U4エラーの主な故障原因
エアコンのエラーコードは大まかな不具合箇所を示しているだけとなっていますので、まずはエラーコードの内容を参考に消去法で不具合箇所を特定していくことからはじめていきます。
以下に不具合箇所の特定するための大まかな流れをまとめておきますので、サーッと目を通しておきましょう。
項目 | 不具合の内容 | 確認内容 | 主な修理方法 |
①外的要因による 不具合 | ・ノイズなどの影響 によるシステムエラー | ・本体のリセット | ・ノイズ発生源の特定対策 |
②別売品配線接続 の不具合 | ・配線の各種異常 | ・別売品取付有無の確認 ・コネクタの状態確認 | ・部品交換 |
③内外連絡線の配線 接続の不具合 | ・配線の各種異常 | ・配線接続部の確認 ・導通確認 ・絶縁抵抗測定 | ・配線修復、交換 |
④室外ファンモータ の不具合 | ・ファン回転部の異常 ・モータ本体の異常 | ・異物の噛み込み ・ベアリングのガタツキ ・コネクタの状態確認 ・制御基板のヒューズ断線確認 ・コネクタの抜差確認 | ・異物の除去 ・ファンモータの交換 |
⑤室外プリント基板 の不具合 | ・電源の異常 ・基盤の異常 | ・電源配線の電圧測定 ・コネクタの状態確認 ・基盤LEDの表示確認 ・室外機ファンコネクタ の抜差確認 | ・配線修復、交換 ・室外プリント基盤や ファンモータの交換 |
⑥室内プリント基板 の不具合 | ・電源の異常 ・基盤の異常 | ・送風運転の動作確認 ・室内機ファンコネクタ の抜差確認 | ・室内プリント基板の 交換 |
エアコン修理における不具合原因の特定方法は、消去法で異常箇所を探っていくのが基本的なやり方となります。
ダイキンエアコンのU4エラーの原因の多くは室外プリント基板の故障となっていますので、ほとんどの場合はその基盤を交換すれば修理が完了することになります。
ただし、稀にそれ以外の部分が原因で故障している場合もありますので、少々手間がかかってしまいますが全ての故障原因を頭に入れつつ、最適な手順で原因特定と部品交換していくことが大切です。
【故障原因①】外的要因による不具合
エアコンには外的ノイズを遮断するノイズフィルターが取り付けられているのですが、据え付け状況によっては強いノイズを受けてしまうと誤作動を起こしてU4エラーを発することがあります。
照明器具や高周波ミシン、アーク溶接機などを近くで使っている場合、そういった機器から発せられるノイズが誤作動の原因になっている可能性があります。
また、建物内以外にも放送局やアマチュア無線などからの電波が原因となることも稀にあります。
こういった場合、配線にシールドを施すか、ノイズの発生源を遠ざけるなどの工夫が必要となります。
【故障原因②】別売品配線接続の不具合
ダイキンのU4エラーは、リモコンなどの別売品配線接続に異常が発生した場合に表示されることがあります。
ルームエアコンの場合は別売品を取り付けることは少ないですので、オプション品の取り付けがない場合はこの項目での不具合ではないということになります。
別売品を取り付けている場合は、以下の方法で配線の状態やパーツの故障有無を確認してください。
- 別売品を取外してエラーコードの表示を確認
- コネクタの接続状態を確認
- 部品交換による別売品の故障判定
別売品を取外した状態でエアコンを始動し、エラーコードが解除された場合、別売品側に不具合があることがわかります。
その場合は、それ以下の原因2~5の検証を行っていきます。
いずれかの項目に不具合があった場合はそれがU4エラーの原因となりますので、原因に合わせた修理を行い作業完了となります。
【故障原因③】内外連絡線の配線接続の不具合
ダイキンのU4エラーは、室内機と室外機をつなぐ配線に異常が発生した場合に表示されることがあります。
配線や室内機と室外機の配線接続部に断線や漏電、接続不良などの異常がないか下記手順で確認していきます。
- テスターで室内機と室外機をつなぐ各配線の導通確認
- 絶縁抵抗計で室内機と室外機をつなぐ各配線間の絶縁抵抗を測定
- 配線接続部の状態を確認
いずれかの項目に不具合があった場合はそれがU4エラーの原因となりますので、原因に合わせた修理を行い作業完了となります。
【故障原因④】室外ファンモータの不具合
ダイキンのU4エラーは、室外機のファンモータに異常が発生した場合に表示されることがあります。
室外ファンの回転を妨げる原因(異物の噛み込み、ベアリングの劣化など)がないか、コネクタの接続に異常がないかといったことを下記手順で確認していきます。
- 室外ファンの回転を妨げているものがないか確認
(植物の絡まり、異物の噛み込みなど) - 室外ファンのベアリングが劣化していないか確認
(ゴリゴリした感じがないか、回転がなめらかかなど) - コネクタの接続状態の確認
- プリント基板のヒューズ断線確認
