「あれ?急にエアコンから風が出てこなくなった…」
真夏の蒸し暑い夜。あなたは汗だくになりながら、リモコンのボタンを何度も押してみる。しかし、エアコンはうんともすんとも言わず、一向に動かない。
「まさか、故障?修理なんてお願いしたら、一体いくらかかるんだろう…」
焦りと不安が胸を締め付ける。この暑さの中、エアコンなしで過ごすなんて考えられない。
でも、ちょっと待ってください。もしかしたら、そのトラブル、自分で解決できるかもしれません。
この記事では、ダイキンのエアコンが止まってしまう原因と、具体的な対処法を詳しく解説します。読み進めるうちに、あなたのエアコンも再び爽やかな風を送り出せるかもしれません。
まずは深呼吸をして、一緒にトラブルの原因を探っていきましょう。
この記事で分かることはこちら!
スマート診断ナビ
▶ステップ1:状況確認
ダイキン製エアコンが止まる場合の故障診断を行います。
ダイキンのエアコンが止まってしまうのですね。まずは今の状態の確認を行いますので、以下の中から症状を選んでください。
この記事の監修者「taichan」
エアコンの故障診断のエキスパート、taichanです。大学院でヒートポンプを研究し、特許も取得。大手電機メーカーで培った知識と15年以上の現場経験を活かしたセカンドオピニオンを無料相談Q&A(空調テック)で提供中。素人には難しいエアコン故障もスマート診断ナビでわかりやすく解説。電気主任技術者、電気工事士、冷凍機械責任者など、多数の資格を保有。誰にとってもストレスなエアコン故障、そんな時に少しでも私のアドバイスがあなたのお力になることができれば幸いです。
ダイキンエアコンが止まってしまう原因と対処法
エアコンの電源は一瞬入るのだけれど、ちゃんと冷たい(暖房の場合は温かい)風が出てこなかったり、急にエアコンの室外機が止まってしまうというような症状が出る場合もあります。
この場合、エアコン故障の可能性もありますが、ちょっとしたことが原因でそういった状態になってしまっている可能性もあります。
慌てて業者やメーカーサポートに連絡する前に、一旦落ち着いて、順番に以下の内容をチェックしてみてください。
エアコンは部屋の中にある室内機と部屋の外にある室外機が必ずしも同じタイミングで動作しているとは限りません。
例えば、エアコンの冷房運転や除湿運転で設定温度を28℃に設定している場合、室温が28℃よりも高ければエアコンの室内機と室外機は両方共に動きます(冷房します)が、エアコンが室内を冷やして室温が設定温度の28℃よりも低くなった場合、室内機は動いたままにも関わらず室外機は停止する(ブゥーンという低い音が消え、ファンも停止する)ことがあります。
この時、室内機は止まってしまうか、冷たい風ではなく、生ぬるい風が出ている状態(扇風機と同じ、送風運転)になってるかのどちらかになります。
そして、また部屋の温度が設定温度の28℃以上になった時に室外機が動き出し、エアコンの室内機から冷たい風が出るという感じです。
これは暖房のときも同じことが言えます。
例えば、エアコンの暖房で設定温度を23℃に設定している場合、室温が23℃よりも低ければエアコンの室内機と室外機は共に動きます(暖房します)が、室温が設定温度の23度よりも高い場合、室内機は動いたままにも関わらず室外機は停止することがあります。
このようなパターンでエアコンの室外機がONとOFFを繰り返している場合はエアコンの故障ではなく、エアコン制御の仕様であると考えて良いでしょう。
エアコンのリモコンで「自動運転モード」に設定している場合も、上記と同じようなことが起こる場合があり、室内が過ごしやすい温度帯の場合、エアコンの室内機は動くけれども、エアコンの室外機は動かない(ON/OFFの断続運転を繰り返す)ことがあります。
上記のように、故障ではなく、室内の温度が設定温度に達しているため室外機が停止した場合、冷房(暖房)の場合は設定温度を室温より2~3℃ほど低め(高め)に変更してみましょう。
温度を変更してから数分以内に、室外機が動き出し、部屋が冷える(温まる)まで室外機が動いているようであれば、室外機が動かなかった理由は室内の温度が設定温度に達したからだったということが確認できます。
エアコンの冷房が効かない(風が出ずに止まってしまう)原因として意外に多いのが、リモコンの表示と本体の運転モードが異なっている事が良くあります。
