼先
ドレンパン詰まりが原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。
原因と修理方法 | 修理の依頼先 |
ドレンパン詰まり →ドレンパンの分解洗浄 | ・メーカーサポート(保証修理可) ・購入元販売店(保証修理可) ・エアコン修理業社 |
エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。
夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。
このような場合、エアコン修理業社にも早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。
【原因③】排水パーツが壊れて吹出口から水が落ちてくる
エアコン内部にはアルミフィン熱交換器で発生する露を屋外に排出するために、ドレンパンやドレンホースなどの排水パーツが取り付けられています。
アルミフィンで発生した露はドレンパン(ドレン皿)で受け止められ、ドレンホースを通って室外に排出されていきます。
何らかの原因で、排水パーツが破損してしまったり、部品同士の接続部が緩んでしまったりした場合、エアコンの吹出口から水が垂れてしまうことになります。
排水パーツの破損が原因の場合の水漏れ症状
排水パーツ破損の場合の水漏れ症状は以下の通りとなります。
項目 | 内容 |
水漏れ箇所 | ・吹き出し口やルーバー ・本体底面 ・壁面 |
水漏れ量 | ・本格的な破損の場合は多量 (1秒間に1~3滴程度) |
水漏れ頻度 | ・エアコン動作中は連続的に水が垂れてくる |
水漏れ 発生条件 | ・夏場 ・冷房、除湿(ドライ)運転時 ・エアコン分解組立直後など |
水漏れ原因 特定方法 | ・ドレンホースから排水がない ・室内機ドレンパンに水は溜まらない ・エアコンの効きは良い |
排水系のパーツが破損してしまった場合、エアコンの吹出口や本体底面などからエアコン動作中は連続的にポタポタと吹き出し口あたりから水が漏れてくるのが特徴です。
水漏れ量としては完全にパーツが破損してしまっている場合だと、1秒間に1~3滴程度、垂れて落ちてくることもあります。
ここまではドレンホースやドレンパンの詰まりが原因の場合と同じなのですが、排水系パーツ破損の場合は室内機ドレンパンの中に水はたまりません。
エアコンの前面パネルを開けてフィルターを取外し、ペンライトなどでアルミフィンの下を照らしてみるとドレンパンが見えますので、そこに水が溜まっているかどうか確認してみましょう。
室内機から比較的多量の水漏れが発生しているけれども、室内機のドレンパンに水が溜まっていないというような場合は、排水系パーツの破損となります。
特に、エアコン室内機の分解クリーニング直後などに吹き出し口あたりから水が出てくるようになったというような場合は、こういった原因を疑っていきましょう。
排水パーツ破損の2つの原因
排水系パーツ破損の主な原因は以下の2つとなります。
分解組立時にドレンパンが割れてしまう
ドレンパンの割れはエアコンクリーニングの分解洗浄でドレンパンを取外したりする際に発生することがあります。
特に、製造から10年以上経過したエアコンの場合、樹脂パーツが劣化して脆くなってしまっていることがあるため、施工ミスがなくてもパーツが破損してしまうケースもあります。
また、ドレンパンが前後分割式になっている場合もあり、組み立て不良でパーツの組み合わせ部分から水が垂れてくることもあります。
エアコンクリーニング業者の多くは、このようなドレンパン破損を避けるため、ドレンパンを分解して洗浄するのではなく、強めのアルカリ系洗剤などで汚れを溶かして汚れを落とす方法を採用しています。
本当に稀なケースとして、何もしていないのに経年劣化で樹脂パーツが割れてしまうこともあったりしますが、そういった事は殆どありませんので、何らかの力が加わって割れてしまうのがほとんどです。
ドレンホース接続部が緩んでしまう
エアコン本体裏側には、製造時から取り付けられているドレンホースがドレンパンに接続されている部分があります。
エアコンの配管を右出しにするか、左出しにするかによって、この接続部を付け替えたりできるような構造になっているのですが、この接続部分が緩んで水が垂れてきていることがありました。
この部分から水が漏れてくるのは本当に滅多に無いケースとなりますので、参考程度にしておいてください。
ドレンパンの交換修理方法