(ヒューズ断線の場合ファンモータ故障の可能性大) - 室外ファンのコネクタの抜差確認
(コネクタを抜いてリセットし、エラーコードがU4→E7に変わった場合、ファンモータ故障の可能性大)
まず上記1~3を調査し、不具合箇所があるかどうか確認していきます。
ファンに植物などの異物が絡まっていたりしてファンの回転を妨げていたのであれば、それらを取り去りエラーが復旧するかどうか本体リセットしていきます。
室外ファンモータのベアリングの異常(劣化など)により回転がロック、またはロック気味になっている場合はファンモータを交換し、エラー解消するか検証していきます。
3まで異常が確認されなかった場合、4のプリント基板にあるヒューズが断線していないか確認し、断線しているようであればファンモータ故障の可能性が高いですので、ヒューズ及びファンモータを交換してエラー解消するか検証します。
4まで異常がなければ、室外ファンモータのコネクタを抜いた状態で本体リセットし、エラーコードの内容を確認していきます。
エラーコードの内容がU4からE7(室外ファンモータ異常)に変わった場合、次の項目で紹介するプリント基板の故障の可能性は低くなり、室外ファン故障の可能性が高まります。
この場合、室外ファンモータを交換して本体リセットを行い、エラーコードが解消されるか確認していくという流れになります。
【故障原因⑤】室外プリント基板の不具合
ダイキンのU4エラーは、室外機にあるプリント基板に異常が発生した場合に表示されることがあります。
室外プリント基板に電気が来ているか、コネクタの接続は正常か、基盤のLEDは点滅しているかといったことを下記手順で確認していきます。
- 電源配線の電圧測定
- コネクタの状態確認
- 基盤LEDの表示確認
- 室外ファンモータのコネクタの抜差確認
(コネクタを抜いてリセットしても、エラーコードがU4のままの場合、室外プリント基板故障の可能性大)
まず、1,2の確認を行い、基盤に電気が来ていること、コネクタ部の接続が正常であることを確認します。
次に、3のプリント基板のLEDが点滅していることを確認していきます。
LEDが点滅していない場合はプリント基板の故障が不具合の原因となっている可能性が大きくなります。
この場合、プリント基板単体の部品交換でエラーが復旧する可能性がありますが、室外ファンモータの故障が原因でプリント基板が故障するというケースもありますので、室外ファンモータも同時交換するのがベターです。
3までに不具合がなかった場合は、室外ファンモータのコネクタを抜いた状態で本体リセットし、エラーコードの内容を確認していきます。
エラーコードの内容がU4からE7(室外ファンモータ異常)に変わった場合、次の項目で紹介するプリント基板の故障の可能性は低くなり、室外ファン故障の可能性が高まります。
逆にエラーコードがU4のままだった場合は、プリント基板の故障の可能性が高くなります。
この場合も、室外ファンモータ故障→室外プリント基板故障という可能性は残っていますので、室外ファンモータと室外プリント基板の両方交換のほうが確実な修理方法となります。
上記を交換しても不具合が解消されない場合、室内機のプリント基板の不具合が原因となっていることが考えられます。
【故障原因⑥】室内プリント基板の不具合
滅多に無いケースですが、ダイキンのU4エラーは室内機にあるプリント基板に異常が発生した場合に表示されることがあります。
室内機のプリント基板の不具合については、送風運転など室外機との通信を必要としない機能が正常に動くかといったことを下記手順で確認していきます。
- 送風運転の動作確認
- 室内機ファンコネクタの抜差確認
まず、リモコンなどを使ってエアコンの送風運転を起動し、風量やルーバーの調整、タイマー運転などが正常に行われるか確認します。
この時点で動作に不具合があった場合は室内プリント基板の不具合の可能性が高くなりますので、室内機のプリント基板の交換を行っていきます。
1で異常がなく、かつ検証項目⑤のところで室外プリント基板と室外ファンモータを既に新しいものに交換してある場合、室内機の方のファンモータを抜いてエアコン復旧を行い、エラーコードがU4以外になることを確認していきましょう。
この時点で室外プリント基板と室外ファンモータは既に交換済みですので、それでもU4エラーが出る場合は室内プリント基板のほうに不具合があるということになります。
この場合、室内プリント基板を交換し、エアコンを復旧してエラー表示が消えることを確認していきます。
まとめ
ダイキンエアコンのU4エラーは、室内機と室外機の通信不具合を示すシステムエラーとなります。
室外機のファンに異物が挟まっていないか、外部ノイズによる誤作動ではないか(本体リセットで復旧するか)を確認してもエラーが消えない場合、本格的な故障の可能性が高いため、早めにエアコン点検を行うことをおすすめします。