例えば、部屋を涼しくしたいと思ってリモコンで温度を下げたとしましょう。
この場合、運転モードが「冷房」になっていなくても「自動」や「除湿」になっていればエアコンから冷たい風は出てくるのですが、仮に運転モードが「暖房」や「送風運転」になっている場合は、いくら設定温度を下げてもエアコンは止まったままになります。
「リモコンの表示もちゃんと冷房になってるのに、一向にエアコンが動かない・・・」という場合、もしかしたらリモコンの表示と本体の運転モードが異なっている可能性があります。
例えば、子供がリモコンをエアコンの方に向けないで運転モードボタンを押してしまったりした場合、リモコンの表示は「冷房」になっているのに、本体が認識している運転モードは「暖房」だったという事もありえます。
このようなことも考えられるので、一度リモコンをエアコンに向けて運転切り替えボタンを押し、もう一度モード設定を切り替えてみてください。
エアコンのコンセントは刺さっているのだけれどエアコンが止まって動かない場合、エアコンのコンセントに電気が来ていない(ブレーカーが落ちている)可能性があります。
エアコンのコンセントに適当な家電製品のプラグを挿入してみて、ちゃんとコンセントに電気が来ているかどうか確認してみましょう。
もし、コンセントに電気が来ていないようであれば、分電盤中にあるエアコンのブレーカースイッチが落ちている可能性があります。
エアコンのブレーカーだけ切ってある(切れている)場合、上記のような感じになっている「◯(開放、つながっていない)」と思いますので、そのスイッチを上に押し上げてエアコンのコンセントに電気を流してあげましょう。
なお、エアコンのコンセントを差したり、エアコンを作動させたりした時に、こういった場所ごとのブレーカーではなく、大元のブレーカーが落ちたりする(家中が停電になる)こともあります。
これ以外に、特にそのような電気の使いすぎはないにもかかわらず、エアコンを使おうとするとこのブレーカーが落ちて家中が停電になってしまうこともあります。
これはエアコンが故障して、電気が本来流れるべきでない場所に流れ出てしまう漏電を起こした場合に、主幹ブレーカー(漏電ブレーカーの機能も内蔵している)が作動して、安全のために電気を遮断している状態となります。
エアコンのコンセントを差して電源を入れようとした時だけこの主幹ブレーカーが落ちて家中が真っ暗になってしまうという場合は、エアコンが漏電故障した可能性が高いですので修理や買い替えが必要です。
一旦はエアコンが起動するのだけれど、しばらくすると止まってしまうような場合、エアコンカバーの外し忘れを疑ってみてください。
エアコンを長期間使わない場合にエアコンカバーをかけておく人もいると思うのですが、室外機側のカバーを外し忘れている可能性があります。
室外機にエアコンカバーをかけたまま電源を入れた場合、エアコンは一応動き出すのですが数分ですぐに動かなくなってしまったり、場合によっては生ぬるい風しか出てこなかったりということもあります。
これと似た状況で、室外機の周りを荷物などで囲んで塞いでしまったり、室外機の裏側のアルミフィンに犬や猫などの動物の毛がびっしり付いてしまっているような場合も、同様のことが起こってしまいます。
これらのことが原因でエアコンが止まってしまった場合、室外機のカバーを外すか、室外機周りの障害物を取り除いてから、エアコンの電源を切り、エアコンのリセット動作(コンセントを抜き差しする、リモコンのリセットボタンを長押しする)を行えばエアコンは正常に動き出します。
ちなみに、エアコンは一度停止させた直後に運転ボタンを押しても数分間は始動しないプログラムになっているので、運転ボタンを押したらしばらくの間は何もせず、ちゃんと動いてくるかどうか様子を見るようにしてください。
エアコンは室外機が動いていないと室内機から冷たい風(暖房の場合は暖かい風)が出てこない仕組みになっています。
エアコンの電源を入れたら室外機のところに行き、①室外機のファンが回っていること、②室外機の中にある圧縮機が起動していること(ブゥ~~ン・・・というような低い音がしているか)を確認して下さい。
運転中に室外機が途中で止まってしまうような場合は、こちらの記事が参考になります。
冬場の暖房だけに限った話ですが、エアコンの場合、霜取り運転と呼ばれる室外機についた霜を溶かすプログラムが作動している場合があります。