ドレンパンの交換修理は、エアコンを分解してドレンパンを取外し、新しいドレンパンを取り付けていくという作業手順となります。
この方法はエアコンを分解する必要がありますので、素人の人には難しいですので、参考程度に御覧ください。
まず、エアコンの電源プラグを抜き、エアコンの本体カバーを取外していきます。
次に、周辺のパーツを一つ一つ丁寧に取外していきます。
周辺のパーツが外れたら、次はドレンパンを固定しているネジを緩めてドレンパンを外します。
これらのネジを外すことができれば、ドレンパンを外すことができます。
後は、送風ファンや電装部品を取外していけば、ドレンパンを取り出すことができます。
新しいドレンパンを取り付け、逆の手順でエアコンを組み立てていけば修理完了です。
排水パーツ破損が原因の場合の修理依頼先
排水パーツ破損が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。
原因と修理方法 | 修理の依頼先 |
排水パーツ破損 →部品の交換修理 | ・メーカーサポート(保証修理可) ・購入元販売店(保証修理可) ・エアコン修理業社 |
エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。
夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。
このような場合、エアコン修理業社にも早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。
【原因④】冷媒ガス漏れで吹出口から水が垂れてくる
ルームエアコンの配管内にはおおよそ1kg前後の冷媒ガスが封入されています。
何らかの理由でこの冷媒ガスが漏れて少なくなってしまった場合、室内機内部配管などの異常冷却によって予期していないところに結露が発生し、その結露水が吹き出し口から垂れてくることがあります。
冷媒ガス漏れによる水漏れのメカニズム
エアコンは部屋の中にある熱を室内機で冷媒の中に取り込み、冷媒を使って室外機まで運んで室外機で熱を吐き出すという仕組みで動作しています。(冷房運転時)
通常の冷房運転時に発生するアルミフィンなどに付着する結露水はドレンパンなどで回収され、ドレンホースを通じで室外に排出される仕組みになっています。
ですが、冷媒ガス漏れによって室内機本体内部の本来結露が発生しないような箇所に発生してしまった水滴については、ドレンパンでキャッチすることができないため、吹出口の辺りから漏れてきてしまうことになります。
冷媒ガス漏れが原因の場合の水漏れ症状
冷媒ガス漏れの場合の水漏れ症状は以下の通りとなります。
項目 | 内容 |
水漏れ箇所 | ・吹き出し口やルーバー ・ほとんどの水滴は真下に落ちる |
水漏れ量 | ・多くても2~3秒間に1滴程度 |
水漏れ頻度 | ・エアコン動作中は連続的に水が垂れてくる |
水漏れ 発生条件 | ・夏場 ・冷房、除湿(ドライ)運転時 |
水漏れ原因 特定方法 | ・室外機の配管に霜がついている ・最近冷えが悪くなってきていた (室内機の吸込吐出空気の温度差8℃以下) ・ドレンホースからの排水はある ・室内機ドレンパンに水は溜まらない |
水漏れの原因が冷媒ガス漏れの場合、エアコンの吹出口やルーバー辺りから水がポタッ・・・、ポタッ・・・と落ちてくるのが一般的です。
水漏れ量としては排水経路異常(ドレンホースやドレンパンの詰まりなど)のときよりも少なく、多くても2~3秒に1~3滴程度といった感じになります。
ガス漏れの場合、室外機の配管(細い方)が氷点下以下まで温度が下がるため、霜が発生して真っ白くなってしまうのが特徴です。
通常の場合、この配管に液体の露がつくことはありますが、凍って白くなることはまずありません。
この他に、エアコンの冷媒ガスが漏れると、エアコンの効きが悪くなってきます。
エアコンから水が落ちてきた少し前ぐらいから最近エアコンの効きが悪くなってきたなぁと感じていたのであれば、ガス漏れが原因の水漏れである可能性が高まります。
冷媒ガス漏れ有無の判断方法
ガス漏れの有無を判定する方法としては、業社の場合はゲージマニホールドという圧力計を使ってガス圧を測定していきますが、専用の測定器具が必要ですし、圧力の高いガスの取り扱いには危険が伴います。
素人の場合はエアコン室内機の吸込空気温度(室内機上部の温度)と吹出空気温度(室内機の吹出口から吐き出される風の温度)の差が正常範囲にあるかどうかでガス漏れの簡易確認が可能ですので、そちらの方法を試してみるといいでしょう。
