室外機が動かない(ファンが回らない)
室外機が動かない、ファンが回らない・・・
プロ直伝のエアコン復旧方法

エアコンの室外機が動かない(ファンが回らない)原因と対処法


この記事は、「空調機器の設計開発」や「エアコン取付修理」に経験のある電気工事士が解説しています。
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4.室外機の主な故障原因と修理費用の相場

エアコンの室外機が壊れる原因は主に6つあり、故障原因によって修理費用の相場が変わってきます。

また、室外機の状態によっては修理ではなく買い替えも検討したほうが良いケースもあったりします。

ここでは現場で見かける頻度の高い順に室外機の故障原因を紹介していきますので、参考にしてみてください。

【原因1】基板が故障して室外機が全く動かなくなる(最も多い)

室外機の主な故障原因(基盤の位置)

エアコンの室外機が動かなくなる原因で一番多いのが室外機の中に取り付けられている基板の故障です。

基盤とは小さな部品がたくさん並んだ茶色や緑色をした板状のもので、室外機内の部品に電気を供給したり、制御したりするものです。

室外機の基盤が故障

制御基板が壊れてしまうと室外機が全く動かなくなります。

室外機が動き出しても途中で止まってしまうような場合、基盤以外の部品の故障も考えられます。故障原因を特定するためには、エラーコードを読み取り(3ページ目)が必要です。

基盤故障の主な原因は、害虫の侵入によって電気回路がショートしたり、落雷の影響などで電子部品が溶けてなくなったり(下の写真)、経年劣化で基盤に亀裂が入ることが多いです。

落雷の影響で基盤の足が溶断

上記のように小さな部品の故障であっても基盤ごと交換修理するのが一般的です。

修理費用の相場は2~4万円程度となることが多く、部品の在庫があれば1~2時間程度の修理作業でエアコンが直ります。

基盤の故障は比較的安価で簡単に直すことができるため、エアコンの買い替えの時期でなければ、このまま修理して使っていくことをおすすめします。

エアコンの買い替えの時期は、設計上の標準使用期間(10年)や部品の調達可能期間(10年)などが目安となります。

【原因2】モーターが壊れてファンが回らなくなる(2番目に多い)

室外機の主な故障原因(ファンモーター)

基盤故障の次によくあるのが、室外機のファンを回しているモーターの故障です。

室外機は部屋で吸収した熱を外に出す役割があるため、ファンを回すモーターが壊れてしまうとエアコンが効かなくなります。

モーターが壊れる原因は、錆びてスムーズに回転できなくなったり、モーターの中にあるコイルが焼けて動かなくなってしまうことが多いです。

エアコン室外機のファンモーター

室外ファンモーターが壊れた場合、モーターのみを交換しファンは再利用することがほとんどです。

修理費用の相場は1.5~2.5万円程度となることが多く、部品の在庫があれば1~2時間程度の修理作業でエアコンが直ります。

室外ファンモーターの故障は比較的安価で簡単に直すことができるため、エアコンの買い替えの時期でなけば、このまま修理して使っていくことをおすすめします。

ごく稀に基盤故障が原因で室外ファンモーターが壊れてしまう場合もあります。この場合は、室外ファンモーターに加えて基盤の交換(+1~2万円、部品代)も必要となります。故障原因の特定方法は、エラーコードを読み取り(3ページ目)を御覧ください。

【原因3】温度センサーが壊れて動作が不安定になる(3番目に多い)

室外機の主な故障原因(温度センサー)

3番目に多い故障なのが温度センサーの故障です。

温度センサーは室外機の中の配管などに取り付けられていて、エアコンを細かく制御するために使われています。

温度センサーが壊れると室外機の動作が不安定になり、エアコンの効きが悪くなります。

温度センサーの故障原因は断線や経年劣化による抵抗値の変化です。

エアコン室外機についている温度センサー

温度センサーが壊れた場合、新しいものに交換修理すれば直ります。

修理費用の相場は1~2万円程度となることが多く、部品の在庫があれば1~2時間程度の修理作業でエアコンが直ります。

温度センサーの故障は簡単に直すことができるため、エアコンの買い替えの時期でなけば、このまま修理してそのまま使っていくことをおすすめします。

【原因4】弁が壊れて動作がおかしくなる

室外機の主な故障原因(四方弁、電子膨張弁)