除霜運転中は、室内機のファンは停止、または微風となり、室外機は圧縮機は動作している(ブゥーンという低い音はなっている)ものの、室外機のファンは停止している状態になっています。
一般的には、霜取り運転は「暖房(数時間)→除霜運転(数分)→暖房・・・」というパターンで行われますが、何らかの理由で暖房運転開始時に室外機に霜がついたと判断された場合、暖房の開始直後から行われることもあるため、数分から十数分の間、エアコンがとまってしまうことがあります。
室内機は動いていないけど室外機からはブゥーンという音がしている場合、しばらく待っていれば暖房が開始されますのでこれはエアコンの故障ではありません。
冬場の暖房運転の場合、室内機には高温高圧の冷媒ガスが流れ込んできています。
室内機側のエアコンフィルターがあまりにも汚れてしまっていると、冷媒ガスの圧力が上がりすぎてしまってエアコン本体が途中でエラー停止して風が出なくなってしまうことがあります。
長い間エアコンフィルターを掃除していなかったという場合、掃除機などを使ってフィルターに付いたホコリを掃除してエアコンを再始動してみて下さい。
これらのチェック項目を試してもエアコンが止まってしまう場合は、残念ながら故障の可能性があります。修理費用や修理依頼の方法など、さらに詳しい情報については、記事後半の「エアコンが止まってしまった時の故障原因と修理費用」の章をご覧ください。
それでも動かない時は…エアコン本体のリセットを試そう
エアコンは強いノイズを受けたりするだけで誤作動を起こして動かなくなってしまうことがあります。
上記の内容を確認してもエアコンから風が出ない場合、一度下記の手順でエアコン本体をリセットしてみて下さい。
エアコンをOFFにする
エアコンが動いている場合はリモコンでエアコンの電源をOFFします。
運転ランプやタイマーランプが点滅して既にエアコンの動作が停止してしまっているような場合は、そのまま次のステップに進んでください。
室内機の電源コードを抜く
次に、エアコンの電源コードを抜きます。
電源プラグが高いところで抜き差ししにくい場合などは、分電盤の中にあるエアコン回路のブレーカーを落としてもOKです。
ルームエアコンの場合、電源は室内機側のコンセントのみとなっていますので、ここまで作業ができたらエアコンに流れる電気は遮断できたことになります。
ブレーカーのマークの意味は「ー」で通電、「◯」で開放(電気を遮断)となっています。
5分後に電源を入れ直す
エアコンの電源を落としてから5分後にコンセント(ブレーカー)を挿し入してください。
ルームエアコンの場合、電源コンセントは室内機のところに一箇所しかないため、この操作を行うことで、室内機だけではなく室外機の方も同時にリセットすることができます。
リモコンに付いているリセットボタンは、リモコンの電池交換後にリモコン本体のリセットを行うためのものです。このリモコンのリセットボタンを押してもエアコンはリセットされませんので注意が必要です。
エアコンが反応しない!強制起動で動作確認
ダイキンのルームエアコンには、室内機本体の下側や前面パネルを開いたところに「応急運転スイッチ」というものがあり、この応急運転スイッチを使えば、リモコンを使わずにエアコンを起動する事ができるため、エアコンが止まってしまうのが本体側の原因かどうかを判定することができます。
応急運転ボタンを使った強制起動ではエアコンの基本動作しか行わない(省エネ運転など暖房能力を抑える各種設定は適用されない)ため、故障判定を行う場合はこの応急運転で行うのがおすすめです。
ダイキンの場合、応急運転スイッチを押すと快適エコ自動モード(設定温度25℃)で強制起動することができます。
この応急運転スイッチでエアコンを強制起動した結果、エアコンが正常に動いたようであればエアコンの基本機能は正常で、リモコンや設定関係に不具合がありそうだということを確認することができます。
エアコンが止まってしまう時の故障原因と修理費用
ここまでいろいろな対処法を試してみたにもかかわらず、エアコンが止まってしまうような場合は、本格的にエアコンが故障してしまっている可能性が高いといえます。
このエアコンの電源は入るが風が出ない、またはエアコンは動いてもすぐに止まってしまうというような場合の主な故障原因と修理費用の相場は以下の通りとなります。
エアコンの心臓部ともいえる室内ファンモーターが故障すると、エアコンの電源は入るものの、風が出てこない、または非常に弱い風しか出てこないといった症状が現れます。