正常運転時の吹出口と吸込口の温度差
- 冷房運転時;8~13℃が正常
- 暖房運転時;16~23℃が正常
具体的には、冷房運転時の室内機の吸込と吹出温度差が8℃以下しかないような場合はエアコンガスが漏れている可能性が高いと考えていいでしょう。
具体的な温度測定方法としては、写真左側ような温度計(ホームセンターで2000円ぐらいで購入できる、本体部とセンサー部の2箇所で温度を測定可能)を使ったり、写真右側のよう非接触タイプの温度計(約2000円)を使って測定するのがいいでしょう。
このようにエアコンの吸込温度と吹出温度を測定し、その温度差が小さければエアコンの冷媒漏れが原因だと判断していくことができます。
冷媒ガス漏れの2つの原因
冷媒ガス漏れは2つの原因が考えられます。
フレア接続部からの冷媒漏れ
エアコンガス漏れの原因の多くは配管接続部からの冷媒漏れとなります。
家庭用のエアコンはフレア加工を施した銅管をフレアナットで締め付けながら圧着接続する方式を採用しています。
この接続方法は、フレア加工した銅管をフレアナットで締め付けて変形させながら圧着させるため、基本的には冷媒漏れが発生しにくい構造になっています。
ただ、完全完璧にガスがもれない構造ではないため、稀に施工不良や中古品購入、引っ越しなどでの配管の使い回し(フレア加工部の再使用)、配管を接続したままエアコンを動かしたなどが原因で、接続不良を起こして冷媒が漏れてしまうことがあります。
家庭用エアコン場合、冷媒漏れを起こしやすい冷媒配管の接続部は室内機側と室外機側の2箇所となります。
室内機側の配管接続部
室外機側の配管接続部
その他配管パーツからの冷媒漏れ
稀に海岸地域(塩分が多い)や温泉地(硫黄が多い)、下水配管に直接ドレンホースを取り付けている(アンモニアなどが多い)ような場合、銅配管の腐食により穴が空いてしまい、そこから冷媒ガスが漏れていることもあります。
また、初期不良などが原因で熱交換器や電磁弁、コンプレッサーなどの部品から冷媒漏れが発生することもあったりします。
ただし、フレア継手部分からの冷媒漏れよりは圧倒的に事例数は少ないですので、まずは継手部分からの冷媒漏れを疑っていくのが一般的です。
ガス漏れ箇所の特定方法
一般的にエアコンのガス漏れを起こしやすいのは配管接続部なので、そこから冷媒が漏れていないかを確認していくことになります。
洗剤をかけてガス漏れを目視チェックする
ガス漏れを確認する一番簡単な方法は、配管の接続部に水で薄めた中性洗剤をたっぷりかけて、接続部からプクプク泡が出てこないか確認する方法です。
こんな感じで継ぎ手のところに薄めた洗剤をかけてやると、冷媒漏れを起こしている場合、「プクッ、プクッ・・・」という感じで小さな泡が継ぎ手の隙間から出てきます。
古典的な方法ですが、かなりの確率で冷媒漏れを見つけることができます。
ただし、冷媒漏れの量が多すぎる場合、勢いが強くて泡にならないケースもありますし、完全に配管内のガスが抜けきってしまっている場合、冷媒が漏れていないので泡も出てこないという事もあります。
エアコンがちょっとでも効いている間はこの方法で対応できると思いますので、一度試してみるといいと思います。
なお、洗剤の他に「ガス漏れ検知剤」などとネットで検索すれば、ギュッポフレックスなどのガス漏れチェック専用スプレーを購入することも可能ですので、ご参考まで。
冷媒ガス漏れ検知器で確認する
次に紹介する方法は、冷媒ガス漏れ検知器という道具を使ってガス漏れ箇所を特定する方法です。
先程の洗剤を使った目視確認をするためには、銅配管を露出させなければリークチェックできませんでした。
ですがが、冷媒ガス漏れ検知器を使えば、配管カバーに小さな穴を開け、そこに検知器の先端を挿入するだけで、ガス漏れがあるかどうか(ガス漏れが合った場合、”ビー”という音が鳴る、ランプが光る)を確認することができます。
また、ガス漏れ検知器は微量なガス漏れまで検知することが可能(年に数gのガス漏れまで検知可能、エアコンには数百gの冷媒が入っている)となっていますので、取り付けてから数年後にガス漏れ症状が出たというレベルのガス漏れでも検知していく事が可能となっています。
ネットなどで数千円で購入できますので、興味のある人は実験的に購入してみてもいいのではないでしょうか。
蛍光リークチェッカー
その他のガス漏れチェック方法としては、エアコンの冷媒配管内にリークチェッカーと呼ばれる紫外線などに反応して光る物質を入れ、配管の外側から紫外線ライトを当てながら、漏れ出したところを見つけるという方法もあります。