4番目に多いのが弁の故障です。

室外機の中には四方弁や電子膨張弁という部品が取り付けられていて、それらの部品の機能は以下のようになっています。

部品名機能
四方弁冷房と暖房を切り替えるための切替弁
電子膨張弁エアコンを効率よく動かすための調整弁

これらの弁は、電磁コイルと弁本体で構成されています。

電磁コイルと弁本体の故障

弁が壊れてしまうと、冷房と暖房の切替ができなくなったり、エアコンの効きが悪くなったりします。

弁の故障原因は、電磁コイルの方はコイル線の絶縁不良、弁本体の方は内部のゴミやサビによる詰まりなどによるものです。

電磁コイルの故障の場合、現場で部品交換修理が可能です。

この場合の修理費用の相場は1.5~2.5万円程度となることが多く、部品の在庫があれば1~2時間程度の修理作業でエアコンが直ります。

一方、弁本体の故障は部分修理ではなく室外機を丸ごと取り替えるような修理方法となります。

ただ、室外機は単品で取り寄せるとエアコン一式を購入するのとあまり変わらない値段になってしまうため、弁本体が壊れた場合は修理ではなくエアコン一式を丸ごと新しいものに買い換えてしまうのが一般的です。

弁本体(冷凍サイクル)の故障はメーカー保証が5年となっているため、無償修理の対象となる可能性があります。この場合は室外機の新品交換の対応となることが多いです。

【原因5】圧縮機が壊れて室外機が動かなくなる(修理が困難)

室外機の主な故障原因(圧縮機)

頻度としては多くないものの致命的な故障となってしまうのが圧縮機の故障です。

圧縮機は配管の中を流れている冷媒ガスを循環させるポンプのようなもので、圧縮機が壊れてしまうとエアコンが全く効かなくなってしまいます。

圧縮機が壊れてしまう原因は、圧縮機の中にある回転部品の摩耗や異物の噛み込みによるロック、モーターのコイルが焼けて動かなくなることなどがあります。

圧縮機の故障は、部分修理ではなく室外機を丸ごと取り替えるような修理方法となります。

ただ、室外機は単品で取り寄せるとエアコン一式を購入するのとあまり変わらない値段になってしまうため、圧縮機が壊れた場合はエアコン一式を丸ごと新しいものに買い換えてしまうのが一般的です。

圧縮機(冷凍サイクル)の故障はメーカー保証が5年となっているため、無償修理の対象となる可能性があります。この場合は室外機の新品交換の対応となることが多いです。

【原因6】熱交換器や配管からガスが漏れてエアコンが効かなくなる(修理が困難なケースもある)

室外機の主な故障原因(熱交換器と配管など)

室外機の故障で稀にあるのが熱交換器や配管の不具合によるガス漏れです。

熱交換器や配管は部屋の中で吸収した熱を外に出す(暖房の場合は外から熱を吸収する)ために必要な部品です。

熱交換器のロウ付け部分に穴が空いたり、配管が折れてしまったり(下の写真)などから中に入っている冷媒ガスが漏れ出してしまうと、エアコンの効きが悪くなったり、冷房の場合はドレンホースから水が出てこなくなったりします。

冷媒配管が折れてエアコンの冷媒ガスが漏れた

ルームエアコンに使われている冷媒ガスに毒性はありません。また冷媒ガスは不燃性または微燃性(R32)であるため、プロパンガスや都市ガスなどのように爆発的に燃え広がるようなことはありませんが、近くで火気を使用するのは避けましょう。

これらの部品が壊れてしまう原因は、振動による割れやロウ付け不良、腐食性ガスによる侵食(温泉地などに多い)などが挙げられます。

熱交換器や配管の故障は、部分修理ではなく室外機を丸ごと取り替えるような修理方法となります。

ただ、室外機は単品で取り寄せるとエアコン一式を購入するのとあまり変わらない値段になってしまうため、熱交換器や配管が壊れた場合はエアコン一式を丸ごと新しいものに買い換えてしまうのが一般的です。

熱交換器や配管(冷凍サイクル)の故障はメーカー保証が5年となっているため、無償修理の対象となる可能性があります。この場合は室外機の新品交換の対応となることが多いです。

ガス漏れは室外機だけではなく配管の継ぎ手部分で起こる場合もあります

ガス漏れは室外機だけではなく、室内機と室外機を繋ぐ配管の継ぎ手部分などで起こることもあります。

エアコンの配管継手部分

室外機側の継ぎ手部分で大量のガスが漏れたような場合、配管のまわりが油でベタベタになったりするため簡単にガス漏れを箇所を発見することができます。

冷媒ガス漏れで配管がベトベト

ただ、ほとんどの場合が数年かけてじわじわと漏れ出す程度のガス漏れしか起こらないため、油の跡がなかったり、カバーやテープなどで覆われている部分だと、専用のテスターなどを使わなければガス漏れ箇所を見つけことは難しいでしょう。

この配管の継手部分からのガス漏れ修理の方法は以下のような手順となります。

項目内容
ガス漏れ修理フレア再加工
ガスチャージ補充または全量入れ替え
(冷媒ガスの種類による)

ガス漏れ修理の修理費用は1.5~2.5万円が相場となり、その日のうちにエアコンが使えるようになります。

近年では工具や材料、施工方法などが改善され、この部分からのガス漏れはあまり見られなくなってきました。
次のページでは、エラーコードの読み取り方やエアコンの強制起動方法についてお話していきます。

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