【水が飛んでくる原因3】冷媒ガス漏れ
ルームエアコンの配管内にはおおよそ1kg前後の冷媒ガスが封入されていますが、何らかの理由でこの冷媒ガスが漏れて少なくなってしまった場合、室内機内部配管などの異常冷却によって予期していないところに結露が発生し、その結露水が吹き出し口から飛んでくることがあります。
エアコンは部屋の中にある熱を室内機で冷媒の中に取り込み、冷媒を使って室外機まで運んで室外機で熱を吐き出すという仕組みで動作しています。(冷房運転時)
通常の冷房運転時に発生するアルミフィンなどに付着する結露水はドレンパンなどで回収され、ドレンホースを通じで室外に排出される仕組みになっています。
ですが、冷媒ガス漏れによって室内機本体内部の本来結露が発生しないような箇所に発生してしまった水滴については、ドレンパンでキャッチすることができないため、送風ファンに垂れてしまい吹き出し口から水滴がとんできてしまうことがあります。
冷媒ガス漏れの場合の水漏れ症状は、エアコンの吹き出し口やルーバー辺りから水がポタッ・・・、ポタッ・・・と落ちてくるか、吹出口から前方に飛んでくるのが一般的です。
水漏れ量としては排水経路異常(ドレンホースやドレンパンの詰まりなど)のときよりも少なく、多くても2~3秒に1~3滴程度といった感じになります。
ガス漏れの場合、室外機の配管(細い方)が氷点下以下まで温度が下がるため、霜が発生して真っ白くなってしまうのが特徴です。
通常の場合、この配管に液体の露がつくことはありますが、凍って白くなることはまずありません。
この他に、エアコンの冷媒ガスが漏れると、エアコンの効きが悪くなってきます。
エアコンから水が落ちてきた少し前ぐらいから最近エアコンの効きが悪くなってきたなぁと感じていたのであれば、ガス漏れが原因の水漏れである可能性が高まります。
ガス漏れ修理の料金相場はガスチャージの場合で15,000~25,000円程度となりますが、熱交換器や配管そのものに穴が空いてしまっているなど部品交換やロウ付け作業が必要となる場合、修理費用が70,000~100,000円となることもあります。
エアコンガス漏れの原因や具体的な修理方法などについては、こちらの記事が参考になります。
【水が飛んでくる原因4】揮発成分がフィンに付着してしまっている
事例としては少ないケースになるのですが、内装工事やワックスがけなどの際に出てくる揮発成分がエアコン内部に付着することによってエアコン室内機側で水漏れや水飛びが発生することがあります。
一度室内機内部に付着した揮発成分は、エアコンクリーニングなどを行わないと取り除くことができません。
フローリングのワックスがけなどを行った場合は、窓を開けて十分に換気を行ってからエアコンを動かし始めるようにしてください。
【水が飛んでくる原因5】原因不明のケース
実は、エアコン吹き出し口から水が飛んでくるというような少量の水漏れの中には、いくら原因を探してもエアコンには異常は見つからないケースも存在します。
- ドレンホースからはきちんと排水されている
- ドレンパンにも水は溜まっていない
- ドレンパンなどの破損も確認できない
- 冷媒ガス漏れも発生していない
こういった事例が発生するのは極めて稀なのですが、経験的には猛暑の真夏日にエアコンを何日もつけっぱなしにしているような状況で起こることが多いようです。
実際に水漏れが発生しているエアコンの内部を確認してみると、アルミフィン熱交換器に結露水がびっしりとついていて、さらにその結露水が吹出口の奥のほう(赤丸で囲っている部分)まで飛び散っているような状態になっています。
このようなタイプの水漏れは真夏の猛暑でエアコンがフル稼働しているときだけ発生して、それ以外のときは漏れてこないという事が多いですので、水が飛んでくる頻度が少ないのであれば直ぐに修理ではなく少し様子を見ながら使ってみてもいいかもしれません。
まとめ
今回は、エアコンから水滴が飛んでくる5つの故障原因と対処法についてお話しました。
急にエアコン吹き出し口から水しぶきが降ってきて驚いてしまうと思います。
エアコンから水が飛んでくるという症状は、故障の場合とそうではない場合がありますので、まずは上記の内容を参考にして故障かどうか判断してみてください。
それでもよくわからなかった場合は、業者を呼んでエアコン点検してもらいましょう。
エアコンがちゃんと冷えている場合はエアコンクリーニング業者で対応することができますが、エアコンの冷えも悪いという場合はガス漏れの疑いもありますので、メーカーサポートなどガス漏れ修理にも対応できる業者に修理を依頼する必要があります。
エアコンの水漏れは放置してしまうとエアコンが完全に故障して冷えなくなってしまったり、床や壁などを傷めてしまうこともありますので、早め早めに対処してくのが肝心です。
是非参考にしてみてください。