ただし、この方法は配管内に蛍光材を注入する必要がありますし、目視確認するために紫外線ライトを使う必要もあります。
自動車のエアコンのガス漏れチェックなどでは使われたりすることもありますが、家庭用のエアコンではあまり使われていない方法となります。
冷媒ガス漏れの修理方法
冷媒ガス漏れの場合の修理方法としては、まず、先ほどお話したガス漏れ箇所を特定した後、フレアの再加工などを行ってガス漏れ箇所を修理します。
その後、配管を再接続して真空引きし、その後冷媒ガスをチャージしていくという流れになります。
水漏れにつながるようなガス漏れは配管継手辺りからのスローリーク(少しづつガス漏れする状態)であることがほとんどのため、当日その場で修復可能なケースが多いです。
ガス漏れが原因の場合の修理依頼先
ガス漏れが原因で水がたれてきている場合の修理依頼先は、以下の通りとなります。
原因と修理方法 | 修理の依頼先 |
冷媒ガス漏れ →ガスチャージ | ・メーカーサポート(保証修理可) ・購入元販売店(保証修理可) ・エアコン修理業社 |
エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。
夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。
このような場合、エアコン修理業社にも早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。
【原因⑤】フィルターやエアコン内部が汚れて吹出口から水が飛んでくる
エアコン室内機の本体カバーを外して見ると、エアコンはたくさんの部品で構成されていることがわかります。
特にエアコンフィルターやアルミフィン熱交換器などの部品がホコリやカビなどで汚れてしまった場合、エアコン吹出口から水が飛んでくることがあります。
エアコン内部の汚れが原因の水漏れメカニズム
エアコンの室内機は、冷房運転の際、部屋の熱い空気を冷えた熱交換器に送り込んで冷やし、冷やされた空気を吹出口から吐き出すという仕組みで動いています。
この際、冷えたアルミフィン熱交換の表面にはたくさんの結露水が発生し、それがドレンパンに流れ落ち、その後ドレンホースを通って室外に排出されています。
エアコン掃除をせずに何年もそのままで使っているようなエアコンの場合、アルミフィン熱交換器にはたくさんのホコリや汚れが付着してしまっています。
この部分が汚れてしまうと、結露水がきれいに下に流れていかずにその場(アルミフィンの間)に留まってしまい、アルミフィンの隙間という隙間がどんどん水で塞がってしまいます。
ただ、このアルミフィンの隙間は送風ファンによって吸い込まれた空気も流れているため、フィンとフィンの間に水が溜まりすぎてしまった場合、水がそこを流れる風に乗ってエアコンの送風ファン側に飛び出してきてしまうことがあります。
水が送風ファンに吸い込まれた場合、回転している送風ファンについた水が勢いよく噴き出し口から前に向かって飛び出して来たり、吹出口の奥の壁面に付いた水滴が吹き出し口から垂れてきたります。
内部汚れが原因の場合の水漏れ症状
エアコン内部の汚れが原因の場合の水漏れ症状は以下の通りとなります。
項目 | 内容 |
水漏れ箇所 | ・吹き出し口やルーバー ・水滴が前に飛び出してくるケースが多い |
水漏れ量 | ・少量 |
水漏れ頻度 | ・たまにピッ、ピッ・・・っと飛んでくる程度 |
水漏れ 発生条件 | ・夏場 ・冷房、除湿(ドライ)運転時 ・エアコン設置から数年経過後 |
水漏れ原因 特定方法 | ・室内機内部がかなり汚れている ・最近風量が弱くなってきていた (汚れがひどい場合) ・ガス漏れの傾向はない (ガス圧測定) ・ドレンホースからの排水はある ・室内機ドレンパンに水は溜まらない |
水漏れの原因が内部の汚れの場合、エアコンの吹出口から水滴がピッ、ピッ・・・と飛んでくるのが特徴です。
水漏れ量としてはかなり少なめで、たまに水滴が飛んできて驚いてしまう程度となります。
内部汚れが原因の場合の水漏れ修理方法
エアコン内部の汚れが水漏れの原因であると考えられる場合、まずはじめにエアコンフィルターを掃除して水漏れが収まらないか様子を見てください。
このフィルター掃除だけで水漏れが収まってしまうこともあります。
フィルター掃除をしても水漏れが収まらない場合は、本体カバーを外し、専用の洗浄機を使ってクリーニングする必要があります。