この場合、残念ながらモーターの交換が必要となり、修理費用は部品代と工賃を含めて約20,000円~40,000円が相場となります。
この場合の修理手順としては、エアコン動作の症状やエラーコードなどから室内ファンモーターの故障が原因であることを確定し、その後部品をメーカーなどに発注、部品到着後に基盤を交換していくという形となります。
パーツの在庫がある場合は数日中に修理が完了することになりますが、メーカーから部品を取り寄せるというような場合は部品が到着するまで1~2週間かかることもあります。
エアコンには、制御基板と呼ばれるコンピューターのような部品が、室内機と室外機のそれぞれに搭載されています。
この制御基板は、エアコンの頭脳のような役割を果たし、ファンモーター(風を送るためのモーター)、圧縮機(冷媒ガスを圧縮して循環させるポンプのようなもの)など、エアコンの様々な部品に指示を出して、全体をコントロールしています。
この制御基板や基盤とパーツをつなぐ配線などが壊れると、エアコンの電源が入らなかったり、室外機が動かなくなったりします。
制御基板の故障は、長年の使用による基盤の割れや繰り返し熱が加えられることによる半田の剥がれ、基板上にあるパーツの寿命などが原因となります。
この制御基板が故障した場合、修理費用の相場はおおよそ以下の通りとなります。
- 室内機側の制御基板の場合;10,000~35,000円
- 室外機側の制御基板の場合;10,000~35,000円
この他に、室外機内にあるパワートランジスタという室外機ファンを駆動するための部品が故障することもありますが、その場合もおおよそ上記の見積相場となります。
この場合の修理手順としては、エアコン動作の症状やエラーコードなどから制御基板の故障が原因であることを確定し、その後部品をメーカーなどに発注、部品到着後に基盤を交換していくという形となります。
パーツの在庫がある場合は数日中に修理が完了することになりますが、メーカーから部品を取り寄せるというような場合は部品が到着するまで1~2週間かかることもあります。
エアコン本体にあるリモコン受光部が故障した場合、リモコンからの操作は全く受け付けず、応急ボタンなどでしかエアコンを操作することができなくなります。
リモコン受光部の故障は初期不良や経年劣化以外にも、エアコン掃除などで水がかかってしまったりすることが原因になっていたりします。
応急運転ボタンでしかエアコンが動かないような場合は、このリモコン受光部の故障を疑っていきましょう。
エアコン本体のリモコン受光部の故障の場合の修理費用の相場は10,000~20,000円程度となります。
買い替えなどより修理するほうが安くつくことが多いですので、修理をしていくことをおすすめします。
エアコン配管の内部には冷媒ガスと呼ばれる熱を運ぶためのガスが入っていて、このガスが室外機と室内機の間を循環することで、お部屋を冷やしたり温めたりしています。
冷媒ガスはエアコンの血液のようなもので、これが不足するとエアコンの効きが悪くなったり、最悪の場合、エアコンが動かなくなってしまいます。
一部のエアコンでは、その冷媒ガス漏れを検知した場合に動作エラーで室外機を停止させるという機種があります。
エアコンが止まってしまうようになる前に、最近エアコンの効きが悪くなってきていたという症状があった場合は、エアコンが止まってしまう冷媒漏れによるエラー停止が原因である可能性があります。
冷媒ガス漏れの修理費用の相場は20,000~100,000円となっており、冷媒漏れの原因が継手部分からによるものでその場で修理できるものあるか、または配管の腐食などによるもので溶接作業が必要で持ち帰り修理になるかによって大きく値段が分かれます。
まとめ
ダイキンのエアコンが止まってしまう場合は、慌てずにまずはリモコンの電池、コンセント、ブレーカーといった基本的な箇所を確認しましょう。
エアコンの風が途中で止まってしまう場合は、設定温度や運転モード、室外機の状況、フィルターの汚れなどをチェックしてみてください。
それでも解決しない場合は、エアコン本体のリセットや応急運転を試してみましょう。
これらの対処法を試しても改善が見られない場合は、残念ながら故障の可能性が高いです。
その際は、この記事で紹介した故障原因と修理費用相場を参考に、専門業者へ点検を依頼することをおすすめします。