素人には修理は難しい作業となりますので、参考程度にご覧ください。
まず、コンセントを抜き、前面パネル、ルーバー、本体カバーの順でエアコンを分解していきます。
電装部品に水がかからないようにしっかりと養生し、その後エアコン洗浄カバーを取り付けていきます。
ここから専用の洗浄ポンプを使って、アルミフィン熱交換器や送風ファンなどをきれいにクリーニングしていきます。
内部の汚れが原因の場合の修理依頼先
内部の汚れが原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。
原因と修理方法 | 修理の依頼先 |
内部汚れが原因 →エアコンクリーニング | ・メーカーサポート(保証修理可) ・購入元販売店(保証修理可) ・エアコン修理業社 ・エアコンクリーニング業社 |
エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的ですが、内部の汚れが原因の場合はエアコンクリーニング業社にも水漏れ修理を依頼することが可能です。
夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。
このような場合、エアコン修理業社やエアコンクリーニング業者にも早く修理をしてもらうことができないか合わせをしていくのがいいでしょう。
注意点としては、エアコンクリーニング業者はエアコン修理が専門ではありませんので、全ての水漏れに対応できるというわけではないという点です。
確実に修理してもらいたいという場合は、エアコン修理業者の方から優先して問い合わせをしていくのがベターです。
【原因⑥】排水経路が逆勾配になっていて吹出口から水が漏れてくる
エアコンには、室内機本体内部で発生する結露水を室外に排出するための排水経路があります。
エアコン本体が水平に取り付けられていない場合や、配管が逆勾配になってしまっているような場合、吹出口から水が漏れてくることがあります。
逆勾配が原因の水漏れメカニズム
エアコンの室内機は、冷房運転時、部屋の熱い空気を冷えた熱交換器に送り込んで冷やし、冷やされた空気を吹出口から吐き出すという仕組みで動いています。
この際、冷えたアルミフィン熱交換の表面にはたくさんの結露水が発生し、それがドレンパンに流れ落ち、その後ドレンホースを通って室外に排出されています。
ドレンパン(赤で囲った部分)は単純に上にあるアルミフィンから落ちてくる水を受け止めるだけの構造になっていて、通常、右側にあるドレンホース接続口に流れていきます。
このドレンパンの水を受ける部分は水平で傾斜がついているわけではないため、ドレンパンに置いた水が溜まってくると自然に横向かって流れていくというイメージです。
エアコン本体が水平ではなく右上がりに取り付けられていたような場合、ドレンパンの水は左側に流れていってしまうことになり、ドレンパンから溢れ出し、吹出口から水が漏れてきます。
この他に、エアコン室内機に繋がっているドレンホースの勾配について、どの部分においても上から下に向かって水が流れるように施工する必要があります。
稀に壁貫通部の穴が室内から室外に向かって上向きになってしまっていたり、配管の取り回しで逆勾配にされてしまっているケースがあります。
ドレン配管が逆勾配になってしまうと、水が流れていかなくなるため、室内機で発生した結露水がうまく室外に排出されなくなり、吹き出し口辺りから水が垂れる原因となります。
「少々の逆勾配なら水は流れていくので問題ないのでは?」と思う方がいるかも知れませんが、逆勾配部分には汚れも溜まりやすくなるため、ほんのちょっとの逆勾配でも水が垂れてきてしまうことがありますので、注意して逆勾配部がないか観察する必要があります。
逆勾配が原因の場合の水漏れ症状
逆勾配が原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。
項目 | 内容 |
水漏れ箇所 | ・吹き出し口やルーバー ・本体底面 ・壁面 |
水漏れ量 | ・少なめ (十数秒に1滴程度) |
水漏れ頻度 | ・エアコン動作中は連続的に水が垂れる |
水漏れ 発生条件 | ・夏場 ・冷房、除湿(ドライ)運転時 |
水漏れ原因 特定方法 | ・室内機の傾きが傾いている ・ドレン配管に逆勾配箇所がある ・室内機ドレンパンに水が溜まっている ・ドレンホースから排水はされている ・エアコンの効きは良い |
逆勾配が原因の場合、エアコンの吹出口や本体底面などからエアコン動作中は連続的にポタポタと水が垂れてくるのが特徴です。
水漏れ量としては逆勾配がきつい状態だと、1秒間に1~3滴程度、垂れて落ちてくることもあります。
室内機からの水漏れが発生していて、エアコンの冷房やドライ運転中に室外の排水ホースから排水がない、室内機のドレンパンに水が溜まっているというような場合は、排水経路の逆勾配を疑っていきましょう。
逆勾配が原因の場合の水漏れ修理方法
排水経路の逆勾配が水漏れの原因である場合、エアコン本体は水平に、ドレン配管は順勾配(水が流れる傾き)となるよう施工し直す必要があります。
パット見た感じエアコンは水平に取り付けられているように見えても、水平器で傾きをチェックしてみるとエアコンが傾いてしまっていたりすることもあります。
これは建物そのものが傾いてしまっていてるような稀なケースとなりますが、思い込みは捨てて水平器などの計測器を使ってエアコン本体は水平に、配管は順勾配になるよう設置していくことが重要です。
逆勾配が原因の場合の修理依頼先
排水経路の逆勾配が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。
原因と修理方法 | 修理の依頼先 |
エアコン本体の傾き ドレン配管の逆勾配 →再施工 | ・メーカーサポート(保証修理可) ・購入元販売店(保証修理可) ・エアコン修理業社 |
エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。
エアコン取付直後から水漏れしているような場合は、エアコンを取り付けた業社の保証サービス内で無料修理してもらうことができるでしょう。
【原因⑦】本体不良で吹き出し口から水が垂れてくる
エアコン内部で発生している結露水は通常、ドレンホースを通って室外に排出される仕組みになっていますが、ごく稀にエアコン本体の設計ミスや組み立て不良などが原因で、吹き出し口から水が垂れてくることがあります。
本体不良が原因の水漏れメカニズム
エアコンの室内機は、冷房運転時、部屋の熱い空気を冷えた熱交換器に送り込んで冷やし、冷やされた空気を吹出口から吐き出すという仕組みで動いています。
この際、冷えたアルミフィン熱交換の表面にはたくさんの結露水が発生し、それがドレンパンに流れ落ち、その後ドレンホースを通って室外に排出されています。
通常、アルミフィンや配管などに付いた結露は上記のようにうまくドレンパンに落ちていくのですが、2010~2015年頃の一部メーカー品において結露水がドレンパンに外の部分に垂れてしまい、室内機吹出口右側辺りからの水漏れ故障が発生していました。
このように、エアコン本体の不良が原因で吹き出し口から水が垂れてくることが稀にあります。
本体不良が原因の場合の水漏れ症状
本体不良が原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。
項目 | 内容 |
水漏れ箇所 | ・吹き出し口やルーバー ・本体底面 ・壁面 |
水漏れ量 | ・少なめ (十数秒に1滴程度) |
水漏れ頻度 | ・エアコン動作中は連続的に水漏れ |
水漏れ 発生条件 | ・夏場 ・冷房、除湿(ドライ)運転時 |
水漏れ原因 特定方法 | ・水漏れ原因が簡単には特定できない ・室内機ドレンパンに水が溜まっていない ・ドレンホースから排水はされている ・エアコンの効きは良い |
エアコン本体の不良が原因である場合、何が原因で水がたれてくるのかが分かりにくく、簡単には水漏れ原因を特定できないのが特徴です。
エアコン修理業社は長年のノウハウがあるため、どのメーカーのどの年代の機種に不具合が多いかという情報を把握していますので、そういったことも考慮しながら水漏れ原因を探していく必要があります。
吹出口から水が垂れてくる原因がなかなか特定できないという場合は、このようなエアコン本体不良も疑っていきましょう。
本体不良が原因の場合の水漏れ修理方法
本体不良が水漏れの原因であると考えられる場合、対策部品を取り付けて修理することがほとんどとなります。
先ほど紹介した2010~2015年頃に発生したエアコン吹出口右側からの水漏れの場合、対策部品(数百円)をエアコン内部に取り付けて対処する事になっています。
本体不良が原因の場合の修理依頼先
本体不良が原因で水が垂れてきている場合の修理依頼先は、以下の通りとなります。
原因と修理方法 | 修理の依頼先 |
本体不良 →対策部品の取り付け | ・メーカーサポート(保証修理可) ・購入元販売店(保証修理可) ・エアコン修理業社 |
エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。
ただし、先ほど紹介した対策部品まで出ているような本体不良の場合、保証期間が過ぎていたとしてもメーカー側が修理費用を負担してくれるケースもありますので、一度、メーカーサポートの方に問い合せてみることをおすすめします。
【原因⑧】外気の逆流(高気密住宅)で吹き出し口から水が漏れてくる
最近少しづつ増えてきたのが、高気密住宅で発生するドレンホース内を外気が逆流することが原因で吹き出し口から水が垂れてくるという現象です。
外気の逆流が原因の水漏れメカニズム
エアコンの室内機は、冷房運転時、部屋の熱い空気を冷えた熱交換器に送り込んで冷やし、冷やされた空気を吹出口から吐き出すという仕組みで動いています。
この際、冷えたアルミフィン熱交換の表面にはたくさんの結露水が発生し、それがドレンパンに流れ落ち、その後ドレンホースを通って室外に排出されています。
通常であれば上記のような流れで結露水が室外に排出されていくのですが、最近増えてきている高気密住宅で、窓を締め切った状態で換気扇を回したり、強風などでドレンホース側に正圧が発生したりすると、ドレンホースからエアコンに外気が逆流してしまうことがあります。
通常、外気の逆流が起こっただけだと「ポコ、ポコ、ポコ・・・」という音がエアコンから聞こえてくるだけで室内機から水漏れが発生することはあまりありません。
ただし、もともとドレンパンが汚れ気味で水の排水がうまくいっていなかったような場合、この逆流する外気がドレン排水の流れをさらに邪魔してしまい、水漏れを引き起こしてしまうことがあります。
外気の逆流が原因の場合の水漏れ症状
外気の逆流が原因の場合の水漏れ症状は以下の通りです。
項目 | 内容 |
水漏れ箇所 | ・吹き出し口やルーバー ・本体底面 ・壁面 |
水漏れ量 | ・比較的多量 (1秒間に1~3滴程度) |
水漏れ頻度 | ・水漏れする時としない時がある |
水漏れ 発生条件 | ・夏場 ・冷房、除湿(ドライ)運転時 ・窓を締め切って換気扇を回した時のみ |
水漏れ原因 特定方法 | ・高気密住宅に設置されている ・窓を締め切った時や強風の時のみ発生 ・エアコンからポコポコ音が聞こえる ・ドレンホースから排水はある ・水漏れ時は室内機ドレンパンに水が溜まっている |
外気の逆流が原因の場合、窓を締め切った時だけエアコンの吹き出し口や本体底面などから水が垂れてくるのが特徴です。
水漏れ量は多めで、1秒間に1~3滴程度、垂れて落ちてくることもあります。
高気密住宅で窓を締め切ったときにだけポコポコと音を立てながら水が垂れてくるような場合は、外気の逆流を疑っていきましょう。
外気の逆流が原因の場合の水漏れ修理方法
ドレンホース内の外気の逆流が水漏れの原因である場合、換気扇などをつける際に窓を開けるなどをすれば水漏れが収まります。
この他に、エアカットバルブ(おとめちゃんなど)をドレンホースに取り付けることで水漏れが解消されることがあります。
ただし、外気の逆流だけが原因で室内機からの水漏れが発生することはありませんので、ドレンパンの汚れや配管の逆勾配、エアコンの傾きなど、なにか別の要因も絡んでいることが多いのが実際です。
このエアカットバルブの設置はあくまでも応急処置という形になることに注意が必要です。
外気の逆流が原因の場合の修理依頼先
外気の逆流が原因の場合の水漏れ修理の依頼先は、以下の通りとなります。
原因と修理方法 | 修理の依頼先 |
外気の逆流が原因 →エアカットバルブの追加 | ・メーカーサポート(保証修理可) ・購入元販売店(保証修理可) ・エアコン修理業社 |
エアコンの修理はメーカーサポートや購入元販売店、エアコン修理業社に依頼していくのが一般的です。
夏場はメーカーサポートや購入元販売店(メーカーサポートのサービスマンが派遣される)に修理依頼をしても、保証修理の対応をしなければならないこともあり、なかなか予約が取れない状況になっています。
このような場合、エアコン修理業社にも早く修理をしてもらうことができないか問い合わせをしていくのがいいでしょう。
故障ではないフラッパーから水が垂れてくるケース
冷房運転時、エアコンから吹き出す風を下向きにし続けると、フラッパーが冷えて結露し、その水が下に流れて垂れてくることがあります。
通常、エアコンの冷房運転時はフラッパーは上向き(冷風が真横に吹き出す向き)に調節されるようになっています。
ですが、手動でフラッパーの向きを下向きに変えた状態で冷房運転を続けてしまうと、冷風がフラッパーに直接当たり、冷風で冷やされたフラッパに結露水が発生することがあります。
部屋の湿度がかなり高い場合、そのフラッパーに付いた結露水が垂れてくることがあります。
この場合、特にエアコンが故障しているわけではないため、フラッパーを上向きにすれば水漏れ症状が収まりますので、一度確認してみてください。
吹き出し口から水が出てきた場合の応急処置手順
突然エアコンの吹き出し口から水が出てきた場合、驚いて混乱してしまうことと思います。
ただ、漏れた水をそのままにしてしまうと床や壁、家具などを痛めてしまうこともありますので、まずは一旦落ち着いて、下記の手順で水漏れに対処していきましょう。
エアコンをOFFにする
エアコンの水漏れが発生したらまずは一旦エアコンの電源をリモコンでOFFにします。
エアコンの運転が止まればこれ以上、エアコンの吹き出し口から水が出てくることがなくなりますので、水漏れの被害を最小限に抑えることができます。
エアコンの電源コードを抜き取る
エアコンの電源コードがコンセントに差さったままだと、水漏れの対処中に感電してしまう可能性があります。
電源コードの周りが水で濡れていないことを確認し、電源コードを抜き取っておきましょう。
ただし、電源コードやコンセントの周りも水で濡れてしまっている場合は感電する恐れがありますので、絶対にコンセントには触れないようにしてください。
この場合は、分電盤の中にあるエアコンコンセントに繋がるブレーカーを落としてエアコンに流れる電気を遮断していきます。
ルームエアコンの場合、電源は室内機側のコンセントのみとなっていますので、ここまで作業ができたらエアコンに電気は流れていないことになります。
エアコンの下に置かれているものを移動する
水漏れを起こしているエアコンや本体に繋がっている配管の中にはまだたくさんの水が溜まっている可能性があります。
エアコンを停止させて一旦は水漏れが収まっても何らかの拍子で溜まっている水が漏れてくる可能性がありますので、エアコンの水漏れ修理が完全に終わるまでは配管の下に置かれている家具家電を別の場所に移動させておきましょう。
垂れてきた水を拭き取る
バケツや雑巾を準備して、床や壁などに落ちた水を拭き取ります。
また、エアコンが完全に停止してしばらくの間(5~10分程度)は水が漏れてくる可能性がありますので、その場を離れないようにしましょう。
特に壁や床は濡れたままにしておくと傷んで修理が必用になることもありますので、水気をしっかりと拭き取っておいてください。
なお、エアコン本体についている水滴については、感電の危険がありますので、エアコンのコンセントを抜くことができている、またはエアコンコンセントのブレーカーを切る事ができている場合以外は、拭き取らないでそのままにして業社の人に処理してもらいましょう。
管理会社や大家さんに連絡する(賃貸住宅の場合のみ)
一通りの応急処置が終わったら、次はエアコン水漏れの修理依頼をしていく必要があります。
持ち家のエアコンが壊れた場合の修理費用は自己負担が基本(保証が残っている場合は別)となりますが、もともと賃貸住宅(アパート、マンション、借家)などに取り付けられていたエアコンが故障した場合は、管理会社や大家さんの負担になることもあります。
賃貸住宅の場合、勝手に修理を依頼してしまうと修理費用が自己負担になってしまうこともありますので、まずは管理会社や大家さんに連絡することからはじめていきましょう。
賃貸住宅などでの水漏れトラブルを放置してしまうと、壁や床が傷んでしまって余計な修理費用が発生する可能性もありますので、早め早めに対処するのが鉄則です。
まとめ
今回は、エアコン吹き出し口から水!?8つの故障原因と応急処置方法まとめについてお話しました。
エアコン吹き出し口からの水漏れ故障は、熱帯夜が続くような真夏日に突然発生するため、とても困ってしまいます。
夏場はエアコン修理のハイシーズンとなっているため、メーカーサポートなどはとても混雑してしまっていて、修理の予約が2~3週間後になってしまうケースもよく見かけます。
早くエアコンを直してもらいたい場合は、最低でも2~3社ほどエアコン修理の問い合わせを行い、急な修理キャンセルの空きなどを探す努力が必要です。
あの快適なエアコンライフを取り戻すため、まずは修理業者に「いつ来てもらうことができるか?」ということを問い合わせることからはじめていきましょう。